パリ~ニース2019 第8ステージ最終日はヨン・イサギレが独走勝利 次世代エースのベルナルが総合優勝

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 フランスで開催のUCIワールドツアー「パリ〜ニース」は3月17日、最終の第8ステージが行われ、レース終盤に先頭集団からアタックを仕掛けたヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム)が優勝を飾った。総合優勝の証であるマイヨジョーヌを手に入れたのは、エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ)。総合3位のナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がアシストを従え攻撃を仕掛けたものの、逆転優勝は叶わなかった。

パリ〜ニース初出場で総合優勝に輝いたエガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) Photo: YSP

有力選手による大逃げ

 第8ステージは、ニースを発着点とする110km。その中に1級山岳が2つ、2級山岳が4つ詰め込まれている。短距離ながら厳しいコース、最終日にして総合順位が入れ替わる可能性も大いにあった。

 レースは序盤、4人の逃げが早々に吸収されたあと、17km地点でボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)、ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)といった有力選手によるカウンターアタックが仕掛けられ、先頭は約10人になる。

 さらにそこから飛び出したのは、ユンゲルスと山岳賞1位のトマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)。2人の逃げ、追走、メイン集団という構図で、1つ目の山岳に突入する。

 山岳通過後、前日同様37人という大逃げができあがる。ここにはデヘント、ユンゲルス、ザカリン、サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)といった選手も名を連ねていた。リーダージャージ擁するスカイ勢は一人もこの逃げに選手を送り込まず、メイン集団でレースを展開する。ただ、その差は約1分。いつでも捕まえられる差だ。

アタックをするトレンティン Photo: YSP

 30km過ぎ、2つ目の山岳に入る手前で、逃げからザカリンが飛び出すが直後に吸収。その後、今度はマッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)が飛び出し、単独のトレンティン、イェーツやデヘント含む追走集団、スカイがコントロールするメイン集団という構図になる。

 約47km地点、ティージェイ・ヴァンガーデレン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)とジュリアン・エルファレス(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス)が追走から飛び出しトレンティンと合流。3人の先頭、34人の追走、メイン集団の3グループでレースが進む。この頃、先頭とメイン集団のタイム差は約2分半。レースはしばらく落ち着いた状態で進んでいった。

総合逆転に向け勝負を仕掛けるモビスター

 折り返しに差し掛かる頃、大きな動きが出る。ベルナルとのタイム差46秒で総合3位につけるキンタナがエクトル・カレテロ(スペイン)とともにメイン集団から飛び出し、追走の第2集団にジョインする。この集団には既にチームメートのウィネル・アナコナ(コロンビア)とマルク・ソレル(スペイン)を送り込んでいたため、“前待ち”作戦が成功する形に。このままモビスター勢が第2集団をコントロールしはじめる。このペースアップにより先頭の選手も残り42km地点で吸収、キンタナグループが先頭になった。

山岳を進む先頭グループ Photo: YSP

 一方、メイン集団のスカイはモビスターの動きに反応せず。その仕掛けを静観していた。その差は1分弱と僅かではあるが、キンタナグループにはイサギレやルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)、イェーツもいる。各チームの協調次第では、タイム差が広がる可能性もある。また、キンタナは約31km地点に設定されたスプリントポイントをきっちり1位で通過。タイム差を43秒に縮めた。

 メイン集団では総合2位につけるフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が脱落。総合争いは名実共にベルナルとキンタナの一騎打ちとなった。

 レースは終盤になっても先頭とメイン集団という展開で進む。先頭集団はモビスターが牽引。キンタナ自ら引く場面もあった。一方メイン集団はタオ・ゲオゲガンハート(イギリス)をはじめとしたスカイの強力なアシスト勢が牽引し、徐々にタイム差を縮める。まさに両チーム総力戦の総合争いだ。

ステージ優勝を狙いイサギレがアタック

 総合優勝に目を向けるスカイとモビスター。その2チームの隙を突いたのが先頭集団にいたイサギレ。残り13km、最後の2級山岳の上り後半でアタックを仕掛け、ステージ優勝を狙う。イサギレの快調なペダリングに、集団にいた他の選手達はついていけない。イサギレはこのまま独走で下りも逃げ切ってフィニッシュラインに飛び込んだ。

先頭集団からアタックするヨン・イサギレ Photo: YSP
ヨン・イサギレが最終ステージを制した Photo: YSP

 その一方で総合争いも佳境に突入する。ゴールまで3kmを切ったところでキンタナとベルナルの差は約15秒。両チームアシストを使い切り、キンタナは一秒でも早くゴールへ、ベルナルはそのキンタナに離されまいと走る。結局、キンタナはイサギレから22秒遅れの10位でゴール、ベルナルはその僅か4秒後にゴールした。スカイの次世代エース・ベルナルはマイヨジョーヌを守り切った。

総合上位と各賞ジャージ。(左から)山岳賞のデヘント、総合2位のキンタナ、総合優勝と新人賞のベルナル、ポイント賞と総合3位のクウィアトコウスキー Photo: YSP

 ベルナルは今シーズン、ジロ・デ・イタリアをエースで走る予定だ。22歳とは思えない今大会での落ち着いた走り。ジロでの活躍にも大きな期待がかかる。

第8ステージ結果
1 ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム) 2時間41分10秒
2 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +18秒
3 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
4 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト)
5 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)
6 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
7 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
8 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +20秒
9 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト)
10 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +22秒

個人総合
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 29時間17分2秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +39秒
3 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分3秒
4 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +1分21秒
5 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分45秒
6 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) +2分20秒
7 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) +3分2秒
8 ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3分6秒
9 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +3分12秒
10 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン) +4分7秒

ポイント賞
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 33 pts
2 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) 28 pts
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 25 pts

山岳賞
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 76 pts
2 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) 43 pts
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 25 pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 29時間17分2秒
2 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +4分7秒
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +9分27秒

チーム総合
1 チーム スカイ 87時間57分51秒
2 アスタナ プロチーム +9分46秒
3 アージェードゥーゼール ラモンディアール +10分25秒

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