ティレーノ〜アドリアティコ2019 第1ステージ初日チームTTはミッチェルトン・スコットが平均時速57.5kmで優勝

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 イタリアで3月13日、UCIワールドツアー「ティレーノ〜アドリアティコ」が開幕し、第1ステージのチームタイムトライアル(チームTT)は、平均時速57.5kmを叩き出したミッチェルトン・スコットが優勝した。優勝したミッチェルトン・スコットの先頭でゴールしたマイケル・ヘップバーン(オーストラリア)が、総合首位のリーダージャージにまず袖を通している。

初日のチームタイムトライアルを制したミッチェルトン・スコットの走り Photo: Yuzuru SUNADA

「2つの海を結ぶレース」が開幕

 ティレーノ〜アドリアティコは同時期にフランスで開催される「パリ〜ニース」と並んで、ロードレースの本場ヨーロッパに、春の訪れを告げるステージレースだ。7日間で1048.5kmを走る大会はその名の通り、イタリア半島西側に広がるティレニア海から、東側に広がるアドリア海へと至るルートを取る。通称「2つの海を結ぶレース」として知られている。

個人総合首位に立ったマイケル・ヘップバーン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) Photo: Yuzuru SUNADA

 UCIワールドチームが18チーム、同プロコンチネンタルチームが5チームの、合計23チーム161人が出場。パリ〜ニースと同じく、ツール・ド・フランスなどのグランツールを狙うビッグネームが多く参戦する。今大会も昨年ツールの覇者ゲラント・トーマス(イギリス、チーム スカイ)を始め、トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)といった有力選手が一堂に会した。

 初日のチームTTはティレニア海に面したリド・ディ・カマイオーレでの開催。21.5kmのコースは、スタートから海沿いを約10kmほぼ直進し、4つの連続直角コーナーで進路を反転すると、再び海沿いを逆方向に約10km走ってフィニッシュする。大半が直線で占められ、各チームのスピードが問われるシンプルなコースだ。各チームは5分ごとの時差スタートで、7人中4人目にゴールした選手のタイムがチーム全体の記録となる。

ドゥクーニンク・クイックステップが中間計測トップに

完全ウェットの状態で走った第1出走のアージェードゥゼール ラモンディアール Photo: Yuzuru SUNADA

 小雨交じりの中、アージェードゥーゼール ラモンディアールが1番目にスタートし、24分35秒のタイム、平均時速52.8kmでまずゴール。天気は徐々に回復を見せ、後半出走のチームの方が好条件でのレースとなった。

 4番目スタートのCCCチームが23分37秒と大幅にトップタイムを更新すると、続く5番目スタートのEFエデュケーションファーストが23分21秒と、さらにこれを上回ってきた。3番目にスタートしたボーラ・ハンスグローエが、レース途中にコースを横断した歩行者と交錯し、ラファル・マイカ(ポーランド)とオスカル・ガット(イタリア)の2人が落車するアクシデントがあったが、2人とも遅れながらもゴールしている。

23分台中盤で走ったCCCチーム Photo: Yuzuru SUNADA
途中アクシデントで遅れたマイカとガット。ガットは額から出血 Photo: Yuzuru SUNADA

 好走を見せたのは9番目にスタートしたドゥクーニンク・クイックステップだ。折り返しの中間計測で11分00秒というトップタイムを記録し、23分02秒でフィニッシュ。平均時速56.0kmで暫定トップに立った。

中間計測トップタイムを記録したドゥクーニンク・クイックステップ Photo: Yuzuru SUNADA

好調ユンボ・ヴィスマを打ち破ったミッチェルトン・スコット

 注目を集めたのは、今季チームTTが好調のユンボ・ヴィスマだ。16番目にスタートすると、中間計測はドゥクーニンク・クイックステップから8秒差の2番手にとどまったが、後半でスピードを上げて、この日初の22分台となる22分32秒という驚異的なタイムでゴール。平均速度はついに時速57kmに達した。

今季チームTT好調のユンボ・ヴィスマが、マーティンを先頭にスピードを上げる Photo: Yuzuru SUNADA
トーマス擁するチーム スカイはトップと47秒差 Photo: Yuzuru SUNADA
デュムランを先頭に疾走するチーム サンウェブ。トップと22秒差の3位に入った Photo: Yuzuru SUNADA

 トーマス擁するチーム スカイ、デュムラン擁するチーム サンウェブはともにユンボ・ヴィスマのトップタイムに届かず、このまま優勝確定かとも思われた。しかし最終出走のミッチェルトン・スコットが、その空気を一変させた。中間計測でユンボ・ヴィスマを6秒上回ると、後半も7人の隊列を揃えてスピードを維持。最後も3人を切り離しながらスパートをかけ、ゴールタイムはユンボ・ヴィスマをさらに7秒上回る22分25秒。最後のどんでん返し、圧巻の走りで初日のレースを制した。

最終出走から圧巻の走りを見せたミッチェルトン・スコット。アダム・イェーツ(右から2人目)を総合エースに臨む Photo: Yuzuru SUNADA

 続く第2ステージはカマイオーレからポマランチェに至る195kmで行われる。ゴールに向けては丘を登る上り坂となっており、単純な集団スプリントにはならないことが予想される。区間優勝争いとともに、個人総合を見据えた駆け引きにも注目だ。

第1ステージ結果
1 ミッチェルトン・スコット 22分25秒
2 ユンボ・ヴィスマ +7秒
3 チーム サンウェブ +22秒
4 ドゥクーニンク・クイックステップ +37秒
5 チーム スカイ +47秒
6 ロット・スーダル +54秒
7 EFエデュケーションファースト +56秒
8 グルパマ・エフデジ +58秒
9 イスラエル サイクリングアカデミー +1分5秒
10 バーレーン・メリダ +1分10秒

個人総合
1 マイケル・ヘップバーン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) 22分25秒
2 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、ミッチェルトン・スコット) +0秒
3 ルーク・ダーブリッジ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
4 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
5 アレクサンダー・エドモンソン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +3秒
6 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) +7秒
7 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
8 クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
9 トニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)
10 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)

新人賞
1 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 22分32秒
2 ソーレン・クラークアンデルセン(デンマーク、チーム サンウェブ) +15秒
3 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ)

チーム総合
1 ミッチェルトン・スコット 22分25秒
2 ユンボ・ヴィスマ +7秒
3 チーム サンウェブ +22秒

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