サイクリングプランナー・田代恭崇さんに聞く<2>水分補給に隠れた落とし穴 脱水対策に必要なのは「+ナトリウム」

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 気温が上昇していくこの季節、熱中症と並んで注意したいのが脱水症です。「飲めるし、暑いときにかぶれる」という理由でボトルの中にミネラルウォーターを入れてる人も多いと思いますが、実はそれ、「一石二鳥」ではありません。「脱水症対策には、水分を体に取り込むためのナトリウムが必要です」と語るのはサイクリングプランナーの田代恭崇さん(リンケージサイクリング代表)。ライド時の水分補給の注意点や、スポーツドリンクが苦手という人の対処法などを聞きました。

脱水症になると水を飲むだけでは回復できない? Photo: iStock.com/ockimages

◇         ◇

水分補給は20分置きに

サイクリングプランナーの田代恭崇さん(リンケージサイクリング代表) ©LINKAGE CYCLING

─脱水症とは?

田代:普段、私達は体外へ排泄されていく水分とそれを補う水分とで「体液」を調整しています。そのバランスが崩れたときに生じる体の不調が脱水症です。下痢などの症状でも起きますが、サイクリング中でいえば、運動で体内の水分が汗となって排泄され、それに対して適切に水分補給が行われないと体内の水分量(水分と塩分)が低下し、めまいやふらつき、頭痛、悪心、さらに悪化すると意識障害、痙攣などの症状が出ます。

─脱水症予防にはどんな対策が必要ですか?

田代:喉の乾きを感じる前に、こまめに水分補給を行うようにしてください。サイクリングの場合、ライドに集中したり走りに余裕がなかったり、また片手でボトルがとれなかったりすると、適切な水分が補給できないまま走行を続けてしまうことがあるので、最低でも20分に1回は飲む、あるいは止まって水分補給をするということを心がけてください。

 その結果脱水症となり、さらに「発汗できなくなる」⇒「熱を放出できない」⇒「熱中症」と併発していくケースも少なくありません。秋冬でも、熱中症まではいかなくても適切な水分補給ができなければ脱水症になることはあります。

 水に加えて、スポーツドリンクや経口補水液を併用してナトリウム(塩分)も補給してください。体液は水分と塩分で形成されているので、運動をすると水分とともに塩分が汗で体外に出てしまいます。塩分が不足した状態では、水分を補給するだけでは体内に取り込まれにくく、たくさん量を摂っても体内を素通りするだけになってしまいます。

「ボトルは水」という人は塩タブレットの活用を

─「脱水症かも?」危険を知らせる体のサインは?

田代:体内の水分量はたった2%減少するだけで運動能力が低下すると言われています。例えば体重60kgの水分量2%は0.72L。脱水症の明らかな症状は出ませんが、だるさやパフォーマンスの低下を感じたら休憩をとってしっかり水分補給をしましょう。

─脱水症になってしまったら?

田代:冷たい飲料水が購入できる場所で休憩をとり、あれば経口補水液が望ましいですが、無い場合はスポーツドリンクなど少しでもナトリウムを摂れる飲料水を飲むようにしましょう。いったん脱水症になってしまうと回復に時間を要しますので、そうなったら無理をせずライドを中止することも考えましょう。

─スポーツドリンクが良いのはわかっていますが、常飲するのは苦手という人も多いですよね。

「ボトルには水を入れたい」という人は塩分がとれるタブレットや飴を上手に活用しよう

田代:スポーツドリンクは糖分を多く含んでいるので苦手な方も多いようです。特に女性に多い印象です。また、水だと暑くなったときに頭からかぶれるという理由で携行している人も多いですよね。その場合は別途、塩タブレットや塩分が含まれた飴などを携行するのも一つの方法です。最近ではコンビニでも経口補水液を販売しているところが増えているので、携行しない場合は休憩時に購入して飲むようにすると良いでしょう。

田代恭崇
田代恭崇(たしろ・やすたか)

リンケージサイクリング代表。大学のサイクリング部で自転車ロードレースを始め、卒業後プロに転身。10年間チームブリヂストンアンカーに所属し、2001年と2004年の全日本選手権優勝、2004年アテネ五輪日本代表など、数多くの成績を残す。引退後はブリヂストンサイクルに入社し、スポーツ用自転車の商品企画、広報、ショールーム運営、サイクリングイベントなどを6年間担当。2014年にサイクリングイベントやスクール、コーチを行う「リンケージサイクリング」を湘南・江ノ島で創業。

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