ティレーノ~アドリアティコ2019 第5ステージ激坂コースをフルサングが制してアスタナ2連勝 アダム・イェーツが総合タイム差を広げる

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 イタリアで開催中のUCIワールドツアー「ティレーノ〜アドリアティコ」は3月17日、第5ステージが行われ、終盤にメイン集団からの飛び出しに成功したヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)がステージ優勝を飾った。総合首位のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)はステージ2位となり、総合2位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)とのタイム差を拡大した。

今季2勝目をあげたヤコブ・フルサング Photo: Yuzuru SUNADA

激坂連発の難コース

 第5ステージはコッリ・アル・メタウロからレカナーティまでの180kmで争われた。終盤には登坂距離3km・平均勾配6.8%・最大勾配20%の上りと、登坂距離1.5km・平均勾配10.8%・最大勾配19%の壁といえる激坂区間を含む周回コースを3周。ラストは壁を越えた先の山頂へとフィニッシュするコースレイアウトとなっていた。総合争いの行方を大きく左右する重要なステージと見られていた。

逃げ集団のメンバー Photo: Yuzuru SUNADA

 序盤から大勢の選手が逃げを試みて、13人の逃げ集団が形成された。ニコ・デンツ(ドイツ、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード)を含み、ネーリソットリ・セッレイタリア・KTMはジョヴァンニ・ヴィスコンティ(イタリア)、ダヴィデ・ガッブロ(イタリア)、エドアルド・ザルディーニ(イタリア)の3人を送り込んだ。

 最大8分程度までタイムを広げていったが、レース中盤からはチームサンウェブ、アスタナプロチーム、ユンボ・ヴィスマが中心となりメイン集団をペースアップ。残り70km地点で周回コースに入る頃にはタイム差は5分を切っていた。

チェーンリングにチェーンが絡まるメカトラに見舞われたペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADA

 残り48km、平均勾配10.8%の激坂区間で逃げ集団からザルディーニがアタック。デンツ、ガッブロ、ペデルセンが生き残り、他のメンバーは脱落していった。

 残り33km、周回コースの2周目の上り区間、メイン集団ではアスタナがペースアップし、集団がバラけていく。総合上位勢のほとんどはどうにか留まったものの、アシストがほとんどいなくなってしまい、アスタナはフルサング、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン)、ダリオ・カタルド(イタリア)を残し数的優位を築いていた。カタルドが先頭固定でけん引するなか、逃げ集団とのタイム差も1分を切ってきた。

フルサングが独走に持ち込み勝利

 残り24km、激坂区間に入ると先頭からザルディーニとデンツが脱落。ガッブロとペデルセンの2人の逃げとなった。メイン集団では、激坂区間を終えたところで前との差は30秒程度。勾配が緩み、集団の隙を突いてフルサングが単独アタック。集団から抜け出すことに成功し、遅れていたデンツと共に先頭2人のところまで一気にブリッジした。これで先頭は4人のグループとなった。

 先頭集団はフルサングがほとんど先頭固定でけん引しているのだが、後続集団とのタイム差は拡大傾向にあった。逃げ切りを嫌って、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)らがブリッジを狙うも途中で断念。先頭とのタイム差がなかなか縮めることができない。

独走に持ち込んだフルサング Photo: Yuzuru SUNADA

 残り12kmの上り区間に入ると、フルサングは他3人を引き離して独走に持ち込んだ。後方のメイン集団からはイェーツがアタック。総合成績で7秒差のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)を引き離そうと動いたが、当のログリッチェはイェーツをピタリとマーク。取り残される格好となったメイン集団では、トム・デュムラン(オランダ、チームサンウェブ)とピノが積極的な動きを見せ、2人で抜け出す格好となった。

アタックを仕掛けるデュムラン Photo: Yuzuru SUNADA

 残り3km、フルサングが最後の壁に突入。イェーツとログリッチェとのタイム差は1分。フルサングが猛烈な激坂に苦しむなか、イェーツとログリッチェは快調に上っていく。最も勾配が厳しくなる区間に差し掛かると、イェーツがアタック。激坂に苦しむログリッチェを引き離すことに成功した。

 激坂区間を終えて勾配が緩む残り1.8km地点で、フルサングとイェーツのタイム差は30秒。フルサングは逃げ切りを確実なものとした。ゴール地点では、2年前に他界したチームメイトだったミケーレ・スカルポーニへの追悼の意味を込めて、天を指さしながらフィニッシュ。アスタナは大会2連勝を飾った。

2年前に交通事故により他界したミケーレ・スカルポーニに捧ぐ勝利をあげたフルサング Photo: Yuzuru SUNADA

 同日開催のパリ〜ニース第8ステージではヨン・イサギレ(スペイン)が勝利したことで、アスタナはシーズン早くも19勝目をあげた。昨年、シーズン73勝をあげたクイックステップ・フロアーズの2018年3月17日時点での勝利数は15。チーム状態が非常に良いアスタナは、昨年のクイックステップ以上のペースで勝利を量産していることになる。

 また、フルサングの38秒後にイェーツがフィニッシュ。ログリッチェはイェーツから更に16秒遅れてフィニッシュ。ボーナスタイムを含めて、両者の総合タイム差は25秒に広がった。

激坂で積極的な走りが光ったステージ2位のアダム・イェーツ Photo: Yuzuru SUNADA
最終日のタイムトライアルでの逆転を狙うプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第6ステージは終盤が平坦のスプリントステージとなっている。そして最終第7ステージは10kmの個人タイムトライアル。タイムトライアルを得意とするログリッチェにとって、25秒は逆転可能なタイム差だ。参考までに昨年大会の第7ステージの個人タイムトライアルでは、今年と全く同じコースレイアウトで、ログリッチェはイェーツに36秒差をつけていた。僅差の総合争いは最終日の最後の最後までもつれる可能性が高そうだ。

第5ステージ結果
1 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 4時間39分32秒
2 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +40秒
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +56秒
4 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分39秒
5 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分53秒
6 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +1分57秒
7 マッズ・ペデルセン(デンマーク、トレック・セガフレード) +2分9秒
8 アレクシー・ヴィエルモーズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +2分12秒
9 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
10 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)

個人総合
1 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 20時間33分48秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +25秒
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +35秒
4 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分55秒
5 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +2分34秒
6 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +2分39秒
7 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分46秒
8 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +2分58秒
9 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト) +3分3秒
10 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ) +3分26秒

ポイント賞
1 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 27 pts
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 22 pts
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 22 pts

山岳賞
1 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 35 pts
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 34 pts
3 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 25 pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 20時間36分46秒
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +37秒
3 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) +2分13秒

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