ツール・ド・とちぎ2019 第2ステージ集団スプリントをマリス・ボグダノヴィッチが制す 総合首位はオールイスアルベルト・アウラールに

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 栃木県を舞台に開催されているUCI(国際自転車競技連合)アジアツアー2.2のステージレース「ツール・ド・とちぎ」の2日目となる第2ステージが、栃木県矢板市の道の駅やいたをスタート・フィニッシュ地点とする1周14.8kmの周回コースで開催され、大集団でのゴールスプリント勝負を制したマリス・ボグダノヴィッチ(ラトビア、インタープロサイクリングアカデミー)がステージ優勝。個人総合リーダーのグリーンジャージは中間スプリントポイントで2秒のボーナスタイムを獲得したオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)へと移った。

ステージ優勝を飾ったマリス・ボグダノヴィッチ(ラトビア、インタープロサイクリングアカデミー)は中間スプリントポイントでもボーナスタイムを獲得し、個人総合2位にジャンプアップした Photo: Nobumichi KOMORI

第2ステージは平坦基調も一筋縄ではいかないコース

スタート地点にコミッセールカーや選手が整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 全3ステージ、総走行距離約272kmで争われる今年のツール・ド・とちぎ。第2ステージは、同大会で初となる周回コースを使用してのロードレースで、栃木県矢板市の道の駅やいたをスタート・フィニッシュ地点にした1周14.8kmのコースを8周する約119km。コースは高低差もそれほどなく平坦基調のレイアウトだが、道幅が狭い箇所が多く、また、風が強く吹けば集団が分断されるようなポイントもあり一筋縄ではいかないレイアウト。個人総合争いも1位から6位までがタイム差4秒でひしめき合っていることを考えると、激しい攻撃の応酬で荒れたレース展開になることも考えられた。

 道の駅やいたをスタートしたレースは、ニュートラル区間を終えて正式スタートが切られると激しいアタック合戦の展開に。数人の選手が飛び出しては吸収される状態が繰り返され、決定的な逃げが決まらない状況のまま1周目を終え、レースは2周目に。その後、山本元喜(キナンサイクリングチーム)が単独で飛び出す場面もあったが、山岳ポイントを前に集団が吸収。木村圭佑(シマノレーシングチーム)、山本、佐藤健(日本大学)の順に1回目の山岳ポイントを通過した。1回目の山岳ポイントを終えると、今度はこの日最初の中間スプリントポイントに向け、ボーナスタイムを獲得したい個人総合上位選手たちが動きを見せ始め、熾烈なスプリントの結果、ボグダノヴィッチがトップ通過。ボーナスタイム3秒を獲得した。

レース序盤は激しいアタック合戦になるもひとつの集団のまま進んでいく Photo: Nobumichi KOMORI

中盤からレースに大きな動き

 その後、レースはリーダーチームのチーム サプラサイクリングが集団のコントロールを開始したことで一旦落ち着きを見せたが、4周目に入るとアンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリヴァーズリアルフード レーシング)がアタックを仕掛けて単独で先行するも集団がキャッチ。そのカウンターでゴン・ヒョソク(韓国、LXサイクリングチーム)がアタックして飛び出すと、まず岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が反応、その後も選手が数人ずつ合流して最終的に13人の逃げ集団が形成されることになった。

リーダージャージを含む13人の逃げ集団が逃げ切る可能性が高まったが… Photo: Nobumichi KOMORI

 逃げ集団の13人はベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、チーム サプラサイクリング)、椿大志(キナンサイクリングチーム)、チェン・キンロ(香港、HKSIプロサイクリングチーム)、オヌル・バルカン(トルコ、サルカノ・サカリヤ・BBチーム)、ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO)、石原悠希(インタープロサイクリングアカデミー)、アレクセイス・サラモティンス(ラトビア、インタープロサイクリングアカデミー)、アウラール、徳田優(チーム ブリヂストンサイクリング)、岡、中田拓也(シマノレーシングチーム)、ゴン、ライオンズで、出場15チームのうち那須ブラーゼンと大学2チーム以外の12チームの選手が入ったばかりか、個人総合1位と2位を含むトップ10選手の半数が入る強力な逃げとなった。

集団スプリントに持ち込みたいチームが追走

メイン集団はゴールスプリントに持ち込みたいチーム ブリヂストンサイクリングとシマノレーシングチームがコントロールを開始 Photo: Nobumichi KOMORI

 13人の逃げ集団に対し、メイン集団では逃げに選手を送りこめなかった那須ブラーゼンが先頭に立ってペースを上げようとするが、そのタイム差は開いていく。逃げ集団の強力なメンバーを考えると、このまま逃げ切ってしまうことも十分に考えられる状況だったが、ここで集団ゴールスプリントに持ち込みたいチーム ブリヂストンサイクリングとシマノレーシングチームが選手を出し合ってコントロールを開始。ようやく2分30秒ほどでタイム差が安定するようになった。

 その間、逃げ集団では2回目の中間スプリントポイント争いがあり、岡がトップ通過して3秒のボーナスタイムを獲得。また、2番手通過したアウラールが2秒のボーナスタイムを獲得してバーチャルリーダーに浮上した。

チームUKYOがコントロールに加わったことで一気にタイム差が縮まり、最終周を前に逃げ集団をキャッチ Photo: Nobumichi KOMORI

 13人の逃げ集団とメイン集団という形で落ち着きを見せていたレースだったが、6周目に入ってチームUKYOがメイン集団のペースアップに加わると一気にタイム差が縮まり始め、メイン集団優位の状況に。逃げ集団が最後の中間スプリントを争いながら7周目に入る段階で1分を切るところまでタイム差を縮める状況になり、同周の終盤にはついに逃げ集団を吸収。レースは振り出しに戻って最終周を迎えた。

三つ巴の争いに

 最終周に入るとすぐ、佐藤がアタックを仕掛けて単独で先行する場面も見られたが、ゴールスプリントに向けて各チームがトレインを整えながらペースを上げるメイン集団に呆気なく飲み込まれ、勝負は大集団でのゴールスプリントになることが濃厚に。フィニッシュへと向かう道幅の狭い農道区間では各チームが主導権を握ろうと先頭を奪い合う状況となったが、決定的に抜け出るチームは現れずにホームストレートへ突入した。

 一気に道幅が広がったことで横に広がった集団からは各チームがそれぞれエーススプリンターを発射。最後はレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)、黒枝士揮(チーム ブリヂストンサイクリング)との三つ巴の争いを制したボグダノヴィッチがステージ優勝を飾った。

大集団のゴールスプリント勝負は、マリス・ボグダノヴィッチ(ラトビア、インタープロサイクリングアカデミー)が優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

 優勝したボグダノヴィッチはラトビア出身の27歳。長らく自国のUCIコンチネンタルチームで活動しており、今年からインタープロサイクリングアカデミーに加入した。ボグダノヴィッチはこの日の勝利と中間スプリントポイントでボーナスタイムを13秒獲得し、第1ステージ終了時の20位から一気に2位まで個人総合をジャンプアップさせた。

ステージ表彰。左から2位のレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)、優勝のマリス・ボグダノヴィッチ(ラトビア、インタープロサイクリングアカデミー)、3位の黒枝士揮(チーム ブリヂストンサイクリング) ©︎3rdTd
中間スプリントポイントでボーナスタイムを獲得したオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が個人総合首位に浮上しリーダージャージを獲得 ©︎3rdTdT

最終日の見所は?

 大会最終日の第3ステージは、栃木県那須烏山市のJR烏山駅をスタートし、足利市の足利市総合運動公園にフィニッシュする今大会最長の150kmで争われる。第2ステージ終了時点で1位から3位までがタイム差1秒、6位までが4秒差。29位の選手までが15秒差にひしめき合っていることから、個人総合での大逆転を虎視眈眈と狙っているチームも多い。ただ、後半に向かって下り基調になるコースレイアウトのため大きなタイム差が生まれるような展開は考えにくく、2回設定されている中間スプリントポイントやフィニッシュでのボーナスタイム争いが焦点になりそうだ。

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