UAEツアー2019 第6ステージ中東最難関山岳ステージをログリッチェが制す 盤石の走りで総合優勝に王手

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 中東・アラブ首長国連邦で開催の「UAEツアー」(UCIワールドツアー)は3月1日、第6ステージが行われ、最難関ステージの山頂フィニッシュをプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が制してステージ優勝を飾り、総合優勝が決定的となった。

ステージ優勝を飾り表彰台でテレマークポーズを決めるプリモシュ・ログリッチェ Photo : Yuzuru SUNADA

クイーンステージは波乱の幕開け

 第6ステージはアラブ首長国連邦に所属する首長国のひとつであるアジュマーンをスタートし、登坂距離20km・平均勾配5%の長い上りのあるジェベル・ジャイスの山頂へとフィニッシュする180kmで争われた。

最初に逃げの動きをつくったアダム・ハンセン Photo: Yuzuru SUNADA

 アクチュアルスタートのフラッグが下ろされた直後、逃げに乗るためのアタックがかかると同時に集団内で大落車が発生。数十人の選手が足止めを食らうなか、総合2位のアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスターチーム)らも巻き込まれていた。再スタートに手間取ったものの、レース序盤のトラブルだったため、すぐに集団に復帰することができた。

 そうしたなか、アダム・ハンセン(オーストラリア、ロット・スーダル)が単独で逃げ始めた。最初の中間スプリントポイントをハンセンが先頭通過。すると、集団からミケル・モルコフ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)を伴って、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が飛び出し、2位で中間スプリントポイントを通過した。

 ヴィヴィアーニの動きに乗じて、計7人の選手が先頭のハンセンにブリッジ。ハンセン、ヴィヴィアーニ、モルコフ、ヤン・トラットニック(スロベニア、バーレーン・メリダ)、ジョセフ・ロスコフ(アメリカ、CCCチーム)、ウィリアム・クラーク(オーストラリア、トレック・セガフレード)らワールドチーム所属選手による8人の逃げ集団が形成された。ヴィヴィアーニは2つ目の中間スプリントポイントも1位通過したところで、逃げ集団を離脱。モルコフと共にメイン集団に戻った。

トニー・マルティン(右)とマクシミリアン・シャフマン(左) Photo : Yuzuru SUNADA

 残り50kmで逃げとメイン集団とのタイム差は9分まで広がり、メイン集団をコントロールするリーダーチームのユンボ・ヴィスマは逃げ切りを容認する姿勢を見せていた。すると、モビスターチームとチームサンウェブなど他の総合上位チームが代わりに集団けん引を開始。徐々に逃げ集団とのタイム差を縮めていき、上りが始まる残り20km地点で両者のタイム差は5分となっていた。

 上りに入ると、逃げ集団から脱落する選手が続出し、残り12.5km地点でトラットニックがアタックすると、ロスコフ、クラークのみが追従。メイン集団はチャド・ハガ(アメリカ、チームサンウェブ)が先頭固定でけん引を続け、逃げとのタイム差は3分差となった。

チームメイトの働きに応えたログリッチェ

 まだ逃げ切りの可能性の残る先頭3人からは、残り9km地点でロスコフが加速。クラーク、トラットニックと脱落し、残り6.5kmからロスコフが独走となった。しかし、ハガの強力なけん引によって、メイン集団とのタイム差は1分まで縮まっていた。

 ハガの後、集団けん引を引き継いだのはトニー・マルティン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)だった。平坦に強い大型ルーラーだが、山岳で一仕事。レースはいよいよ最終局面を迎えた。

 残り4km付近から、ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が集団先頭に立ってペースアップ。残り2kmでついに先頭のロスコフを吸収すると、さらに集団けん引を続行。デプルスの引きは凄まじく、残り1kmを切っても、ライバルチームのアシスト陣たちに仕事の機会を一切与えず、総合上位勢の動きを完全に封じ込めていた。

 残り300mでデプルスが力尽きると、ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ)がアタック。トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)、ログリッチェが続き、マーティンの背後をピタリとマーク。

トム・デュムランとの競り合いを制して、フィニッシュラインに飛び込むプリモシュ・ログリッチェ(中央) Photo: Yuzuru SUNADA
エースの勝利を喜ぶローレンス・デプルス Photo : Yuzuru SUNADA

 マーティンが失速すると、デュムランが先頭でスプリント開始。遅れたマーティンに引っかかる形でログリッチェは出遅れたものの、自分のラインを見つけると先頭のデュムランめがけて猛加速。ラスト10mでデュムランを抜き去り、フィニッシュラインに先着。今季初勝利となるステージ優勝を飾り、もちろん総合首位の座もキープした。

 翌日はドバイ周辺で行わる完全にフラットなスプリントステージで、総合2位のバルベルデとは31秒差あるため、ログリッチェの総合優勝が決定的となった。

第6ステージ結果
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 4時間15分39秒
2 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +0秒
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)
4 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ)
5 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)
6 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)
7 マキシミリアン・シャフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
8 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
9 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ)
10 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +5秒

個人総合
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 23時間9分38秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +31秒
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) +44秒
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +56秒
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分4秒
6 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +1分8秒
7 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ) +1分11秒
8 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分29秒
9 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +1分45秒
10 ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム スカイ) +1分49秒

ポイント賞
1 ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 52 pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 49 pts
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 48 pts

新人賞
1 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) 23時間10分22秒
2 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +45秒
3 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +1分1秒

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