パリ〜ニース2019 第3ステージ波乱には至らなかった3日目 ベネットがロングスプリントを決めて今季3勝目

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランスで開催のUCIワールドツアー「パリ〜ニース」は3月12日、第3ステージが行われ、平坦コースの大集団スプリントをサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が制して区間優勝を挙げた。個人総合成績はディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が初日から変わらずキープしている。

集団スプリントを制したサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が今季3勝目 Photo: YSP

波乱の傷を癒やすスロー展開

 この日はセッポワからムーラン/イェウールに向け、ほぼ真っ直ぐ南下する200kmのコース。初日から3日連続の平坦ステージだが、第1、第2ステージが横風で波乱の展開だったのに対し、この日は比較的落ち着いたレースとなった。

 やや向かい風の中、序盤のアタックは決まらず、最初の1時間は大きな集団のまま、平均時速31kmというスローペースで進んだ。24km地点の1つ目のスプリントポイントは、総合2位のミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)が1位で通過し、ポイントと共に3秒のボーナスタイムを獲得した。

波乱の序盤2日間を経て、比較的落ち着いた一日となった Photo: YSP

 30km地点を過ぎてようやく8人が抜け出したが、これはリーダーチームのユンボ・ヴィスマが容認せず、しばらくして吸収。しかし40km地点を前にラムナス・ナヴァルダウスカス(リトアニア、デルコ・マルセイユプロヴァンス)が再び抜け出し、ここにチームメートのアレッサンドロ・フェデーリ(イタリア)が合流。メイン集団はデルコ・マルセイユプロヴァンスの2人による逃げを容認し、50km地点までに5分以上と一気にタイム差が開いた。

 ここからメイン集団はスプリンターを抱えるユンボ・ヴィスマ、ドゥクーニンク・クイックステップ、ロット・スーダルのアシスト選手がコントロール。逃げとの差を少しずつ詰めながら、レースは前2日間の疲れを癒やすように淡々と進行した。その中でレース中盤、ここまで下位に沈んでいたファビオ・アル(イタリア、UAE・チームエミレーツ)がリタイアを決めている。

チーム スカイが積極攻撃

 レース後半、逃げの2人はペースを上げることができず、残り40kmを切ったところで、早々にメイン集団へと吸収された。再び一つに戻った集団は、密集した状態で道幅一杯に広がり、緊張した状態が続く。残り32km、集団中程で落車が発生したが、ここは先頭がペースダウン。遅れた選手の復帰を待ってから、レース終盤へと入っていった。

積極的なレースを見せた総合2位のクウィアトコウスキー Photo: YSP

 182km地点の第2スプリントポイントでは、再びチーム スカイが先行した。第1スプリントに続いてクウィアトコウスキーが1位、また同チームで新人賞ジャージを着るエガン・ベルナル(コロンビア)が2位で通過。それぞれポイントとボーナスタイムを獲得して、最終的な総合成績で上位を狙うスカイの2人が、ライバルたちからタイム差を奪うことに成功している。

 ここまで大きな波乱がなく進んだレースだが、ゴールまで10kmを切りラスト5kmを前に、スカイがさらに動いてきた。横風に乗じて集団の分断を図ったのだ。クウィアトコウスキーとベルナルが自ら集団先頭でペースアップし、一時は5人ほどが前に抜け出す形となる。だが集団を完全に分断するには至らない。メイン集団は再び一つに戻り、ラスト2kmからはスプリンターチームが主導権を握る形になった。

ベネットが一年前の悪夢を払拭

 ラスト1kmで先頭に立ったのはアルノー・デマール(フランス)をエースとするグルパマ・エフデジ。ベネットを引き連れたボーラ・ハンスグローエも前に上がってきた。アシストに引き連れられたデマールが2番手、その後ろにアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チームエミレーツ)、ベネット、そしてカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)という隊列。ここまで2連勝のフルーネウェーヘンがそのやや後ろに付け、最終スプリントが始まった。

 ここで力を発揮したのがベネットだ。前2日間の爆発力を欠いたフルーネウェーヘンを横目に、ベネットはユンボ・ヴィスマのアシストに飛びつき鋭く加速。そのまま先頭に出ると、直後に付けるユアンを並ばせないままロングスプリントを踏みきって、先頭でフィニッシュした。ベネットは今季早くも3勝目。昨年のパリ〜ニースでは同じ第3ステージでリタイアを喫していたが、一年経って完璧な形で名誉挽回を果たした。

ロングスプリントとなったベネット(右)だが、ゴールラインまで踏みきった Photo: YSP

 リーダージャージのマイヨジョーヌはフルーネウェーヘンが守ったが、これを着るのは次の日が最後になるだろう。第4ステージは全体に細かいアップダウンが続き、レース終盤には3つの2級山岳と、1つの1級山岳が待ち構える。山頂ゴールではないものの、最終盤までアップダウンが続く212kmのコースは、パンチャーたちの舞台。スプリンターは後退し、個人総合成績上位が入れ替わる一日となるはずだ。

第3ステージ結果
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 5時間16分25秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) +0秒
3 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4 ダニエル・マクレー(イギリス、EFエデュケーションファースト)
5 ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルス)
6 ニッコロ・ボニファツィオ(イタリア、ディレクトエネルジー)
7 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チームエミレーツ)
8 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
9 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
10 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)

個人総合
1 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 11時間47分44秒
2 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +6秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +11秒
4 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +16秒
5 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) +17秒
6 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) +20秒
7 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +21秒
8 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ) +23秒
9 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
10 オリバー・ナーセン(ベルギー、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +24秒

ポイント賞
1 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 32 pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 24 pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 22 pts

山岳賞
1 ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) 12 pts
2 フロリアン・セネシャル(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4 pts
3 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ) 2 pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) 11時間48分1秒
2 アントニー・テュルジス(フランス、ディレクトエネルジー) +8秒
3 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ)

チーム総合
1 ユンボ・ヴィスマ 35時間24分22秒
2 ディレクトエネルジー +5秒
3 グルパマ・エフデジ

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