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旅サイクリスト昼間岳の地球走行録<25>ときには“普通の旅”で気分転換 自転車世界旅のサイドトリップ

by 昼間岳 / Gaku HIRUMA
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 自転車で旅をしているとき、ダイナミックな景色の中を走れるような場所などがあると少々ルートから外れていてもその地域を走ることもあるが、ちょっとした観光地の場合は、自転車で遠回りして行くのは正直少々面倒なことがある。サイクリストの中には、何が何でも自転車で行かなければ気が済まないという人もいるが、僕は「サイドトリップ」という形で、自転車を置いてバスなどで行くことも逆に良い刺激になり、好きだった。

南アフリカに自転車を預け、マダガスカルは母と旅行した Photo: Gaku HIRUMA

サイドバックをバックパックに変えて

 大体そういう時は首都にある信用度の高いホステルに荷物と自転車を預かってもらい、即席のバックパッカーとして出掛けた。自転車旅では、あえてそういう時のためにリアにバックパックを積んで旅している人もいるが、そうでなくてもオルトリーブ製のサイドバッグならば、そのサイドバッグを背負えるようにするアダプターがあるので、2~3日の小旅行は充分にできた。

オルトリーブのラックパックはリアのバックローラークラシックとしっかり付けられるので、余計なストレスがかからないし、見た目もスッキリする Photo: Gaku HIRUMA

 さらにオルトリーブのリアのサイドバッグ「バックローラークラシック」の上に載せる「ラックパック」というバッグはそのままボストンバッグとしても使え、バックローラークラシックとしっかりと固定できるので、すっきりとパッキングできるのも魅力だった。荷物の積み下ろしは毎日行うので、ストレスなくしっかりと止まるというのは思った以上に重要だった。こういった「痒い所に手が届く」的なオルトリーブの設計はさすがだ。

 バスで観光地へ行くほかに、登山やトレッキングにも気軽に行きやすい。普段使っている装備をそのまま使えるので、現地でレンタルする必要はよほどの山でないと無く、ストレスもなくコストも抑えてトレッキングに行けるのも良かった。

骨董市で掘り出したトランクで

 サイドトリップとしては南米の3カ月がもっとも長期間のバックパッカー旅だった。広大な南米は全てを自転車で走るには僕には大き過ぎたし、パタゴニアで自転車旅行に疲れ果てている時期で、気ままにバックパックで旅をしてみたかった。長期間のサイドトリップでは適当なホステルに預けるよりも、日本人が経営している日本人宿を事前に調べておいて預けるようにしていた。大体無料か、格安の料金で預かってくれた。

 この時もオルトリーブのバックを使おうと思っていたが、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの骨董市でアンティークの革のトランクを見つけてしまい、思わず購入。荷物を手に持ってトランク旅をした。

アルゼンチンのブエノスアイレスの骨董市は有名で、掘り出し物を探して多くのツーリストや地元の人達で賑わう。このバックで南米を旅した Photo: Gaku HIRUMA
使ってみると、すっきり納まるトランクは非常に便利だった Photo: Gaku HIRUMA

 南米だとひったくりの心配があるので、決しておすすめはできないが、こんな旅ができるのもサイドトリップならではで、さらにトランクだと宿に着いてもバックパックと違い、荷物を取り出しやすくて使いやすかった。

自転車旅行とは異なるリスクも

 よく自転車旅行をしていると「危なくないのか」と問われることがあるが、いざサイドトリップに出てみると、自転車旅行とは全く違うリスク管理をしなくてはならなかった。

 まず旅行者を狙った軽犯罪にあうリスクが桁違いに上がる。バスに荷物を預ける際にパソコンなどの貴重品を抜かれたり、バスターミナルや駅ではスリや置き引き、そして背後からケチャップなどの液体をかけて「大丈夫?」と心配するふりをしながらスリを行う「ケチャップ強盗」なども横行していたので、気を付ける点が自転車旅行とは全く異なっていた。

 さらに、一番きついのはバスで深夜にわけの分からない場所で降ろされること。目的地で降りるのであれば当然バスターミナルに行くが、途中下車を行うバスでは本当にこういうことがある。自転車旅行では、常に町の全体の規模と現在地を把握しながら中心部に入っていけるので安心感があるが、南米の知らない町で全財産を抱え、深夜に放り出されることほど恐ろしいことはない。

オルトリーブのサイドバックが、バックパックにもなり非常に便利。所用でトルコのトラブゾンからイスタンブールへ飛行機で戻る際に Photo: Gaku HIRUMA

 とはいっても、身軽なバックパッカー旅はとても魅力的で、自転車旅の疲れが完全に癒えた。と同時に、だんだんと自転車で走りたくなってきたので、自転車を預けてあったアルゼンチンに戻り、スペインに飛びヨーロッパ走行の再スタートを切った。

 自転車旅行の魅力は、こういった気分転換もできることにあると思う。

昼間岳昼間岳(ひるま・がく)

小学生の時に自転車で旅する青年を見て、自転車で世界一周するという夢を抱いた。大学時代は国内外を旅し、卒業後は自転車店に勤務。2009年に念願だった自転車世界一周へ出発した。5年8カ月をかけてたくさんの出会いや感動、経験を自転車に載せながら、世界60カ国を走破。2015年4月に帰国した。『Cyclist』ではこれまでに「旅サイクリスト昼間岳の地球写真館」を連載。ブログ「Take it easy!!

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