1カ月ダイエット生活<前編>1日30分のズイフトとおやつの見直し “ゆるダイエット”で巡り合った珠玉のアドバイス
ZWIFT(ズイフト)でダイエット。可能な限り実走をせずに1カ月でどれだけ痩せられるのか。半年で7kgほど太ったCyclist編集部の大澤昌弘が、1日30分のズイフトとおやつの見直しという、緩い(ぬるい)ダイエットを続ける“ゆるダイエット”にチャレンジしてみた。
まずはダイエット成功者に話を聞く
2月初頭。企画を始めるにあたって、まずはアドバイスを求めることにした。聞いたのは、驚異の減量に成功した編集部の米山一輝先輩だ。米山先輩は昨年9月から4カ月で12kgの減量に成功。日々、1時間ほどの実走を入れて、なるべく糖質の摂取を減らしたという。
ただし、糖質制限はかなり緩め。以前は間食が多かったというが、完全に断つのではなく、バナナなどフルーツは許可したという。あとはご飯の量を減らすなど糖質カットは“なるべく”という緩いものだ。

そんな米山先輩が強調していたのは「まずはBluetooth(ブルートゥース)対応の体重計を用意すること」だった。ブルートゥース対応のものなら、スマートフォンアプリでデータを手軽に一元管理できる。そのデータから体重の増減の傾向が見えるのだという。
アドバイスを聞いたとき「ふうん」という感じで心に響かなかった(米山先輩ごめんなさい)。実走しろと言われても「2月は寒いし…」というのが本音。私は炭水化物も大好きなので、あまり糖質制限もしたくはない。とりあえず、ブルートゥースの体組成計はあるので「ズイフトやっていれば減るでしょ」と軽く考え、ダイエットをスタートさせた。
あれ、減らない…
ダイエットがスタートしたのは2月19日から。この日から、ズイフトダイエットが始まった。仕事で乗らざるを得ない場合以外、ズイフトで済ます。当面は何もしないというのがマイルール。日々のズイフトは30分ほど。気分が乗れば続けるが、それでも1時間が限度だった。

頑張ること1週間。結果は「うぅー」という感じ。現実は甘くない。データを集約したアプリで体重の推移グラフを見ると減ったような気もするが、誤差の範囲とも思える状態だった。30分のズイフトで消費カロリーは300kcalほど。体重を減らすには運動量がまだまだ足りないようだ。
そこで始めたのが、米山先輩に言われたバナナの活用だった。定番の間食になっていたクラッカー「ルヴァン」を断ち、それをバナナに替えた。それ以降、体重の減少傾向が見え始めた。
相変わらずズイフトは日々30分ほど。実走はしていない。変えたのは間食の種類だけ。あとは好きなものを自由に食べていたので、自分の生活のなかでルヴァンが摂取過多となり体重を増やしていたのだと思う。
とはいえ、「ルヴァンをバナナに置き換えてズイフトをやったら体重減った」では、個別具体的すぎるし、そもそも、「バナナがダイエットに向いているのはおかしい」などといったツッコミもありそう。記事にするにはイマイチだなというのが本音だ。誰にでも伝わる金言めいたものが欲しい。そこで、取材先で助言を求めることにした。
「金言」に出会う
3月1日。金言にはすぐに巡り合えた。教えてくれたのは、MTBクロスカントリー日本代表監督の鈴木雷太さん。聞いたのは「コンビニで買っていいもの悪いもの、ダイエットをする人に贈る言葉」だ。
「世の中に売っているもので食べちゃいけないものはないと思っている。だからコンビニで何を買って食べてもいい。ただ、体重を減らすパターンを見つけるのは重要だね」(鈴木雷太さん)
聞いた瞬間は、ピンとこなかったが、後になって考えると、ものすごく腑に落ちた。世の中には様々なダイエット方法があり、今は糖質制限が流行っている。「コンビニ飯は食べていいの? 悪いの? どっち?」となどと聞きたくなるが、そもそもそうした考え自体が間違いなのだ。
私のような緩いファンライド層は細かく考える必要はない。体重が減っていく日々の生活パターンを見つければいいだけ(よく考えれば米山先輩も同じこと言っていたわけですが…)。体重が減らないなら、何かをひとつ抜く。減りすぎるなら、ラーメンでもチョコレートでも別に食べてもいいじゃないか、という割り切りが必要というわけだ。
鈴木さんのアドバイスは、体重増加のメカニズムやら糖質制限やら細かい理論抜きにして、誰もが簡単に実践できる黄金の法則だ。しかし、その後に続いた言葉はやっぱり、甘くはないよねというものだった。