パリ~ニース2019 第1ステージ「太陽へのレース」初日はフルーネウェーヘンがスプリント勝利 横風分断で波乱の幕開け

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 2019年のUCIワールドツアー第6戦「パリ〜ニース」が3月10日、フランスで開幕し、8日間に渡る戦いの初日は、スプリント争いを制したディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が優勝を飾った。横風で分断や落車が多発し、有力スプリンターが次々脱落する波乱の幕開けとなった。

ディラン・フルーネウェーヘン(前右)がスプリントで優勝 Photo: YSP

落車が頻発 マシューズが初日リタイア

 第1ステージは、サンジェルマンアンレーをスタート・ゴールとする138.5km。スタート後、8の字のように走り、再びサンジェルマンアンレーに戻ってくる。平坦ステージにカテゴライズされているものの、コースはアップダウンの連続。天候や風の状況によっては、スプリンター以外の選手が勝つ可能性もゼロとは言えないコースだった。

8日間に渡る戦いがスタートした Photo: YSP

 スタート後に逃げたのは、プロコンチームに所属するアマエル・モワナール(フランス、チーム アルケア・サムシック)、ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)、ロマン・コンボー(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス)の3人。メイン集団はこの逃げを早々に容認した。3人はスタート後の1時間を時速34.2kmのペースで走行。メイン集団は2分45秒後ろを走っていた。

 ただ、横風も吹く中のレース、落ち着いた展開にはならなかった。35km地点では、セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム スカイ)やマルコ・マルカート(イタリア、UAE・チームエミレーツ)、アルテュール・ヴィショ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルス)を含む集団落車が発生。さらにその後、マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)が単独で落車。マシューズに至っては大会を去った。

 一方、メイン集団では、アルノー・デマール(フランス)で勝利を狙うグルパマ・エフデジがペースアップし、残り約50kmで逃げとのタイム差が1分を切る。約90km地点でもペースを上げていたグルパマ・エフデジ。地元チームとして、モチベーションの高さをうかがわせる走りを見せる。

横風分断で前年覇者ソレルが脱落

 波乱含みの落ち着かない展開。残り約43kmでは、強い横風が襲いかかる。この横風でドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)や前回の総合優勝者のマルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム)、この日の優勝候補のアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チームエミレーツ)やマルセル・キッテル (ドイツ、カチューシャ・アルペシン)、マーク・カヴェンディッシュ(ドイツ、ディメンションデータ)も遅れてしまう。

 横風分断に乗じたメイン集団はペースアップして逃げ集団を吸収。残り約30km、4km先の3級山岳へ向かう中、エヴァルダス・シシュケヴィチュス(ラトビア、デルコ・マルセイユプロヴァンス)とワレン・バルギル(フランス、チーム アルケア・サムシック)、ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー)が抜け出した。この山岳は、1回目の山岳を1位で通過したダミアンがトップ通過。山岳賞ジャージを手中に収めた。3人は山岳ポイント通過後も先行。逃げとメイン集団という構図になる。

初日優勝のフルーネウェーヘンはリーダージャージのマイヨジョーヌに袖を通した Photo: YSP

 残り約14km。とうとう集団が1つに。ここでチーム スカイの3人、エガン・ベルナル(コロンビア)、ルーク・ロウ(ドイツ)、ミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド)が飛び出す。だが、危機感を感じた集団はすぐにこのアタックを潰し、集団は再び1つに。ゴールに向けて緊張感は増すばかりだった。

 その後も、この日のステージを取りたいユンボ・ヴィスマトレインや総合優勝に向けタイムを失いたくないロウ率いるチーム スカイが先頭に出る場面も。最終盤に向け、各チームの思惑が入り混じる。

 約2.77kmのスプリントポイントは、抜け出したアルテュール・ヴィショ、総合を狙うクヴィアトコウスキー、マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ・プロチーム)の順で通過するが、ステージ優勝に向けた動きとはならず。やはり、集団は1つのままだった。

ユンボ軍団が鉄壁アシスト

 動きが出たのは、残り2km。フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックで抜け出す。一時は独走かという程の仕掛けになったが、集団はそれを許さず。ユンボ・ヴィスマが3人ペースアップし、ジルベールを吸収。スプリント争いに持ち込む。

 そのスプリント争いで最初に仕掛けたのは、ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)。その後、マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)、ジョン・デゲンコルプ(ドイツ・トレック・セガフレード)も続く。しかし、4人はアシストがない中での単独スプリント。圧倒的有利なのは、アシストから発射されたフルーネウェーヘン。そして、アシストを失った中、そのフルーネウェーヘンにピタリとついていたカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)だった。最後はこの2人の一騎打ちとなったが、手を挙げたのはフルーネウェーヘン。初日の優勝とともに総合首位のリーダージャージにも袖を通した。

ハンドルを投げ合うフルーネウェーヘン(右)とユアン(左)だが、わずかな差でフルーネウェーヘンに軍配 Photo: YSP

 第2ステージはレ・ブレヴィアールからベルガルドまでの163.5km。同じく平坦ステージで行われる。

第1ステージ結果
1 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 3時間17分35秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) +0秒
3 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
4 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
5 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
6 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)
7 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
8 ソンニ・コルブレッリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
9 ブライアン・コカール(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルス)
10 アントニー・テュルジス(フランス、ディレクトエネルジー)

個人総合
1 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 3時間17分25秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) +4秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +5秒
4 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ)
5 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) +6秒
6 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) +9秒
7 ルディ・モラール(フランス、グルパマ・エフデジ)
8 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) +10秒
9 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
10 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)

ポイント賞
1 ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 15 pts
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 12 pts
3 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 9 pts

山岳賞
1 ダミアン・ゴダン(フランス、ディレクトエネルジー) 8 pts
2 エヴァルダス・シシュケヴィチュス(リトアニア、デルコ・マルセイユプロヴァンス) 2 pts
3 ロマン・コンボー(フランス、デルコ・マルセイユプロヴァンス) 2 pts

新人賞
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 3時間17分29秒
2 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) +2秒
3 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ) +5秒

チーム総合
1 ボーラ・ハンスグローエ 9時間52分45秒
2 ディレクトエネルジー +0秒
3 グルパマ・エフデジ

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