2019年に「ズイフト」のシリーズ戦もスタートJBCFが自転車新リーグを2021シーズンに開始 ツール・ド・フランスで勝てる選手の輩出目指す

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 日本最高峰のチームがロードレースで競う「Jプロツアー」を統括する全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)が3月2日、東京都内でカンファレンスを開催し、2021年に新リーグをスタートさせると発表した。新リーグの発足に伴い、「Jプロツアー」は2020シーズンをもって終了する。発表会ではさらに、オンラインサイクリングプラットフォームの「Zwift」(ズイフト)と共同でオンラインのシリーズ戦を、2019シーズンに開始することもアナウンスされた。

自転車新リーグが2021年にスタート。写真は左から栗村修連盟戦略室長、片山右京理事長、宇都宮ブリッツェンの増田成幸選手 Photo: Masahiro OSAWA

新リーグは3カテゴリーに

 JBCFは昨年12月に、自転車新リーグ構想の検討を開始したことを発表。今回の発表は将来に向けた「ドラフト」としながらも、前回よりも一歩踏み込んだものとなる。新リーグでカテゴリーは大きく3つのカテゴリーに分けられることになりそうだ。

 カテゴリーは、プロフェッショナル(1部から3部)、エリート(4部から8部)、オープン(昇降なし)の3つ。現在のJプロツアーに相当するのがプロフェッショナル、Jエリートツアー・Jフェミニンツアー・Jユースツアーがエリートとなる。オープンがJチャレンジツアーに相当する。

自転車新リーグのカテゴリー Photo: Masahiro OSAWA

 新リーグはトップレベルからホビーレーサーまでが1つのリーグにまとめられるのが特徴。プロフェッショナルカテゴリーはクラブライセンス制度を採用し、経営状況、所属選手人数、契約形態を鑑みて所属リーグを決定。シーズンの結果によって昇格・降格が決定する。映像配信や有料観戦シートの設置なども行う予定。また、プロフェッショナルカテゴリーのチーム数は1部~3部まで各15~20チーム存在することが将来的に望まれている。リーグ開始時には状況に即して、チーム数を決定する。

 エリートカテゴリーは、JBCFへの加盟登録が必須。前期と後期の2期制を採用して、レース順位に応じた付与ポイントを累積し、各期末に個人ランクが決定する。決定したランクに応じて選手個人が昇格・降格する仕組み。オープンカテゴリーは、JBCFへの加盟登録は不要で、個人ランクも設定しない。

ツール・ド・フランスで勝てる選手の輩出を目指す

日本人選手がマイヨ・ジョーヌを着て凱旋門を通ることを目指したいと話す片山右京理事長 Photo: Masahiro OSAWA

 新リーグ発足の目的として強調されたのは、「日本人選手の国際競技力向上」。ロードレースはトラック競技よりも成績が出せていないのが現状。五輪の男子ロードレースの最高位は、別府史之の22位。一方、自転車トラック競技は2位、男子マラソンは5位となっている。その上で、国内リーグを整備し、強豪国となっているフランスのシステムを取り入れる方向性を明らかにした。

 JBCFの片山右京理事長は「日本人がマイヨ・ジョーヌを着て凱旋門前を通ることを目標にしたい」と話す。また同氏は、新リーグ発足に関して、現状の体制では世界で活躍する選手が輩出できておらず、現時点では限界に来ていると指摘。東京五輪までに国内のロードレースで戦える実力にはないとしながらも、次回のパリ大会には活躍できる選手を輩出したいとする。さらに、日本の代表的なプロチームを作りたいといった考えも披露した。

 さらに、新リーグ設立の目的として、自転車ロードレースを身近に親しんでもらうための「自転車文化のさらなる発展」「自転車が持つ社会的価値の発見と発信」も挙げられた。

 新リーグの理念として挙げられたのは3つ。トップリーグのレースからホビーレースまで一気通貫した強固なリーグ基盤を築き、世界で最も革新的な自転車リーグを作り上げる「世界で唯一の自転車リーグの実現」させること。さらに「する・観る・支える、すべてのサイクリストが参加し楽しめる環境をつくる」「自転車を通じて、人と地域に幸せをもたらす」が発表された。すべては暫定的ながらも、自転車ロードレース界は新たな道に突き進むことが伝わるカンファレンスとなった。

ズイフトのシリーズ戦も開催へ

 新リーグの開始に向け、ロードレースの魅力向上を図り、2019シーズンから、いくつかの新たな取り組みも始まる。

 そのひとつがオンラインサイクリングプラットフォーム「Zwift」(ズイフト)の活用。2019シーズンより、ズイフトの協力を得て「JBCF eRacing Cycling Road Series」を開催する。JBCFのゼネラルマネージャーに就任した廣瀬佳正氏は「仕事が終わってからトレーニングに励んでいる人もたくさんいる。平日にオンラインでJBCFのレースをやってしまおうと考えた。ズイフトなら落車もない。ランキングを作るなどして、皆さんに楽しんでもらいたい」などと述べた。

 開催時期などの詳細は未定。JBCFズイフトへのレースは参加者資格についても未定なものの、「JBCF登録者のみを対象にし、参加者への課金もシステム上、実現できるように話を進めている」(廣瀬氏)とする。レースへの参加者はJプロツアーの選手も加わるといった構想を持つなど、Jプロツアーとは異なる自由度の高い設計を目指す。また、ズイフトのオフラインイベントも構想。オンラインイベントの決勝リーグをリアル世界で開催することを想定し、eスポーツのような観戦型イベントの実施も検討しているという。

LIVEリザルトシステムを採用。対象レースではスマートフォンやパソコンからもレースの周回数やタイム差などをリアルタイムで把握可能となる Photo: Masahiro OSAWA<br />

 インターネットを活用したライブ配信の活用もより一層進める。2019シーズンではYouTube、Facebook、Twitterなどのプラットフォームを使って、より多くの人にライブでの映像を配信する。現時点では開幕戦の修善寺ロードレース、西日本・東日本ロードクラシックなど年間10レースを予定している。

 大学のミスキャンパスからなる大学生プロジェクトチーム「キャンパスラボ」と共同で、新規ファンの獲得、ロードレースの魅力を伝えることを目的とした「Go! Go! ペダルラボ」もスタートさせる。キャンパスラボのメンバーがJプロツアーのレース会場へ来場し、イベントに参加したり、表彰式のプレゼンターを務めるとともに、SNSを活用した情報発信にも期待される。

 さらに、新リーグ発足に向けてデザインの統一化を進める スタート・ゴールゲート、表彰式会場、オフィシャルテントのデザインを一新して、プロフェッショナルらしいイメージの醸成を図る。同時にJBCFのロゴデザインも、従来の青を基調としたものから、黒とゴールドを基調にしたものへチェンジ。リーダージャージのデザインも変更された。

スタート・ゴールゲート、表彰式会場、オフィシャルテントのデザインを一新 Photo: Masahiro OSAWA
昨年まで輪島塗のトロフィーから総合優勝チームに贈られるトロフィーンもデザインが変更(写真中央)。リーダーもデザイン変更 Photo: Masahiro OSAWA

 なお、カンファレンスには、2019シーズンのJプロツアー参加チーム代表によるチームプレゼンテーションも行われ、全18チームの代表者がシリーズ戦開始を目前に意気込みを語った。

Jプロツアーに参戦する全18チームの代表者が参集 Photo: Masahiro OSAWA
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