サイクリングプランナー・田代恭崇さんに聞く<1>5月が要注意! 熱中症対策 暑さを迎え撃つ準備、できてますか?

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 ゴールデンウィークまっただ中、10連休が取れている人もそうでない人も、ロングライドや自転車旅など、いつもと違うライド計画を立てている方も多いのではないでしょうか? そんな楽しいプランの中で見落としがちなリスクが、“季節の変わり目”になりがちな熱中症。熱中症にならないための予防、なりそうな兆候、なってしまったら?等々の対策を「リンケージサイクリング」代表の田代恭崇さんにQ&A形式で応えてもらえました。ビギナーの皆さんはもちろん、ベテランサイクリストも今一度おさらいを。

5月は熱中症に要注意 Photo: iStock.com/rcaucino

◇         ◇

季節の変わり目は体の温度調整が困難に

サイクリングプランナーの田代恭崇さん(リンケージサイクリング代表) ©LINKAGE CYCLING

─熱中症とは?

田代:身体の体温調整機能が働かなくなり、体温が上がって身体に熱がたまることで起きます。気温が高い、あるいは気温が急激に上昇したときに強度の高いライドをしたり、休憩や水分補給が適切に行われない場合などに起きます。

─どんな症状ですか?

田代:初期のサインは、身体が火照ったり、めまいや頭痛などが現れます。その後、けいれん、手足のしびれ、頭痛、全身倦怠、吐き気、さらに重症化すると意識障害、反応低下、不自然な言動やふらつきなどを起こします。

─いつ頃から気をつければ良いのですか?

田代:熱中症は真夏というイメージがありますが、実は気温が高まり始める5月半ばから気をつける必要があります。逆にこの時季は身体が暑さに慣れていないがために体温調節(発汗)がうまくできず、発症するリスクが高まります。

─熱中症にならないために、サイクリストはどんな対策が必要?

身体が火照ったり、めまいや頭痛などを感じたら熱中症のサイン Photo: iStock.com/Mikolette

田代:サイクリストに限ったことではありませんが、体調が優れない時には運動を控えてください。仲間と約束をしているからといっても無理は禁物。周囲にも迷惑をかけることになります。走る場合は山など木陰が多いところがおすすめです。サイクリングロードなど日陰が少ないところはなるべく避けましょう。

 体調に異常がない場合でも長時間や強度の高いサイクリングは控え、1時間に1回、程度によっては30分に1回のペースで涼しい場所での休憩をとってください。水分補給には水ではなく、スポーツドリンクや経口補水液などのミネラルを含んだ飲料をこまめに飲むようにしましょう。

初夏は「体を暑さに慣らす」

─熱中症になりやすい人はいるのですか?

田代:体型でいえば、肥満傾向の人は脂肪が多いので熱を逃がしにくく、身体を動かすのに熱がより多く発生するので比較的「なりやすいタイプ」といえます。また、これは環境的なリスクですが、サイクリング初心者の場合、集団で走る際に皆のペースに合わせようと無理をして頑張ってしまい、熱中症になるケースも。ビギナーの方が集団にいる場合は、周囲の人が様子を気遣ってあげましょう。

ビギナーの場合、集団のペースについていこうとして熱中症になるケースも Photo: iStock.com/ImagesbyTrista

 あとは、体調が優れない人や、二日酔いで体内の水分量が減っている(脱水症を起こしている)人は体温調整能力が普段通りに働かなくなるので、そんな状態のときに運動すると熱中症になりやすい傾向があります。

─熱中症になってしまったら?

田代:日陰で涼しい場所や、冷房が効いた室内(コンビニ)で休憩をとり、体温を下げましょう。スポーツドリンクや経口補水液を飲み、同時に首、脇の下、大腿の付け根、身体の中心を氷のう(氷と水を使用)で冷却してください。身体に水をかけて仰ぐのも、気化熱を利用した冷却方法で効果的です。一緒にライドしている仲間が熱中症になり、飲み物が飲めなくなって呼びかけに対する反応も鈍くなってきたら重症化している可能性が高いので、その場合は躊躇せずに救急車を要請しましょう。

 季節の変わり目は気温に体を徐々に慣らしていくことが肝心です。それはベテランでもビギナーでも同じ。こまめな水分補給と休憩、体調管理を心がけ、暑さへの耐性をつけていきましょう。

<次回は「脱水症」対策について解説します>

田代恭崇
田代恭崇(たしろ・やすたか)

リンケージサイクリング代表。大学のサイクリング部で自転車ロードレースを始め、卒業後プロに転身。10年間チームブリヂストンアンカーに所属し、2001年と2004年の全日本選手権優勝、2004年アテネ五輪日本代表など、数多くの成績を残す。引退後はブリヂストンサイクルに入社し、スポーツ用自転車の商品企画、広報、ショールーム運営、サイクリングイベントなどを6年間担当。2014年にサイクリングイベントやスクール、コーチを行う「リンケージサイクリング」を湘南・江ノ島で創業。

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