ティレーノ〜アドリアティコ2019 第6ステージアラフィリップがスプリント争いを制して優勝 総合争いは最終日のTTで決着へ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 イタリアで3月18日、UCIワールドツアー「ティレーノ〜アドリアティコ」の第6ステージが行われ、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がスプリント争いを制してステージ優勝した。名だたるピュアスプリンターを抑えて価値ある勝利。一方、総合トップ10の顔ぶれに変動はなし。いよいよ明日、最終決戦となる個人タイムトライアル(TT)を迎える。

アラフィリップが見事スプリントステージで勝利を挙げた Photo: Yuzuru SUNADA

終盤の勝負所に向け序盤は落ち着いた展開に

 第6ステージはマテーリカからイェージまでの195km、ラストは1周12.6kmの周回コースだ。序盤はアップダウンが連続しているものの、後半にかけてなだらかに。スプリンターによる争いが予想された。

 レースは早々に逃げが決まる。メンバーは、ダヴィデ・バレリーニ(イタリア、アスタナ プロチーム)、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、ハイス・ファンフック(ベルギー、CCCチーム)、イゴール・ボエフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、ホセ・ロハス(スペイン、モビスターチーム)、ダイエル・キンタナ(スペイン、ネーリソットリ・セッレイタリア)、ベンジャミン・キング(アメリカ、ディメンションデータ)の7人。

逃げ集団の7人 Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げ集団とメイン集団でレースが展開されていく。メイン集団はペテル・サガン(スロバキア)擁するボーラ・ハンスグローエやエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)で2勝目を狙うドゥクーニンク・クイックステップが先頭でコントロールしていた。タイム差は約2分半、完全に逃げを泳がせている状況だった。

 残り70km、逃げとメイン集団とのタイム差が2分を切るが、勝負所はまだまだ先。レースは静かに進んでいく。

好調アスタナのバレリーニが粘りの走り

 終盤になっても逃げとメインの構図は変わらなかったが、UAE・チームエミレーツやボーラ・ハンスグローエ、ドゥクーニンク・クイックステップが牽引するメイン集団は、明らかにペースを上げる。

最後まで粘ったバレリーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 約22km、逃げ集団にも動きが出る。バレリーニがペースアップ、この動きに遅れる選手が続出する。結局、反応できたのはロハスのみ。先頭はバレリーニとロハスの2人なる。

 周回コースの残り1周、ゴールまで12.6kmというところで、先頭とのタイム差は約40秒。イヴ・ランパールト(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)やダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)らが先頭に出て、これまで以上にペースを上げた。

時間の経過とともに緊張感の増すプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

 タイム差は、残り9km地点で約30秒、6kmで約15秒。2人が捕まるのは時間の問題だったが、ここでバレリーニが動く。ロハスとの協調を諦め、自ら先行。だが、ペースアップをしたメイン集団には力及ばず。残り3.3kmでとうとう吸収されてしまう。

 こうなれば、最後はスプリント勝負。まず、先手を打ち前を引いたのはボーラ・ハンスグローエだった。1.5kmまでダニエル・オス(イタリア)が集団を引き切って後退する。いち早く動いて早めに後ろに下がるこの動きは、サガンで勝利を狙うときのボーラがよく見せる動きだ。

ボーラのチームメートに守られて走るサガン(中央) Photo: Yuzuru SUNADA

 ボーラ後退後、集団はゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)、サガン、さらに複数のドゥクーニンク・クイックステップ勢と続く。この中にはヴィヴィアーニも含まれていた。スティバルの直後、2番手に付けていたサガンだが、スプリントをするには位置が前過ぎるといった様子で、ポジションを若干下げて好機を待つ。そのサガンの直後をヴィヴィアーニがマークした。

 残り1kmのコーナーからゴールまではストレート。枚数を揃えたドゥクーニンク・クイックステップが前を固める。ここまで引いたスティバルが踏むのをやめ、ミケル・モルコフ(デンマーク)、マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)に交代していく。ところが肝心のヴィヴィアーニがマークするサガンが、集団内でグレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)やダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル サイイクリングアカデミー)の後ろに埋没。サガンの後ろに付けるヴィヴィアーニも集団内に沈んでしまった。

 しかし、ゴールはすぐそこ。こうなれば、各選手スプリントを開始するしかない。アシストのリケーゼは、元はヴィヴィアーニの最終発射台であっただろうアラフィリップを発射。リケーゼは後ろにヴィヴィアーニがいないのに気付き、自身も一度は踏みやめた脚を再び動かしてスプリントを継続した。

ドゥクーニンク・クイックステップが万全のスプリントかと思いきや、サガンの位置取りミスと、そのサガンに賭けたヴィヴィアーニのミスが重なり、混戦スプリントになった Photo: Yuzuru SUNADA

 そしてフィニッシュラインを最初に通過したのはアラフィリップ。スプリントステージで勝利するという意外な結果を手に入れた。2位はクレメント、3位は後ろから追い込んだヴィヴィアーニ。サガンは5位でゴールしている。

 総合勢はタイムを失うことなく無事ゴール。総合トップ10の顔ぶれに変化はない。明日の最終ステージは個人タイムトライアル。アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)が総合優勝を飾るのか。それとも、タイムトライアルを強みにするプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)やヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)が逆転で勝利するのか。目が離せない。

イェーツは明日このジャージを守れるだろうか Photo: Yuzuru SUNADA

第6ステージ結果
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4時間42分11秒
2 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー) +0秒
3 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
5 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
6 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7 イェンス・クークレール(ベルギー、ロット・スーダル)
8 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)
9 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
10 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)

個人総合
1 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 25時間15分59秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +25秒
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +35秒
4 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分55秒
5 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +2分24秒
6 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +2分39秒
7 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分46秒
8 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +2分58秒
9 サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト) +3分3秒
10 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ) +3分26秒

ポイント賞
1 ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 31 pts
2 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 27 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 26 pts

山岳賞
1 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 35 pts
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 34 pts
3 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 25 pts

新人賞
1 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) 25時間18分57秒
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +37秒
3 マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・メリダ) +2分13秒

チーム総合
1 EFエデュケーションファースト 75時間16分44秒
2 トレック・セガフレード +1分29秒
3 チーム サンウェブ +5分34秒

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