ツール・ド・台湾2019 第2ステージ増田成幸があわや逃げ切りの攻撃的走り 山岳ステージで日本勢3人が集団フィニッシュ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 台湾で開催中のUCIアジアツアー2.1クラス、ツール・ド・台湾は3月18日に第2ステージが行われた。今大会最初の山岳ステージとして行われたレースは、日本ナショナルチームの増田成幸が後半の山岳区間でアタックし見せ場を作った。結果的に集団に吸収されたものの、増田は伊藤雅和(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)と小石祐馬(日本ナショナルチーム)とともに精鋭がそろったグループに残り、総合上位が狙える位置につける。また、入部正太朗(日本ナショナルチーム)が逃げでレースを構築するなど、日本人ライダーの積極性が光っている。

ツール・ド・台湾第2ステージ、レース終盤の山岳区間で攻撃を仕掛けた増田成幸 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

大会最初の山岳ステージ

 この日のステージは、桃園市政府から角板山公園までの118.88km。レース前半は遠く中国臨む台湾海峡沿いを進み、後半から内陸の山岳地帯へ。フィニッシュまで残り35kmからカテゴリー山岳が立て続けに登場。2つの2級山岳をこなすと、最後は今大会屈指の上りとなる1級山岳、角板山公園を目指して進む。フィニッシュ地点の標高は438mだが、急坂が長く続くこともあって、山岳に強いクライマー系の選手たち有利のコース設定となった。

スタートから30kmをすぎたあたりで逃げグループを形成した入部正太朗 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 アクチュアルスタート以降、出入りが激しかったプロトン。窪木一茂(日本ナショナルチーム)が数人とともに集団からリードを奪う時間帯があったものの、容認は得られず。やがて吸収されると、30km地点を過ぎるまでアタックと吸収が繰り返される流れが続いた。

 そんな流れを変えたのは、入部の動きだった。先にアタックした他選手に続いて集団から飛び出すと、そのまま2人での逃げグループ形成となる。しばらくしてメイン集団がスピードを落とし、入部らの先行を容認。リーダーチームのマンサナ・ポストボンが集団のコントロールを始めると、入部たちとの差は3分近くまで広がった。

山岳区間に入ったプロトン。大久保陣(右端)らキナンサイクリングチームもポジションを上げる Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 50km近くリードし続けた入部らだったが、山岳ポイントに向けた上りが厳しくなるにつれて、集団がタイム差を縮めていく。1つ目の2級山岳までは先行したが、2つ目の2級の上りに入る前に吸収され、レースはふりだしへと戻った。代わってプロトン牽引を担ったのは、前日3位の中島康晴(キナンサイクリングチーム)。

 この上りから有力選手のアタックが散発。集団内で落車が発生するなど、位置取りも激しくなっていく。徐々に人数が絞られながら山岳ポイントを通過。そして、直後の大きな局面がやってくる。

 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、キナンサイクリングチーム)のアタックをきっかけに4人が追随。この中に増田が加わり、集団からのリードを図った。

増田やキナン勢が山岳区間で猛攻

 新たに形成された5人の先頭グループは、下りを利用して加速。集団とのタイム差は20秒前後で推移する。先頭交代を繰り返しながら、先を急ぎ続ける。

攻撃的な走りが光った増田成幸 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースを活性化させた5人の逃げだったが、この日最後となる1級山岳へ入るフィニッシュ前5kmとなったところで集団が完全に射程圏内にとらえた。先頭からは増田ら3人が集団へと引き戻され、残った2選手が逃げ切りにかけて再びペースを上げていく。

 本格的な山岳ステージで激しい攻撃の応酬となったが、逃げの可能性を断ち切ったのはトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)による集団からのアタックだった。残り2kmで猛然とスピードアップすると、あっという間に先頭の2人をキャッチ。精鋭ぞろいの集団だったこともあり、ルバの攻撃は決定打にこそならなかったが、38人がひとかたまりのままフィニッシュへとやってきた。

1級山岳頂上フィニッシュはジョナサン・クラーク(先頭)が制した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 なだれ込むようにしてフィニッシュラインを通過したメイン集団では、小石が日本勢最上位となる20位となったほか、33位の伊藤、そして37位で増田が入っている。ステージ優勝はジョナサン・クラーク(オーストラリア、フロイドズプロサイクリング)。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネのジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア)が2位に続いた。

 クラークは個人総合でも首位に立ちリーダージャージを着用。ロナルディが4秒差の2位に続いている。日本人選手では、増田が22位につけるほか、小石が29位、伊藤が31位としている。

 19日に行われる第3ステージは、「台湾ロマンティックルート3」と銘打ち、国道3号線が主要コースに。中盤に15km近く上る1級山岳が控えるほか、フィニッシュまで20kmを切ったタイミングで2級山岳が待ち受ける。さらには、どちらの山岳も頂上からの下りがテクニカル。道幅の狭い区間もあり、スピードに加えてバイクテクニックも要求されるコースセッティングとなっている。

ツール・ド・台湾 第2ステージ(118.88km)結果
1 ジョナサン・クラーク(オーストラリア、フロイドズプロサイクリング) 2時間45分20秒
2 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +0秒
3 ネイサン・アール(オーストラリア、イスラエルサイクリングアカデミー)
4 ディエゴ・オチョア(コロンビア、マンサナ・ポストボン)
5 ウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナ・ポストボン)
6 トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)
20 小石祐馬(日本ナショナルチーム)
33 伊藤雅和(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
37 増田成幸(日本ナショナルチーム)
43 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +46秒
61 窪木一茂(日本ナショナルチーム) +1分40秒
64 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +3分6秒
78 吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +4分58秒
92 中島康晴(キナンサイクリングチーム) +7分48秒
95 大前翔(日本ナショナルチーム)
100 大久保陣(キナンサイクリングチーム)
109 入部正太朗(日本ナショナルチーム) +9分35秒

個人総合
1 ジョナサン・クラーク(オーストラリア、フロイドズプロサイクリング) 4時間30分36秒
2 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +4秒
3 ネイサン・アール(オーストラリア、イスラエルサイクリングアカデミー) +6秒
4 フェン・チュンカイ(チャイニーズタイペイ、チャイニーズタイペイナショナルチーム) +10秒
5 ニコラス・ホワイト(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)
6 ヘイデン・マッコーミック(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)
22 増田成幸(日本ナショナルチーム)
29 小石祐馬(日本ナショナルチーム)
31 伊藤雅和(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
44 新城雄大(キナンサイクリングチーム) +56秒
61 窪木一茂(日本ナショナルチーム) +1分50秒
64 中根英登(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +3分16秒
77 吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +5分8秒
90 中島康晴(キナンサイクリングチーム) +7分54秒
95 大前翔(日本ナショナルチーム) +7分58秒
97 大久保陣(キナンサイクリングチーム)
104 入部正太朗(日本ナショナルチーム) +9分42秒

ポイント賞
1 エリック・ヤング(アメリカ、エレベート・KHSプロサイクリング) 16pts
2 ブライアン・ゴメス(コロンビア、マンサナ・ポストボン) 15pts
3 中島康晴(キナンサイクリングチーム) 13pts

山岳賞
1 ウィルマル・パレデス(コロンビア、マンサナ・ポストボン) 16pts
2 ジョナサン・クラーク(オーストラリア、フロイドズプロサイクリング) 15pts
3 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 12pts

チーム総合
1 マンサナ・ポストボン 13時間32分18秒
2 NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ
3 イスラエルサイクリングアカデミー
5 キナンサイクリングチーム
13 日本ナショナルチーム +1分40秒

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