旧梅田貨物駅跡地で最初で最後大都会のど真ん中で「アーバンバイクロア 大阪」開催 クリテに仮装に大盛況の2日間

by 腰山雅大 / Masahiro KOSHIYAMA
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 「自転車の運動会」と「自転車の文化祭」をミックスして行われる自転車イベント「バイクロア」が、大阪の中心地で「アーバンバイクロア 大阪」として開催された。うめきた2期工事区域の周回コースでシクロクロスやトラックバイククリテリウムなどのレースや、アウトドアイベントなど、競技者だけでなく観戦者も一緒になり楽しんだ2日間を腰山雅大さんのリポートでお送りします。

キャリアカー2台を繋げた巨大フライオーバー。オフロードリカンベントが走る! Photo: Masahiro KOSHIYAMA

◇         ◇

うめきた2期区域で開催

 秋冬にかけて開催されたシクロクロスも先日で節目を終え、春の競技シーズンを迎える中で開催されたのが「アーバンバイクロア 大阪」だ。これまで関東を中心に開催されてきたあの名イベントがここ大阪で、それも市街地のど真ん中で開催されるとあり、多くの参加者たちが会場を埋め尽くした。

 「自転車の運動会」「自転車の文化祭」というコンセプト通り、年齢性別・レースへの参加観戦を問わず楽しめるイベントがバイクロアだ。周回コースでの本格的なレースも用意されるが、毎回一番盛り上がるのがオウルクラス=仮装クラスであったりするのが特徴的。また自転車にまつわる各種展示や催しもの、アウトドアでの美味しい食事や、ワークショップなど、 レース参加や観戦以外でも存分に楽しむことができる。

大都会の中心で開催されたアーバンバイクロア大阪 Photo: Masahiro KOSHIYAMA

 いつもは秋ヶ瀬公園(埼玉県)や白州べるが(山梨県)など関東方面で開催されていた同イベントだが、満を持してここ大阪へとやってきた。その会場として選ばれたのは、通称「うめきた2期区域」。キタとミナミに分かれる大阪繁華街の北側=梅田、更にその北側で、梅田駅からは徒歩5分に満たない立地だ。関東が森に覆われた開催地であることに対して、ここ関西では完全に“アーバンなイベント”となっている。

 この場所、かつては複数の線路・倉庫を有する梅田貨物駅として長年にわたり物流拠点を担っていた。1987年の国鉄民営化で売却が決まり、再開発が進められている。うめきた1期区域はいまのグランフロントなどを指し、2期区域もこのバイクロアが閉幕した4月1日より工期がスタートする。つまり、うめきた2期区域で開催されるバイクロアとしてはこれが最初で最後となる。

高層ビル群に挟まれた開催地 Photo: Masahiro KOSHIYAMA
土曜日のレース企画、Knogパークラン&ライド Photo: Masahiro KOSHIYAMA

大盛況「sfiDARE CRIT」

 イベントは2日間に渡って催された。両日ともは途中雨模様はあったものの、滞りなく全てのスケジュールが開催されていた。

 複数用意されたレースでも特に注目されたのは、固定ギヤかつブレーキレスの自転車のみで争われるトラックバイククリテリウム「sfiDARE CRIT」だろう。事前のエントリーはほんの数分で埋まり、SNSでも反響が大きかった。

sfiDARE CRITの予選は雨の中行われた。主催の児玉選手は予選をトップで通過した Photo: Masahiro KOSHIYAMA

 予選では雨で路面状況が悪い中ではあったが、会場の高いに熱気にライダーたちが必死で応えるといった、そんな一面も。連日、タイトなコーナーが続くコースをライダーたちが縫うように走り抜けた。気になるレースの模様については、主催の児玉氏より追って紹介される予定。レースは、貞末優和選手が男子を、児玉和代選手が女子の戦いを制し、WAVEONE謹製のチャンピオンジャージを勝ち取った。

大勢の観客に囲まれて走る児玉和代選手 Photo: Masahiro KOSHIYAMA
WAVEONE謹製のチャンピオンジャージと、女子レースを制した児玉和代選手 Photo: Masahiro KOSHIYAMA
ナイトパーティーではZwiftでのショートスプリントバトルが行われた Photo: Masahiro KOSHIYAMA

 土曜の夜には会場と別のスペースにてナイトパーティーも用意されている。パーティーでは、白州バイクロアでもお馴染みの Cro-Magnon(クロマニヨン)がライブパフォーマンスを繰り広げ、会場のボルテージは最高潮に。盛り上がったところで、Cinelliプレゼンツのスプリントバトルが始まった。バーチャルトレーナーとして人気のZwiftを使ったショートスプリントのタイムアタックでは、優勝者にCinelliのフレームに、CookPaintWorks がオリジナルのペイントを施したフレームが贈呈された。

自転車にまつわる各種展示や催しもの、飲食ブースなどがたくさん出展されている Photo: Masahiro KOSHIYAMA

圧巻のフライオーバー

 そして2日目の開催となる日曜日は朝から快晴に恵まれ、たくさんの参加者が現地を訪れた。午前中に行われたレースは、元梅田貨物駅にちなんで “普通” “新快速” “特急” など電車の列車種別でカテゴリーわけされている。場所に制限がありながらも、500m前後のショートコースが用意された。とりわけ場を盛り上げたのが、自動車の積載車を使ったフライオーバーだ。

スムーズな進行に尽力した京都車連の面々 Photo: Masahiro KOSHIYAMA 

 2台の積載車を対面で繋げ、人が行き来するど真ん中を跨ぐように橋が架けられ巨大なスロープセクションとして場に佇む姿は圧巻。バイクロアならではの仕掛けが、ここ大阪でも多く用意されていた。ちなみにレースの運営には、関西のシクロクロスレーサーにはお馴染み、京都車連の面々が携わる。関西開催ならではの、レース運営捌きを目にすることができた。

2台の積載車を繋いだ巨大なスロープセクションが「アーバンバイクロア 大阪」の象徴となった Photo: Masahiro KOSHIYAMA
日曜日、特急クラスのレース。3位に入った中西啓太選手(Panasonic Racing) Photo: Masahiro KOSHIYAMA
特急クラスの優勝は村田憲治選手 Photo: Masahiro KOSHIYAMA

展示ブース、飲食も充実

 ブースも常に人の出入りがあり、とても賑やか。総勢40店舗にも及ぶブース出展があり、自転車だけにとどまらずアウトドアギアの展示販売や、飲食も充実していた。

 いまや関西のみならず、全国の様々な自転車レースで姿を見かける「タベルナエスキーナ」のキッチンカーが出展されていて来場者のお腹を満たしたり、新進気鋭のアウトドアブランド「Allstime」のブースでは、同ブランドアイテムでくつろげるリラックススペースが用意され、気に入ったアイテムをその場で購入して帰る来場者の姿も。

関西シクロクロスでもお馴染みのタベルナエスキーナのキッチンカー Photo: Masahiro KOSHIYAMA
大阪のアウトドアブランド、Allstimeはリラックススペースを用意 Photo: Masahiro KOSHIYAMA
たくさんの試乗車が用意されたモトクロスインターナショナルのブース Photo: Masahiro KOSHIYAMA

 自転車の出展についても、とりわけ試乗車の数が大変多く用意されていた。「Surly」や「All-City Cycles」を扱うモトクロスインターナショナルのブースでは、シクロクロス車やロングテールバイク、MTB、BMXなどなど、全部で30台を超える数の試乗車があり、常設された試乗コーナーでは参加者は代わるがわる乗り味を楽しんだ。

 午後からは、バイクロアではお馴染みのスタンディングバトル “Surlyダービー” や、スーツレース、デリバリーレースが用意され、関西らしく笑いあるひとときに。

スーツクラスの一コマ。忙しいサラリーマンたちは順番に先を急ぐ Photo: Masahiro KOSHIYAMA

 先述、sfiDARE CRITの決勝で盛大に沸く会場の隅では、バイクロア締めでお馴染み、オウルクラスへの参加者がイソイソとその準備を始めていた。招集アナウンスの頃には想い想いの格好に身を包んだライダーたちがゾロゾロと集まり、会場は異様な空気に包まれる。

バイクロア恒例、オウルクラスのスタート。異様な空気感が漂う Photo: Masahiro KOSHIYAMA

巫女、メイド、プリキュアがバトル

 ざっと見渡すだけでも、工藤新一、巫女、メイド、プリキュア、さるぼぼ(飛騨高山など岐阜県飛騨地方で昔から作られる人形だ、ご存知だろうか)、ズゴック、全身唐草紋様の方、土地管理団体の方、など…。とにかく、みなその場の状況がよく読み込めないまま、スタートの号砲は鳴らされた。

カオスな面々がフライオーバーを駆け上がる Photo: Masahiro KOSHIYAMA
フレディー・マーキュリーや巫女さんが競ったオウルクラス Photo: Masahiro KOSHIYAMA

 ホールショットは、唐草紋様さんがもぎ取り、まるで泥棒を追うかのように他のライダーがその後ろ姿を追従した。巫女さんをプリキュアが追い、フレーディーマーキュリーは熱唱しながらシケインをまたいでゆく。皆の目を惹いた巨大なオフロードリカンベントは、案の定その重量での障害物越えは難航し、観客の大声援を浴びることとなった。過去複数回バイクロアへ参加している筆者だが、まさにこのカオスな光景こそがバイクロアを象徴しているようで、秋ヶ瀬でも白州でも、そしてここ大阪でも同イベントが持つ独特な世界観に自然と引き込まれていたように思う。

バイクロアお馴染みのMC伯爵が大都会でウィリー Photo: Masahiro KOSHIYAMA 

 春の日暮れは少し肌寒く、レースが終わる頃には、ふと自分が大阪の、それも大都会のすぐ脇で遊んでいたことを思い出す。お馴染みのMC伯爵が終わりを告げ、この場所が数年後には跡形も無くなることを語る。

 気付けば魔法のような2日間はあっと言う間にすぎ、先述の通り工期に向けて速やかに会場は撤収された。確かに跡形はなくなったものの、この特異な場所で開催された大イベント記憶は、参加者の頭の中に残り続けるだろう。

<4月4日掲載>大成功のトラックバイククリテ大阪ステージ 現役競輪選手・児玉利文さんが振り返る 

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