案外深いディスクロードの世界<1>ディスクロードとは何か? 2種類あるディスクブレーキを知る

by 安井行生 / Yukio YASUI
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 最近、ディスクブレーキという制動システムを採用したロードバイク、いわゆるディスクロードが増えてきました。それについて、いろんな人がいろんなことを言っていますね。ある人は「一度ディスクロードに乗ったらリムブレーキにはもう戻れない」「これからはディスクロードの時代だ」と高々と宣言し、またある人は「ロードはリムブレーキで十分」「リムブレーキは永遠に不滅だ」と口角泡を飛ばす。ショップ店長や自転車ライターのような、自転車のプロであるはずの人たちまでもがバラバラのことを言うので、ユーザーの皆さんは混乱するでしょう。結局オレらは何を買えばいいのよ、と。

ディスクブレーキという制動システムを採用したディスクロード。写真はピナレロ プリンス Photo: Masahiro OSAWA

 「ディスクの時代だ!」を信じてディスクロードを買ってみたら全然普及せず、愛車が時代のあだ花と化してしまった…。もしくは「リムブレーキ不滅説」を信じてリムブレーキの新車を手に入れたら、周りは全員ディスクロードに移行し、リムブレーキ用のパーツも供給が停止し、売るにも売れず、無用の長物になってしまった…。誰もがそういう事態は避けたいと思っているはず。

 この連載では、そんな皆さんのモヤモヤを吹き飛ばして見晴らしを少しでもよくするべく、それぞれのメリット・デメリット、ディスクロードの現状と今後の展望を書いてみようと思います。少々のお付き合いをお願いします。

リムブレーキ不滅説を訴える人あり、ディスクブレーキの時代到来と信じる人ありと様々。写真はメリダのREACTO 4000(リムブレーキ・手前)とREACTO限定モデル(ディスク・奥) Photo: Masahiro OSAWA

ディスクブレーキを大まかに理解する

 まず、各々のブレーキシステムの違いについて大まかに理解しておきましょう。伝統的なリムブレーキは、フォーククラウン部とシートステー上部(フレームによってはBB下)に付いたブレーキキャリパーで左右からリムを挟み込み、その摩擦で制動力を発生させます。

リムブレーキ(後輪) Photo: Masahiro OSAWA
キャリパーでリムを挟み込んで制動させる。写真はリムブレーキ前輪 Photo: Masahiro OSAWA

 リムの素材はアルミもしくはカーボン、ブレーキパッドの素材はざっくり言えばゴム。レバーを握った力は金属ケーブルでブレーキキャリパーまで伝えられます。
 
 対するディスクブレーキは、フォーク先端とリヤエンド部に取り付けられたブレーキキャリパーで、前後のハブに固定された金属製の円盤(ローター)を左右から挟んで制動力を発生させるもの。ローターの素材はステンレスなどの鉄。ブレーキパッドの素材はレジンとメタルに大別できますが、主流はいろんなものを樹脂で固めた前者です。

ディスクロードタイプの前輪ハブ Photo: Masahiro OSAWA
ディスクロードタイプの後輪ハブ Photo: Masahiro OSAWA
ディスクローターをブレーキパッドで挟み込んで制動させる Photo: Masahiro OSAWA
ブレーキパッドのすぐそばをディスクローターが回転する Photo: Masahiro OSAWA

2種類あるディスクブレーキ

 ディスクブレーキには油圧式と機械式の2種類があり、ブレーキレバーへの入力をブレーキキャリパーまで伝える方法が異なります。

 前者はブレーキレバーとブレーキキャリパーをホースでつなぎ、ホースの中をブレーキフルードという液体で満たし、その油圧を利用してブレーキキャリパーに内蔵されたパッドを動かします。当然、ブレーキレバーは油圧専用のものが必要になります。

 機械式は、リムブレーキと同様、力を金属ケーブルで伝えるタイプ。リムブレーキと同じブレーキレバーが使える/メンテナンスが楽になるというメリットがありますが、リムブレーキよりもケーブルが長くなるので、摺動抵抗によってブレーキレバーの引きが重くなってしまいます。

油圧式ディスクブレーキ Photo: Masahiro OSAWA
油圧との見分け方として、機械式ディスクブレーキの場合はケーブルがブレーキキャリパーから伸びているのが特徴 Photo: Masahiro OSAWA

 リムブレーキもディスクブレーキも、「回転しているものに何かを押し付けて止める」という意味では同じです。しかし、制動性能、走行性能、フレームやホイールの設計、各パーツの互換性など、多くの事柄がガラリと変わります。次回からは、それについて書く予定です。

 ちなみに、リムブレーキのことをキャリパーブレーキと言う人がいますが、リムブレーキもディスクブレーキも、ブレーキ本体は“ブレーキキャリパー”なので、ちょっとややこしい。この連載では、「ディスクブレーキ/キャリパーブレーキ」ではなく、「ディスクブレーキ/リムブレーキ」と使い分けることにします。

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