外国人3選手が逃げ切りスプリントマトリックスのオールイスアルベルト・アウラールが優勝 Jプロツアー開幕戦、修善寺1日目

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの2019年開幕戦となる第1戦「第2回JBCF修善寺ロードレースDay1」が3月16日、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで開催され、レース中盤にできた8人の逃げ集団から最終周に抜け出した3人の争いを、オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が制してJプロツアーデビューウィンを飾った。

オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が、Jプロツアー初レースで見事に初優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

2年後の新リーグに向け改革着々

 2019年のJプロツアーがついにスタートした。昨年は2月に沖縄県で開幕を迎えた同シリーズだが、今年は例年通り3月の初戦となった。舞台となるのは2020年の東京五輪に向けてMTBコースの改修が進む日本サイクルスポーツセンターで、今年は昨年の8kmコースから5kmコースに変更されての開催となった。

黒で統一されたテントや新ロゴをあしらったスタート・フィニッシュバナーなど、これまでとは異なる雰囲気で会場を演出 Photo: Nobumichi KOMORI
スタートセレモニーで改革に向けての意気込みと選手への激励を語る片山右京JBCF理事長 Photo: Nobumichi KOMORI

 既報の通り、JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)は2021年の新リーグ始動に向けて、積極的に改革を推し進めている真っ最中。そのため、会場も新ロゴをあしらったテントやスタート・フィニッシュバナーなど、これまでとは異なる雰囲気を感じさせる会場演出も見られた。また、レース面でもレイティングがこれまでのA、AA(ダブルエー)、AAA(トリプルエー)、AAAA(クワトロエー)というカテゴライズから、ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナというカテゴライズに変更されたほか、周回コースのレース中に対象周回のフィニッシュラインを1位で通過した選手に対して、優勝ポイントの指定割合を与える中間ポイントが設定された。今回の第1戦は、日本サイクルスポーツセンター5kmコースを12周回する60kmで争われるシルバーレイティングで、中間ポイントは4周目と8周目に設定された。

昨年のU23ランキング1位の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)とチームランキング1位の宇都宮ブリッツェンを先頭に選手たちが整列する Photo: Nobumichi KOMORI
レース序盤から中盤にかけては各チームが積極的に攻撃を仕掛け合うも決定的な逃げが決まらない展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

王者ブリッツェンは後手に

 昨年の個人ランキング1位の窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)は日本ナショナルチームでツール・ド・台湾に出場するため未出走となったが、23歳未満ランキング1位の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)とチームランキング1位の宇都宮ブリッツェンを先頭にスタートラインに整列した選手たちは、スタートの号砲とともに一斉にコースイン。すぐに激しいアタック合戦となり、数人の選手が飛び出しては吸収されるという状況が繰り返される出入りが激しいながら決定的な逃げが決まらないまま、レースは中盤まで進んでいった。

各チームが積極的に攻撃を仕掛け合うことでペースが上がり集団もタテに長く伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

 レースが動いたのは6周目。アウラール、ロビー・ハッカーとサム・クローム(ともにオーストラリア、チームUKYO)、平塚吉光と石橋学(ともにチーム ブリヂストンサイクリング)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、中田拓也(シマノレーシング)の8人が逃げ集団を形成する展開となり、有力チームの選手が満遍なく入ったことでメイン集団もこの逃げを容認。すぐに1分ほどのタイム差が開く展開になった。

結果的に勝ち逃げとなった8人の逃げが形成され、レースは一旦落ち着きを見せる Photo: Nobumichi KOMORI

 その後レースはしばらく8人の逃げ集団とメイン集団という展開のまま進んでいったが、残り周回も少なくなると、複数人を逃げに送っているライバルチームに対して小野寺1人しか送り込んでいない状況を不利と判断した宇都宮ブリッツェンがメイン集団先頭に立ってコントロールを開始。ペースを上げて逃げ集団の吸収を試みる状態になった。しかし、他チームの協調は得られず、鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)と岡篤志(宇都宮ブリッツェン)の2人が先頭固定で8人の逃げ集団を追う厳しい状況が続いた。

宇都宮ブリッツェンが逃げを吸収しようとメイン集団のコントロールを開始してペースを上げる Photo: Nobumichi KOMORI

ベネズエラの22歳スプリンターが初戦勝利

 それでも、最終周を迎える段階で1分ほどあったタイム差は20秒にまで短縮。逃げ集団の吸収は時間の問題という状況になると、逃げ集団からは吸収を嫌ったアウラール、ハッカー、クロームの3人が飛び出し、逃げ切りを狙う展開に。逃げの吸収に人数を使ってしまっていた宇都宮ブリッツェンは鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)1人しか残っておらず、あとわずかというところで先行した3人を捕らえることができず、勝負は3人の外国人選手に絞られることになった。

飛び出した3人の争いを冷静に制したオールイス・アルベルト(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が先行してフィニッシュに向かう Photo: Nobumichi KOMORI

 3人の先頭ではチームUKYOの2人が代わる代わる攻撃を仕掛けるものの、アウラールは冷静に対処。逆にホームストレートに向かう上りで仕掛けて一気にリードを奪うとそのまま先着し、Jプロツアー初レースで初優勝を飾った。

表彰式。左から2位のロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO)、優勝のオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、3位のサム・クローム(オーストラリア、チームUKYO) Photo: Kensaku SAKAI
この日の結果、最初のプロリーダージャージ着用者はオールイスアルベルト・アウラール(右)、23歳未満のランキングトップ選手が着用するネクストリーダージャージは織田聖(左、弱虫ペダルサイクリングチーム)となった Photo: Kensaku SAKAI

 昨年のJプロツアーは全レースのほぼ半数で宇都宮ブリッツェンが勝利を収め、圧倒的な実力と存在感を見せた。しかし、その結果を受けてマトリックスパワータグは、昨年の最終戦にスポット参戦したフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)やこの日優勝を飾ったアウラールを補強してチーム力が向上。また、3年ぶりのJプロツアー復帰となったチームUKYOも、ハッカーとクロームがいきなり2位と3位に入り、そのチーム力の高さを見せた。今年のJプロツアーは、毎レース勝者が異なるような混戦になることも予想される、そんな開幕戦になった。

JBCF 修善寺ロードレース Day-1
1 オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 1時間40分56秒
2 ロビー・ハッカー(オーストラリア、チームUKYO) +0秒
3 サム・クローム(オーストラリア、チームUKYO) +5秒
4 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +8秒
5 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)
6 ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO) +9秒
7 アイラン・フェルナンデス(スペイン、チームUKYO)
8 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)
9 湊涼(シマノレーシング)
10 横塚浩平(チームUKYO) +10秒

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