パリ〜ニース2019 第7ステージ22歳コロンビアン、マルティネスが山頂フィニッシュを制覇 ベルナルが首位となり最終日へ

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランスで開催中のUCIワールドツアー「パリ〜ニース」は3月16日、山頂フィニッシュの第7ステージが行われ、逃げ集団での先頭争いを制したダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)が区間優勝した。個人総合では首位のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が終盤に脱落。エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ)が最終日を前にして総合トップに立った。

山頂フィニッシュのクイーンステージを制したマルティネス。UCIワールドツアー初勝利だ Photo: YSP

30人を超える大逃げ集団

 8日間で行われる今年のパリ〜ニースも大詰めを迎えた。この日はニースからコル・ド・チュリーニに至る181.5kmで実施。序盤からラストまで6カ所のカテゴリー山岳が設けられ、終盤には1級山岳が連続する。山頂フィニッシュとなるコル・ド・チュリーニ(チュリーニ峠)は、距離14.9kmで平均勾配7.3%という難関。総合争いの運命を大きく変えるクイーンステージと目されていた。

ニースの最高級ホテル・ネグレスコの前を通過するプロトン Photo: YSP

 この日と翌最終ステージが厳しい山岳コースとあって、スプリンター勢のリタイアが続出した。第1、第2ステージで優勝したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)と、ここまで2ステージで2位に入ったカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)がこの日スタートしなかったほか、第3、第6ステージで優勝してポイント賞のリーダージャージを着るサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)も、スタートはしたものの、レース前半でリタイアして大会を去った。

 レースは終盤の山岳でのステージ優勝争いと、総合上位争いの戦いをにらみながら、まずは山岳賞争いの駆け引きで幕を開けた。10.5km地点に設けられたこの日最初の山岳ポイントでは、山岳賞首位に立つトマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)と同3位のアレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)が争い、デヘントが先着。続く47.7km地点に設けられた2つ目の山岳ポイントまでは、デヘント擁するロット・スーダル勢が集団をコントロールした。

赤い水玉の山岳賞ジャージを着るデヘントが、この日も山岳ポイントを荒稼ぎ Photo: YSP

 そして2つ目の山岳ポイントを前に、デヘント、デマルキを含む39人の逃げ集団が形成された。ステージ勝利を狙う有力選手として、サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)といったビッグネームも含む強力なものだ。

 途中の山岳ポイント争いは、デヘントとデマルキのマッチレースになったが、結局ラスト前まで5つの山岳ポイント全てをデヘントが先頭通過。デヘントはこの日だけで35ポイントを稼ぎ、総合山岳賞の最終的な獲得に向けて大きく前進した。

コロンビアの新星がワールドツアー初勝利

 逃げ集団は若干人数を減らしながらも、メイン集団から6分以上の差を持ってラストのチュリーニ峠の入口に到達。逃げ切りのステージ勝利がこの中から出ることは確実となった。また総合16位に付けるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が首位から2分1秒しか遅れていないため、この時点のバーチャルで総合首位を逆転していた。

 上りではラスト9kmを前に、この日最有力と目されるサイモン・イェーツがアタックを仕掛け、先頭はイェーツとロペス、マルティネス、ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソルシオンクレディ)の4人に絞られた。ジルベールは先頭からは脱落するものの、首位のクウィアトコウスキーからは約4分の貯金を持ってゴールを目指した。先頭4人はイェーツが不気味な揺さぶりをかけるなか、各選手が代わる代わる抜け出しては、集団が割れて戻るを繰り返し、ラスト1kmまで決定打が生まれない攻防が続いた。

逃げ集団に乗った36歳のベテラン、ジルベールがバーチャル・マイヨジョーヌに。最後の上りも粘りの走り Photo: YSP

 そしてラスト1kmのゲートで、マルティネスがアタック。ロペスがすぐに反応するが、ここに来て苦しい様子のイェーツは、エデを振り切って辛うじて追い付いたものの、再びマルティネスがペースを上げると、完全に脱落してしまう。ロペスを引き連れたマルティネスは加速を続けると、ラスト200mでロペスを引き千切って単独先頭に。そのままのスピードでゴールラインを通過して優勝のガッツポーズを決めた。

 22歳にしてプロ5年目のマルティネスは、個人ロードレースではプロ初勝利。近年プロトンを席巻するコロンビアンライダーの一人で、今年は2月のコロンビア選手権で個人タイムトライアルを制し好調。その勢いのままワールドツアーでも大きな結果を勝ち取った。

スカイ軍団がメイン集団を破壊

 メイン集団での総合上位争いは、最後のチュリーニ峠の上りで、リーダーチームのスカイがスピードを上げてライバルへの攻撃を開始した。総合首位のクウィアトコウスキーと同2位のベルナルを引き連れ、最終アシストのイバン・ソーサ(コロンビア)が先頭に立つと、総合3位に付けるルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)や、5位のボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)が集団から脱落。集団は10人以下の精鋭グループに絞られた。

 さらにソーサが引き続けると、何と首位のマイヨジョーヌを着るクウィアトコウスキーまでもが集団から脱落してしまう。ここに来てチーム スカイの真のエースがベルナルであることが明らかになった。

メイン集団の先頭争いは、コロンビアの先輩キンタナ(左)がベルナルに先着 Photo: YSP

 ラスト1km地点で集団はソーサ、ベルナルに、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)の4人のみ。ここでソーサが外れてベルナルが先頭に立つと、ヘイグも脱落。ベルナルとキンタナの2人によるラストスパートは決着が付かず、キンタナが前に立つ形で先頭から3分43秒差でゴールした。

 この結果、個人総合では2位だったベルナルがクウィアトコウスキーを逆転して首位のマイヨジョーヌに袖を通し、また先頭から2分50秒差でゴールしたジルベールが、総合2位へと浮上した。マイヨジョーヌを失ったクウィアトコウスキーだが、ポイント賞で首位となりマイヨヴェールに袖を通している。

最終日を前にマイヨジョーヌに袖を通したベルナル。エディ・メルクス氏(左)も祝福 Photo: YSP

 熱戦が続くパリ〜ニースは、いよいよ翌第8ステージでフィナーレを迎える。ニース発着で行われる最終ステージは、110kmのショートステージながら、2級・1級合わせて6つのカテゴリー山岳が登場する。休みなくアップダウンを繰り返すジェットコースターのようなコースで、最後まで勝負の行方から目が離せない、手に汗握る最終決戦の一日だ。

第7ステージ結果
1 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 4時間55分49秒
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +6秒
3 ニコラ・エデ(フランス、コフィディス ソルシオンクレディ) +20秒
4 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
5 ジョナタン・イヴェール(フランス、ディレクトエネルジー) +55秒
6 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +2分3秒
7 ジュリアン・エルファレス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス)
8 セルジオルイス・エナオ(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) +2分8秒
9 ビクトル・デラパルテ(スペイン、CCCチーム) +2分13秒
10 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) +2分15秒

個人総合
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 26時間35分26秒
2 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +45秒
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +46秒
4 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分3秒
5 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +1分21秒
6 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分45秒
7 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +2分20秒
8 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +2分52秒
9 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) +3分2秒
10 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3分6秒

ポイント賞
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 33 pts
2 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) 24 pts
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 22 pts

山岳賞
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 64 pts
2 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) 43 pts
3 ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) 21 pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 26時間35分26秒
2 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +4分7秒
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +9分35秒

チーム総合
1 チーム スカイ 79時間51分44秒
2 アスタナ プロチーム +6分5秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアール +6分18秒

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