ジャイアントグローバル・羅祥安最高顧問も講演「第1回全国シクロサミット IN 和歌山」開催 自転車に注力の100自治体、約200人が参加

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市区町村長の会」が3月23日、「第1回全国シクロサミット IN 和歌山」を和歌山県立わかやま館で開催した。全国の自転車に力を入れる自治体間の連携した事業を推進していくための初回の事業として、各自治体の首長、関係者ら200人が参加。講演やパネルディスカッションで熱い議論が展開された。

全国シクロサミットのパネルディスカッションでは各首長による熱い議論が交わされた Photo: Kenta SAWANO

加盟299自治体から44首長

 記念すべき第1回の大会には加盟299の自治体から44首長を含め、100自治体から関係者が集まった。会場の200席は立ち見が出るほどで、自転車による地域活性化を目指す自治体の熱気が伝わってきた。主催者の今治市・菅良二市長が「地方創生が叫ばれるなか、自転車ほどお金がかからなく健康的なものはありません。世界の国々に日本もやるな、と思わせるように頑張っていきましょう」とあいさつ。開催地の和歌山市・尾花正啓市長も「いよいよ自転車で社会を変える時期がやってきました。課題を含めてサミットで議論しましょう」と開会宣言した。

主催者の今治市・菅良二市長 Photo: Kenta SAWANO
開催地の和歌山市・尾花正啓市長 Photo: Kenta SAWANO

 来賓の自転車活用推進議員連盟の二階俊博会長は「各自治体のみなさんが、(自分の自治体を)自転車で走ってみて悪いところがあれば、どんどん整備していってください」と集まった関係者に訴えた。

40分間、丁寧な日本語で講演したジャイアントグローバル・羅祥安(トニー・ロー)最高顧問 Photo: Kenta SAWANO

 基調講演では自転車新文化基金会長でジャイアントグローバル・羅祥安(トニー・ロー)最高顧問が台湾から来日し「World of Cycling(サイクリングの世界)」をテーマに話した。台湾がサイクリングアイランドになるまでの努力、過程を説明。さらに愛媛県の事例を説明しながら、地方における推進成功の4大要因として、①地方自治体トップの自転車新文化理念に対する同意と長期的な政策 ②地方自治体に自転車新文化推進室などの組織を作り、積極的に推進の努力をすること ③サイクリングロード・関連施設の整備 ④サイクリング専門の販売店やレンタルショップを設立し、サイクリングのハブを作ること、を挙げた。

ジャイアントグローバル・羅祥安(トニー・ロー)最高顧問はサイクリングがもたらす地方創生のメリットを説明 Photo: Kenta SAWANO

 さらにサイクリングがもたらす地方創生のメリットとしてインバウンドの増加による経済発展や生活習慣病の予防、国民の医療保険の負担軽減などを上げ「日本の皆さんももっと健康に、もっと生活を豊かに、もっと地球を美しくできるよう一緒に頑張りましょう」と約40分間、流ちょうな日本語で語りかけ、自治体関係者は聞き入っていた。

台湾と日本のサイクリングイベントの違いについて話す一青妙さん Photo: Kenta SAWANO

 関連講演としてはエッセイストの一青妙(ひとと・たえ)さんが「台湾をぐるっと一周する環島サイクリングと日本」で自らの台湾一周サイクリングの経験、日本での数々のイベント参加の経験をもとに、独自の分析を展開。現在の日本を「イベント百花繚乱期」ととらえ、台湾と日本のサイクリングの違いとして、①日本はイベントにストーリー性がない ②台湾はイベントの規模が大きくスポーツ、レジャーとして定着している ③台湾のほうが女性、家族連れの参加が多い、と分析。「日本の自治体で一度、女性だけのイベントを開催したら面白い」と提案した。

「地域のみんなが自転車を安全に楽しむためには」をテーマに話す自転車協会の山﨑理事長 Photo: Kenta SAWANO 

 また安全な自転車の普及に関して、自転車協会の山﨑一理事長が「地域のみんなが自転車を安全に楽しむためには」をテーマに講演。埼玉県越谷市で展開する「こしがやサイクルカフェ」の活動を紹介。「今まで入りにくそうだった飲食店でも、バイクラックを置くだけでサイクリストが来るし、冊子でおいしそうに紹介するだけでずいぶん楽しく入りやすくなる」と力説した。

自転車活用推進本部の大野昌仁事務局長(右)にe-BIKEに関する認識の間違いを指摘する守山市の宮本市長 Photo: Kenta SAWANO

 最後は13首長が「太平洋岸自転車道とつながる広域サイクルルートの連携に向けて」をテーマにパネルディスカッション。守山市の宮本和宏市長がコーディネーターとして各自治体の取り組みを紹介しながら、出席者にも意見を求めた。宮本市長は自転車活用の促進に向けての課題に関して、①電動アシスト車のアシスト比率の欧米基準並みへの改正 ②道路運送法に基づく道路(自動車専用観光道路)について一定基準を満たす場合には自転車通行を可能とする(箱根ターンパイク、琵琶湖ドライブウェイ等) ③ナショナルサイクルルートや全国のサイクルルートの表示方法の統一化 を提案し、それに対し回答した国土交通省自転車活用推進本部の大野昌仁事務局長と白熱した議論になった。

参加した首長で唯一サイクルジャージを着ていた埼玉県本庄市の吉田信解市長 Photo: Kenta SAWANO
会場では様々なメーカーのブースも展開されていた Photo: Kenta SAWANO 

 まだ様子見で参加している自治体も多い印象で、この日はほぼ全員がスーツ姿だったが、翌日はわかやまサイクリングフェスタに参加し実走する首長も多く、サドルトークでも自転車に関する連携が深まることを期待したい。

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