ティレーノ~アドリアティコ2019 第2ステージ勾配5%の上りスプリントをアラフィリップが制す アダム・イェーツが総合首位に浮上

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 イタリアで開催中のUCIワールドツアー「ティレーノ〜アドリアティコ」は3月14日、第2ステージが行われ、上りスプリントをジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が制した。リーダージャージはトップと同タイムでフィニッシュしたアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)のもとに移動した。

第2ステージを制したのは好調ジュリアン・アラフィリップ Photo: Yuzuru SUNADA

5人の逃げをミッチェルトン・スコットが追う

 第2ステージは前日チームタイムトライアルが行われたカマイオーレをスタートし、「ピサの斜塔」で有名なピサを通過して、南部のポマランチェへとフィニッシュする195kmで争われた。ラスト8kmからフィニッシュ地点に向けては上り。急勾配区間と、勾配が緩む区間が交互に現れ、ラスト1kmは平均勾配5%を超える上りとなっていた。2年前にも同様のフィニッシュ地点が採用されており、その際はゲラント・トーマス(イギリス、チームスカイ)がアタックを成功させ、独走勝利を飾っていた。

2年前、この日と同様のフィニッシュでステージ勝利したゲラント・トーマス Photo: YSP

 レースはスタート直後に5人の逃げが決まる。メンバーはナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス・ソルシオンクレディ)、セバスティアン・シェーンベルガー(オーストリア、ネーリソットーリ・セッレイタリア・KTM)、ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)、そして今季限りでの引退を表明しているマルケル・イリサル(イタリア、トレック・セガフレード)だった。

 リーダーチームのミッチェルトン・スコットが集団けん引を担い、逃げ集団とのタイム差を3分台にコントロール。逃げ集団は途中2カ所あった山岳ポイントはいずれもベルハネが先頭通過、同じく2カ所あった中間スプリントポイントはいずれもマエストリが先頭通過を果たした。

5人の逃げ集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団では、ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)がリタイア。チーム発表によると、UAEツアーでの落車で負ったけがの回復状況が思わしくないためとのことだ。

 残り30kmを切ると、ドゥクーニンク・クイックステップが集団けん引を開始。イタリア王者のエリア・ヴィヴィアーニ、ベルギー王者のイヴ・ランパールト、デンマーク王者のミケル・モルコフらナショナルチャンピオンが、代わる代わる先頭に立つ豪華な集団けん引により、逃げとの差がみるみると削られていく。

 ペースが上がるメイン集団からは、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がメカトラブルのためストップ。大会前にはウイルス性の胃腸炎を患い、コンディションが整わないなかでの出場となっており、この日は無理して集団復帰を目指すことなく、10分以上遅れたグルペット内でフィニッシュした。

 残り13km地点で逃げ集団を吸収すると、勝負どころの最後の上り口に向けて位置取り争いが激しくなっていった。

終盤の激しい攻防からアラフィリップが今季5勝目

 先頭付近はミッチェルトン・スコット、ユンボ・ヴィスマ、CCCチームが横並びになりながら、残り8km地点で最後の上り区間に突入した。ミッチェルトン・スコットが先頭に出て、クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク)、ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア)らが、エースのアダム・イェーツを護衛する。

 再び勾配が厳しくなる残り6km付近でダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)がアタック。しかし、ミッチェルトン・スコット率いる集団を突き放すことができず、間もなく吸収された。続いてカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックを仕掛けるも、ミッチェルトン勢から逃げることはできずに、こちらもすぐ吸収。

アタックして存在感を示したダニエル・オス Photo : Yuzuru SUNADA

 その直後、残り4.2km地点でヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナプロチーム)がアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナプロチーム)を引き連れてカウンターアタックを決行した。本命が動き出したことで集団は崩壊。サイモン・クラーク(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)らが良い反応を見せた。

 残り3km地点になると、今度はログリッチェがペースアップ。ルツェンコ、クラークがチェックに入り、やや遅れてトム・デュムラン(オランダ、チームサンウェブ)、ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)がブリッジしてきて、先頭は5人となった。しかし、スプリント力のあるスティバルは、後方にエースのアラフィリップが待機していることもあって、ローテーションには協力せず、先頭5人はややお見合い状態に陥ってペースダウンしてしまう。

 先頭5人が残り1.4km地点で集団に追いつかれると、ログリッチェが再びアタックを仕掛ける。ルツェンコ、アラフィリップと続き、後方との差が少し開いた。しかし、ルツェンコとアラフィリップはログリッチェのマークに徹していたため、それ以上はペースが上がらず、残り800mで集団に追いつかれた。

 残り500mでエフゲニー・シャルノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)がアタックすると、アラフィリップ、グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム)、ルツェンコ、ログリッチェと続いていく。

追いすがるファンアーフェルマートを突き放したアラフィリップ Photo : Yuzuru SUNADA

 残り200mでアラフィリップとファンアーフェルマートが同時にスプリント開始。互角の勝負を見せていたが、残り100mでアラフィリップが前に出ると、追いすがるファンアーフェルマートを突き放してフィニッシュラインに先着し、ステージ優勝を飾った。アラフィリップにとってこの日の勝利は今シーズン5勝目。ワールドチーム所属選手では単独トップとなる勝利数だ。

 第3ステージはポマランチェからフォリーニョまでの226kmで争われる。序中盤はアップダウンが激しいものの、後半は平坦基調になっており、集団スプリントの展開が予想されている。

総合首位に浮上したアダム・イェーツ Photo : Yuzuru SUNADA

第2ステージ結果
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4時間48分9秒
2 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) +0秒
3 アルベルト・ベッティオール(イタリア、EFエデュケーションファースト)
4 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
5 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
6 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
7 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
8 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ)
9 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)
10 ティム・ウェレンス(ベルギー、ロット・スーダル)

個人総合
1 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 5時間10分34秒
2 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、ミッチェルトン・スコット) +0秒
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +7秒
4 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
5 ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ) +22秒
6 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)
7 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)
8 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +27秒
9 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +37秒
10 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +47秒

ポイント賞
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 12 pts
2 ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 10 pts
3 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) 10 pts

山岳賞
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 15 pts
2 ナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス ソルシオンクレディ) 10 pts
3 グレッグ・ファンアーフェルマート(ベルギー、CCCチーム) 10 pts

新人賞
1 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 5時間10分41秒
2 ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ) +15秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)

チーム総合
1 ユンボ・ヴィスマ 14時間46分59秒
2 チーム サンウェブ +15秒
3 ドゥクーニンク・クイックステップ +1分0秒

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