ズイフトのシリーズ戦開催に向けたコメントも2019年スタートのJBCF自転車新リーグ、廣瀬佳正GMに聞く理想と現実

by 大澤昌弘 / Masahiro OSAWA
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 「Jプロツアー」を統括する全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が3月2日に、2021シーズンに自転車新リーグをスタートさせると発表した。カテゴリーを1部~8部に細かく分け、オープンカテゴリーも設けてロードレースの門戸を広げる。トップレベルからホビーレーサーまでが1つのリーグにまとめた一気通貫のシステムとなる。目的は「ツール・ド・フランスで勝てる人材の輩出」。圧倒的な才能を持った人材をすくいあげために裾野の拡大が必要になるという。ただし、発表内容はドラフト版とされ、かつ、内容を細かく見れば疑問は多い。新リーグに関してJBCFで新設されたゼネラルマネージャー(GM)に就く廣瀬佳正氏に聞いた。

JBCFの廣瀬佳正ゼネラルマネージャー Photo: Masahiro OSAWA

なぜ暫定的な内容なのか

――新リーグの内容が暫定的なのはどうしてですか?

廣瀬:決定事項で進めようとすると、(一部のチームを)切り捨てる形になり、ネガティブな意見が上がってきてしまいます。今は週1回の定例会でコンセンサスを得ながら話を進めています。

――プロフェッショナルカテゴリーは1部から3部まであります。各カテゴリーで15から20チームにしたいと話していましたが、1部から3部までで最大60チーム存在するという理解でいいのですか?

新リーグのピラミッド構造 Photo: Masahiro OSAWA

廣瀬:そうです。ただし、それは将来的な話にすぎません。選手にサラリーを払えるチームは現状では限られています。2021年に新リーグがスタートしますが、その段階で1部が15チームに達していなくても、スタートすることになります。毎年、全国の都道府県から新たにチームが立ち上がり、新規のチームが1部を目指していくといった形を望んでいます。

――2021シーズンには1部から3部までの混走といったこともあるのでしょうか?

廣瀬:そこはしっかりと見極めて、早い段階で募集をかけていきたいと思います。厳しいようであれば、形を変えてのスタートになると思います。(サッカーの)JリーグもJ1からスタートして、徐々にライセンスを発行して、J2、J3とリーグを増やしていきましたし、今回の新リーグも段階的にやっていくことになります。

――1部リーグから3部まではチームの経済的な自立が必要となり、新リーグの成功には、選手を雇える経済力を持ったチームが必要です。そうしたチームを増やす解決策が見えない限り、新リーグの仕組みはうまく回らないように思えますが…。

1部から3部のプロフェッショナルカテゴリーは経営状況も考慮されるようになる Photo: Masahiro OSAWA

廣瀬:段階的な魅力アップが必要です。年に1つでも2つでも、地域密着型の法人チームを増やせればと思っています。自転車競技は現段階で、サッカーのようにナショナルクライアントをスポンサーに呼べません。新リーグはゆっくり構築していくことになります。

 とはいえ、夢も掲げないといけないと思っています。夢を抱いて入ってくる子供たちもいます。そうした子供たちが競技を生業として目指すうえでも、雇用の創出は、非常に重要です。ツール・ド・フランスで勝てる選手を新リーグで生みだす、といっても、下の土台作りをしっかりとしなければいけません。急がば回れですね。

 日本のサイクルロードレースは土台がグラグラです。基礎をしっかり固める必要があります。新城幸也選手や別府史之選手に続く選手がいません。競技人口が10倍に増えれば、彼らに続く選手の数も10倍になり、日本人で構成されたチームでツール・ド・フランスに出られる可能性も出てきます。競技人口が増えれば雇用も増え、自転車競技のスポンサーも増えるはずです。我々も成長するし、各チームにも営業・広報努力、マネージメントをしっかり行ってもらい、自転車競技を地域に根付かせていくことが必要です。

――各チームの運営について、JBCF側は強く言えないのでしょうか?

廣瀬:宇都宮ブリッツェンの立ち上げから関わった経験をもっているので、私自身、そこをアドバイスしていく役目だと思っています。JBCFのGMという立場からアドバイスしていけると思います。現に地域密着型のチームを作りたいという話もいくつかあり、企業の紹介や様々なノウハウの提供などのアドバイスを行い、ともに育っていければと思います。

――自転車のプロチームが地域や自治体に何が提供できるのでしょうか。

廣瀬:宇都宮のジャパンカップのような国際レースともなれば、2日間の開催で28億円の経済波及効果を生みだせます。地域に密着したプロチームが生まれて、ホームレースやサイクルイベントを作って、時間をかけながら自転車文化を地域に根付かせていくことで、将来的にですが、全国各地に本当のプロリーグが誕生すると思います。

ズイフトのシリーズ戦について聞く

――Zwift(ズイフト)の取り組みついて、どういった形になるのでしょうか。

廣瀬:Jプロツアーの選手とJエリートツアーの選手がオンラインのなかで一緒にレースをするといったことや、年間シリーズ戦を開催するといったことを考えています。ズイフトアプリを活用しながら、独自のリザルトを組みたいと考えています。

――誰が参加できるのでしょうか。

廣瀬:JBCF登録者のみが参加できるレースにするのか、別カテゴリーを作るのかは検討中です。まずはJBCFのみなさんとやっていきたいと思っています。

――オフラインイベントも実施する考えですが、どんなイメージでしょうか。

廣瀬:ランキングトップの決勝みたいなものをイベント的に行いたいと思っています。

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