UAEツアー2019 第7ステージベネットがトップスプリンターの競演を制す 総合はログリッチェが初日から“完全優勝”

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 中東・アラブ首長国連邦(UAE)で開催のUCIワールドツアー「UAEツアー」は3月2日、最終日となる第7ステージで、大集団によるスプリント勝負をサム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が制して今季2勝目を挙げた。個人総合ではプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がトップとタイム差なしの集団ゴールで、初日からの首位の座を守りきり総合優勝に輝いた。

スプリンター対決を制したサム・ベネット(右)が最終日のステージ優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

最終日もスプリンターステージ

 昨年までの「アブダビツアー」と「ドバイツアー」が統合された新しいUAEツアーの最終日は、ドバイ・サファリパークからシティウォークに至る145kmで行われた。コース後半は海沿いのリゾートエリアを駆け抜ける。UAEを構成する7つの首長国全てを巡った7日間のラストは、オールフラットコース。今大会ここまで3つのスプリンターステージは、3人のトップスプリンターが勝利を分け合った。最終日は4度目のスプリンター対決となる。

この日も良いところ無く55位でゴールしたカヴェンディッシュ Photo: Yuzuru SUNADA

 レースは序盤からブノワ・コズネフロワ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ドミトリー・グルズジェフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)、ウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)の3人が逃げて進行した。メイン集団は5分弱までタイム差を容認したものの、レース中盤からはスプリンターを擁するチームが集団先頭で徒党を組んでコントロール。タイム差は2分少々にキープされ、減りもせず増えもせず、淡々とゴールまでの距離を減らしていった。

 残り20kmからは計ったようにタイム差が縮まり始め、徐々に集団先頭ではゴールスプリントに向けての緊張感が高まる。ユンボ・ヴィスマはトニー・マルティン(ドイツ)がリーダージャージのログリッチェを先導。集団先頭付近に固まって危険を回避する動きを見せた。

逆転でポイント賞を獲得したヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA
総合3位で新人賞を獲得したゴデュ(右)が総合優勝のログリッチェと握手 Photo: Yuzuru SUNADA

ユアン失速、ベネットがガビリアを打ち破る

 逃げ続けた3人は残り3kmで吸収。残り1kmのゲートをくぐり、ロット・スーダルの列車が先頭に躍り出た。3番手にスプリンターのカレブ・ユアン(オーストラリア)が控えて万全と見えたが、残り450mの直角コーナーでリードアウトが失速。横からアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チームエミレーツ)が、フェルナンド・ガビリア(コロンビア)を引き連れて猛ダッシュを開始した。

ハンドルは投げ合ったガビリア(中央)とベネット(右)の勝負はベネットに軍配 Photo: Yuzuru SUNADA

 加速し損ねたユアンを横目に、発射されたガビリアが最終スプリントを開始。第2ステージに続く今大会2勝目を手にするかと思われたが、ガビリアの直後に付けたベネットがさらなる加速を見せた。ガビリアに競り勝ったベネットがガッツポーズを見せ、トップスプリンターの競演となった今大会のラストを飾る勝利を挙げた。「今日はリードアウトが完璧だった。一流スプリンターの中で勝てたことは大きな成果。次への自信になったし、自分でも今日の結果に興奮しているよ」とベネットは喜びを語った。

今季ワールドツアー初勝利となったベネット Photo: Yuzuru SUNADA

 首位のログリッチェはベネットと同タイムの26位でゴール。初日のチームタイムトライアル後から着続けたリーダージャージをこの日も守り、「UAEツアー」の栄えある初代王者に輝いた。今季初戦で早くも結果を出したログリッチェは「良いシーズンのスタートを切れた」と満足な様子。昨年ツール・ド・フランス総合4位に輝いたログリッチェは、今季はジロ・デ・イタリアの総合を最大の目標に据えるという。

スキージャンプ競技出身のログリッチェが、表彰台で得意のテレマークポーズを決める Photo: Yuzuru SUNADA

第7ステージ結果
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間17分51秒
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) +0秒
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
4 アレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チームエミレーツ)
5 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
6 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)
7 マキシミリアン・ヴァルシャイド(ドイツ、チーム サンウェブ)
8 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)
9 マッテオ・モスケッティ(イタリア、トレック・セガフレード)
10 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チーム スカイ)

個人総合
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 26時間27分29秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +31秒
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) +44秒
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +56秒
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分4秒
6 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分8秒
7 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ) +1分11秒
8 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分29秒
9 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +1分45秒
10 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分49秒

ポイント賞
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 57 pts
2 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) 52 pts
3 ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 52 pts

新人賞
1 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) 26時間28分13秒
2 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +45秒
3 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +1分1秒

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