パリ~ニース2019 第4ステージマークをかいくぐったコルトニールセンが逃げ切り勝利 マイヨジョーヌ争いも変動

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 フランスで開催中のステージレース「パリ~ニース」(UCIワールドツアー)は、現地時間3月13日に第4ステージが行われた。序盤から10人以上がレースを先行し、距離を追うごとに人数を減らしながらも先頭をキープ。最後まで逃げ続けることに成功し、フィニッシュ前1kmで飛び出したマグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム)がステージ優勝を果たした。この日は総合争いにも変動があり、首位でスタートしたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が脱落。メイン集団でフィニッシュしたミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)にリーダーの座が移動している。

パリ〜ニース2019第4ステージ。残り1kmからのアタックで逃げ切り勝利を決めたマグナス・コルトニールセン Photo: YSP

13人が6分以上のリードを築く

 大会は中盤戦へ。第4ステージはヴィシーからペリュサンまでの212km。これまでの3ステージでは、横風での波乱こそあったものの、おおむねフラットなレイアウトでのレースが続いたが、いよいよ中級山岳クラスのステージが登場。

大きな橋を通過していくプロトン Photo: YSP

 5カ所越えるカテゴリー山岳のうち、4つがレース後半に集中。そのいずれもが1級または2級山岳。登坂距離こそ短いものの、次、また次とやってくる上りは、決して簡単なステージではないことを意味する。総合争いの行方にも影響する可能性も考えられた。

 迎えたレースは、まず9.5km地点で7人が飛び出すことに成功。さらに選手たちが合流し、13人の逃げグループが形成されることになる。その流れのまま18.5km地点に設定された3級山岳ポイントは、エドゥアルド・グロス(ルーマニア、デルコ・マルセイユプロヴァンス)がトップ通過している。

 逃げの13人はペースを緩めることなく進行。88km地点でメイン集団に対し6分25秒の差とした。

最大13人とした逃げグループ Photo: YSP

 後半に入り、カテゴリー山岳が連続する丘陵地帯に入ってからも、逃げグループの活発さが際立つ。152.5km地点に設けられた2級山岳は、山岳賞ジャージのマイヨアポワを着るダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)がトップ通過したが、続く1級山岳ではトマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)が先着。登坂距離1.9kmながら平気勾配が8.5%の上りで逃げメンバーのおおよそ半数が遅れ、残ったのは7選手となった。

 その頃、メイン集団ではマイヨジョーヌのフルーネウェーヘンが脱落。前日まで主役の座を競い合ったスプリンター陣のほとんどがメイン集団から後退していった。急勾配かつハードなコーナーの連続に、集団ではオーバーランやクラッシュする選手が現れたが、ミッチェルトン・スコットやアージェードゥーゼール ラモンディアールが中心となって、追撃ムードを少しずつ高めていった。

ライバルのお株を奪うコルトニールセンのアタック

 丘陵地帯に入って一時は逃げグループを射程圏内に捕らえたかに思われたメイン集団だったが、フィニッシュまで30kmを切ったあたりを境にタイム差が思うように縮まらなくなってきた。逃げグループでは、山岳ポイント狙いの動きを繰り返すデヘントのほか3選手が生き残る形になり、先を急ぎ続ける。フィニッシュ地点をいったん通過し、約20kmの最終周回に入る時点でのタイム差は約1分10秒。

第4ステージを終えて山岳賞のマイヨアポワを着用したトマス・デヘント Photo: YSP

 セオリー通りであればメイン集団有利な展開だが、人数が絞られ各チームともにアシストが減っている状況ゆえ、思いのほかペースが上がらない。残り12kmでローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト)らが集団の活性化を狙ってアタックを試みるが、大きく展開を変化させるまでには至らない。その間に逃げグループは、この日最後のカテゴリー山岳となる2級のポイントをデヘントを先頭に通過。フィニッシュまで残すところ10kmでその差は50秒。逃げ切りの可能性も膨らんできた。

 先頭をゆくのはコルトニールセン、デヘントのほか、ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)。最終局面を迎えるまで協調体制を崩すことなく、集団とのタイム差も約50秒を維持したまま進行。ステージ優勝は、この4選手の中から出ることが濃厚となった。

 勝利を賭けた最後の1km。コルトニールセンが押し出されるような形で先頭へ出るが、他の3人の様子を一瞬うかがうと一気のアタック。不意を突かれた3人は即座の反応ができない。デヘントが懸命に追うが、コルトニールセンの背中が遠くなる一方。

 最終のストレートを勢いよく駆けてきたコルトニールセンが、この日最初にフィニッシュラインを通過する選手に。自身今シーズン初勝利と同時に、絶好調のチームに16勝目をもたらした。2位以下はデヘント、チッコーネ、デマルキの順。

ステージ優勝を決めポディウムで勝ち名乗りを受けるマグナス・コルトニールセン Photo: YSP

 逃げ切りを許したメイン集団は、コルトニールセンから48秒差でのフィニッシュ。残り3km手前でヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ)とリリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー)がアタックしたが、集団が追い込んでなだれ込むようにフィニッシュラインを通過した。

 なお、この日までマイヨジョーヌを着続けたフルーネウェーヘンはグルペットでのフィニッシュ。これらの結果から、個人総合首位にはクウィアトコウスキーが浮上。5秒差でルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)、10秒差でフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)が続いている。

第4ステージを終えてマイヨジョーヌを着用したミカル・クウィアトコウスキー Photo: YSP

 総合タイム差30秒以内に20人がひしめく僅差のマイヨジョーヌ争い。その状勢に変化が生まれると見られるのが、第5ステージ。今大会唯一の個人タイムトライアルステージは25.5kmと、TT巧者がライバルからリードを奪うには十分なレース距離。コースは中盤にアップダウンが待ち受け、さらにフィニッシュ手前約500mが上り基調。独走力とともにコースへの適応力も試される。このステージが終わった段階で、個人総合争いの形勢が幾分見えてくることが予想される。

第4ステージ結果
1 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム) 5時間3分49秒
2 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) +7秒
3 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) +13秒
4 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) +18秒
5 リリアン・カルメジャーヌ(フランス、ディレクトエネルジー) +48秒
6 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ)
7 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
8 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
9 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
10 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)

個人総合
1 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) 16時間52分27秒
2 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +5秒
3 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +10秒
4 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) +11秒
5 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) +14秒
6 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +15秒
7 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) +17秒
8 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
9 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +18秒
10 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

ポイント賞
1 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 32 pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 24 pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 22 pts

山岳賞
1 トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル) 27 pts
2 ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) 21 pts
3 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) 20 pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 16時間52分38秒
2 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +8秒
3 ダニエル・マルティネス(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +7分47秒

チーム総合
1 アージェードゥーゼール ラモンディアール 50時間38分18秒
2 トレック・セガフレード +4秒
3 バーレーン・メリダ +30秒

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