UAEツアー2019 第3ステージバルベルデが小集団スプリントを制して優勝 ログリッチェは総合首位をキープ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 中東・アラブ首長国連邦で開催の「UAEツアー」(UCIワールドツアー)は2月26日、第3ステージが行われ、山頂フィニッシュの小集団スプリントを制したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)が優勝を飾った。総合首位は、トップとタイム差なしでゴールしたプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)がキープしている。

アルカンシエルを纏ってワールドツアー初勝利を挙げたバルベルデ Photo: Yuzuru SUNADA

今大会最初の山岳ステージ

 第3ステージは、UAE大学からジェベル・ハフィートまでの178km。コースの大半が平坦、ゴール前約10km強に現れるジェベル・ハフィートの山頂にフィニッシュする。ジェベル・ハフィートは昨年まで行われていたアブダビツアーで、クイーンステージに登場した山だ。距離10.8km、平均勾配6.6%、最大勾配は11%に達する。勝負所はレース最終盤。総合争いに動きが出ることが予想された。

 スタート後に逃げたのは、イゴール・ボエフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、ステパン・クリアノフ(ともにロシア、スプロム・ルスヴェロ)、ファビオ・カラブリア(オーストラリア、チーム ノボノルディスク)、シャルル・プラネ(フランス、チーム ノボノルディスク)の4人。

今大会初となった山岳ステージ。ログリッチェは無事リーダージャージキープに成功 Photo: Yuzuru SUNADA

 一方、メイン集団はリーダージャージを保持するユンボ・ヴィスマがコントロールしていた。そのタイム差は最大でも5分以内。その気になればいつでも4人を吸収できる位置でレースを展開していた。

 レースが動いたのは、残り約80km。メイン集団が早くも逃げを吸収する。ユンボ・ヴィスマやホームレースとして臨んでいるUAE・チームエミレーツ、またヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア)擁するバーレーン・メリダ、グルパマ・エフデジも隊列を組み始め、ジェベル・ハフィートに向けてペースアップを試みていた。

有力選手による勝負がスタート

 勝負所となるジェベル・ハフィートはユンボ・ヴィスマがトップで突入。その後、各チーム攻撃を仕掛け、集団は一気に活性化する。

若手ながらしっかりと勝負に絡んだゴデュ Photo: Yuzuru SUNADA

 まずは、パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)がアタック。その動きにディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)が反応し、集団から2人が抜け出す形になる。また残り7.7kmには、ロブ・パワー(オーストラリア、チーム サンウェブ)もメイン集団から抜け出し、前の2人にジョイン。3人の逃げが形成された。一方のメイン集団では、ログリッチェやニバリといった有力選手が仕掛けどころを伺いながら、ペースアップを計る。

 残り6kmでメイン集団が逃げ3人を吸収。集団の先頭には、ログリッチェをアシストするローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が立ち、リーダージャージキープに向け強烈な牽引をみせる。集団後方では、このペースアップにより遅れる選手も。ニバリやオマール・フライレ(スペイン、アスタナ プロチーム)、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)といった登坂力に優れた選手も集団から離れてしまう。

自身の勝ちパターンに持ち込み見事勝利を手にした Photo: Yuzuru SUNADA

 残り4.2km、デプルスが仕事を終えログリッチェが仕掛ける。しかし、そこにダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ)、ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が反応し4人の先頭集団ができあがる。ただ、勝負がこの4人に絞られたわけではなかった。後ろの集団にはバルベルデやトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)が位置していた。

 残り約3km、最大勾配11%にさしかかったところで先頭集団からゴデュがアタック。この動きに、マーティンがついて行けず先頭は3人になる。同時に、後ろからバルベルデが単独でアタック。先頭から遅れたマーティンを上手く風よけとして利用し、約1kmで先頭3人に追いつく。勝負はこの4人に絞られた。

地元のUAEは2日連続の勝利とはならなかった。だからこそ、ガビリアは今後のスプリントステージで再び勝利を狙ってくるはずだ。 Photo: Yuzuru SUNADA

 小集団スプリントが濃厚な展開。それぞれ周囲の動きをうかがいながら仕掛けどころを見極める。その中で最初に動いたのはバルベルデだった。残り150m、スプリントを開始。ゴール前のコーナーを先頭でクリアしそのままフィニッシュラインに飛び込んだ。

 スプリント勝負となった時点でバルベルデの勝率は高かった。だが、その展開に持ち込むため、終盤でしっかり先頭に追い付き、勝負所となる最終コーナーを先頭でクリアする走りはさすがの一言。アルカンシエルにふさわしい勝利をだった。

 翌第4ステージは今大会最長距離の205kmのコース。前半はゆるやかに上り、後半に大きな山岳が詰め込まれている。総合争いに向け、緊張感のあるレースが展開されるだろう。

第3ステージ結果
1 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 4時間44分50秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +0秒
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +4秒
5 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ) +12秒
6 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +33秒
7 イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
8 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +35秒
9 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)
10 ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ プロチーム)

個人総合
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 9時間38分5秒
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) +14秒
3 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) +31秒
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +39秒
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +47秒
6 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ) +54秒
7 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ) +57秒
8 ビクトル・デラパルテ(スペイン、CCCチーム) +1分5秒
9 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分7秒
10 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +1分8秒

ポイント賞
1 ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 26 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 20 pts
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) 20 pts

新人賞
1 ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ) 9時間38分36秒
2 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +36秒
3 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +52秒

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