パリ〜ニース2019 第6ステージベネットがスプリントで技ありの勝利 クウィアトコウスキーが総合首位を堅守

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 フランスで開催中のステージレース「パリ~ニース」(UCIワールドツアー)では3月15日、第6ステージが行われ、40人程の集団スプリントをサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が僅差で制して優勝を果たした。総合首位はミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が守っている。

サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が、アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)を下してステージ優勝 ©YSP

地形と風の影響で集団が分断

 この日はペニエからブリニョールまでの、176.5kmの中級山岳ステージ。全体を通して細かなアップダウンが繰り返され、後半には3級山岳が1回、2級山岳が2回登場するレイアウトだ。厳しい展開が続く今大会。風が吹き荒れたこの日、序盤からアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)、ローラン・ピション(フランス、チーム アルケア・サムシック)、マウロ・フィネット(イタリア、デルコ・マルセイユプロヴァンス)が逃げ、メイン集団から2分強のリードを奪った。

マイヨ・ジョーヌを着て走るミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) ©YSP

 レースが動き始めたのは最初の2級山岳サント=ボームに差し掛かるころ。個人総合リーダーのクウィアトコウスキーと同2位につけるエガン・ベルナル(コロンビア)擁するチーム スカイ、そしてミッチェルトン・スコットを軸に、メイン集団が逃げグループとの差を詰め始める。フィニッシュまで残り50kmという比較的早い段階で、メイン集団は逃げグループをキャッチ。レースは振り出しへと戻り、ステージ優勝へ向けた争いが活発となった。

序盤から逃げたアレックス・キルシュ(ルクセンブルク、トレック・セガフレード)、ローラン・ピション(フランス、チーム アルケア・サムシック)、マウロ・フィネット(イタリア、デルコ・マルセイユプロヴァンス) ©YSP

 積極的に動いたのはドゥクーニンク・クイックステップ勢や、イヴァン・コルティナ(スペイン、バーレーン・メリダ)だ。狭く曲がりくねったアップダウンが続く道を、猛然とスピードアップ。後続の選手たちは棒状一列に伸ばされ、強風の影響もあり中切れも発生し、厳しくナーバスな展開が続いた。

 人数は徐々に絞られていったが、ゴールスプリントを狙うスプリンター勢は強豪が顔を揃えていた。ポイント賞2位につけるカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)、アシストが脇を固めるアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)、ソニー・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)やクリストフ・ラポルト(フランス、コフィディス)、ジョン・デゲンコルプ(ドイツ・トレック・セガフレード)、そしてベネットらだ。

チーム力を発揮したグルパマ・エフデジ

 勝利を狙いたいスプリンター擁するチームと、安全な位置取りをしたい総合上位チームの思惑が重なり、複雑な地形を速度の緩急をつけて走る集団内では落車もたびたび発生。残り15km付近の先頭でヤン・バーケランツ(ベルギー、チーム サンウェブ)らが転んだ際は、メイングループが分断。後続で総合トップ10に入るロマン・バルデ(フランス、アージェードゥゼール ラモンディアル)も取り残されるなど、集団に復帰はするも脚を削られる場面が見られた。

グルパマ・エフデジとドゥクーニンク・クイックステップが組織的に速度を上げる ©YSP

 セカンドグループの動向も注目されたが、メイン集団がフィニッシュまで残り5kmの距離まで近づくと再び強烈なペースアップを図り、勝負は先頭の50人ほどに絞られた。残り4km地点に設定された中間スプリントポイントでは、クウィアトコウスキーと個人総合3位のルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)が2人で争い、クウィアトコウスキーが先着。ボーナスタイムの3秒を稼いだ。

 しばらく2人が先行するも、後ろからグルパマ・エフデジのトレインが組織立って速度を上げてこれを吸収。残り500mまで完璧なチーム力を発揮し、デマールを発射した。しかし、ジャンピエール・ドリュケール(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ)の位置取りを生かしたベネットが、ラインを膨らせたマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)の間を縫ってデマールをキャッチ。フィニッシュラインまであと僅かのところでデマールをかわし、ステージ優勝を飾った。

ミラノ~サンレモへ向けて上々な仕上がりをみせたサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) ©YSP

 ベネットは「ミラノ~サンレモへ向けて今日はハードに攻めたかった。山岳では苦戦したが、チームメートの素晴らしい働きでクリアできた。残り5kmで脚の調子は良く、位置取りもパニックを起こさず、ただチームメートについていった。最後の直線ではフィニッシュ手前でラインが開け、差を詰め切ることができ優勝できた」と振り返った。

 個人総合成績は変わらずクウィアトコウスキーがトップに立ち、マイヨジョーヌを堅守。その他、総合上位勢に大きな変動はない。

 翌日の第7ステージはニースからコル・ド・チュリーニまでの181.5km。今大会のクィーンステージとなり、山頂ゴールが設定されている。最後の上りは15.3km、平均勾配が7.2%と厳しい坂が選手たちを待ち構える。総合成績が動くことは必至だろう。

第6ステージ結果
1 サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ) 4時間12分35秒
2 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) +0秒
3 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
4 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
5 ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプトR&Bホテルズ)
6 アンソニー・テュルジス(フランス、ディレクトエネルジー)
7 フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)
8 オリヴェル・ナーゼン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
9 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAEチーム・エミレーツ)
10 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ)

個人総合
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 21時間35分36秒
2 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) +18秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +22秒
4 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分
5 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
6 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分4秒
7 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1分8秒
8 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +1分17秒
9 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分21秒
10 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分24秒

ポイント賞
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 37 pts
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 33 pts
3 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 32 pts

山岳賞
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 29 pts
2 ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) 21 pts
3 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) 20 pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 21時間35分54秒
2 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分8秒
3 イヴァン・コルティナ +11分34秒

チーム総合
1 チーム スカイ 64時間50分26秒
2 アージェードゥーゼール ラモンディアール +1分41秒
3 バーレーン・メリダ +3分20秒

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