UAEツアー2019 第2ステージ横風に荒れた砂漠のレースをガビリアが制す 総合はログリッチェが堅守

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 中東・アラブ首長国連邦で開催の「UAEツアー」(UCIワールドツアー)は2月25日、第2ステージが行われ、フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)が集団スプリントを制してステージ優勝を飾った。総合首位はプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が堅守した。

チームスポンサーのお膝元で見事なステージ優勝を飾ったフェルナンド・ガビリア Photo: Yuzuru SUNADA

横風分断作戦が炸裂

 アブダビ最大級のショッピングモールである「ヤス・モール」をスタートし、周辺の海沿いの道路を中心にぐるっと回ってアブダビの中心地へとフィニッシュする184kmのコースで争われた。道中は全く上りが存在しない、オールフラットのコースであり、集団スプリントの展開が予想されていたが、海風を遮るものがないため、横風による集団分断の影響も懸念されてのスタートとなった。

リーダージャージを着用するプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

 スタートしてすぐに4人の逃げが形成。ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ)、シャルル・プラネ(フランス、ノボノルディスク)といったプロコンチネンタルチームのみのメンバーだった。脅威になりうる選手も少なく、オールフラットの平坦コースということもあり、メイン集団と逃げとのタイム差は11分以上に広がった。

 ところが、フィニッシュまで100km以上残した状況で、強い横風が選手たちに襲いかかった。チャンスとみたUAE・チームエミレーツ、ボーラ・ハンスグローエ、カチューシャ・アルペシンなどスプリンターチームが集団をペースアップ。ログリッチェら多くの有力選手を含む30人ほどの小集団が形成された。

 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、ディメンションデータ)に加え、総合勢ではトム・デュムラン(オランダ、チームサンウェブ)、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)らが遅れてを喫してしまった。

 横風分断の影響で、集団が凄まじいペースアップを見せたため、逃げ集団とのタイム差は一気に減少。残り85km地点で、逃げから1分30秒差でログリッチェらの第1集団、2分30秒差でデュムランらの第2集団、そしてポートはさらに遅れて第3集団に留まっていた。

逃げに乗って、中間スプリントジャージを獲得したステパン・クリアノフ Photo: Yuzuru SUNADA

 ペースは緩まることなく、第1集団は逃げ集団を吸収しながら第2集団への攻撃を続行。クイックステップ、サンウェブのアシスト陣の懸命の働きもあり、風向きが変わったことも影響して、残り72km地点で第2集団は第1集団に追いつくことができた。そうして、全体のスピードが緩んだところで、ようやくポートら第3集団も復帰して、集団はひとかたまりとなった。

 すると、序盤から逃げていたクリアノフとプラネが集団から飛び出して、再度の逃げを試みた。集団はこの動きを容認し、一気にタイム差が5分以上広がっていった。

クリストフのリードアウトからガビリアが勝利

 残り50kmで逃げとのタイム差が5分程度にコントロールされ、ユンボ・ヴィスマを中心にじわじわと逃げとのタイム差を調整し始めていく。残り14km地点で逃げを吸収すると、モビスターチーム、バーレーン・メリダ、チームサンウェブなどのチームが道路の横幅いっぱいに広がるようにして先頭付近を確保。

フィニッシュ地点のアブダビ高層ビル群のそばで編隊飛行を披露 Photo: Yuzuru SUNADA

 残り5kmを切ると、モビスターが先頭でさらにペースアップして、徐々に集団が一列棒状に伸び始める。ラスト1km地点のアーチはバーレーン・メリダが先頭で通過。バーレーン・メリダ、カチューシャ・アルペシン、サンウェブが発射台を複数人残した状態で前方でトレインを組んでおり、その後方にはアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー、UAE・チームエミレーツ)に引き連れられたガビリアと、ガビリアをマークするヴィヴィアーニという状況だった。

 ライバルチームの間を縫うようにしてクリストフがガビリアを先頭まで引き上げると、残り150mでガビリアを発射。ヴィヴィアーニも同時に加速し、ガビリアの横に並んだままフィニッシュラインに飛び込むも、わずかにガビリアが先着。ステージ優勝を飾った。

フェルナンド・ガビリアとエリア・ヴィヴィアーニが横並びのままフィニッシュラインに飛び込む Photo : Yuzuru SUNADA

 UAE・チームエミレーツは元々「UAEアブダビ」というチーム名でスタートを切ったチーム。アブダビの銀行などがスポンサーに就いており、チームの本拠地でもあるアブダビにフィニッシュするレースで、狙いすました勝利をあげ、チームの支援者たちに最高の結果を届けることができた。

 また、クリストフはかねてから「ガビリアのリードアウトを務めたい」とインタビューで語っていた。UAEツアーは2人揃って出場する初レースだったが、最初のスプリントステージでいきなり結果を出したことで、今後もチームのゴールデンコンビとして、多くの勝利が期待されるだろう。

 翌日の第3ステージは、昨年までアブダビツアーでクイーンステージだったジャベル・ハフィートの山頂にフィニッシュするステージ。総合勢の激しい山岳バトルの展開が予想される。

第2ステージ結果
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
4 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チーム スカイ)
5 エリク・バシュカ(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)
6 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)
7 サーシャ・モードロ(イタリア、EFエデュケーションファースト)
8 マルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)
9 マルク・サロー(フランス、グルパマ・エフデジ)
10 ヤコブ・マレツコ(イタリア、CCCチーム)

個人総合
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 4時間53分21秒
2 ヨス・ファンエムデン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) +0秒
3 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
4 クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
5 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +6秒
6 マックス・ヴァルシャイド(ドイツ、チーム・サンウェブ) +7秒
7 トム・デュムラン(オランダ、チーム・サンウェブ)
8 ニキアス・アルント(ドイツ、チーム サンウェブ)
9 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +9秒
10 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)

ポイント賞
1 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ) 20 pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 16 pts
3 ステパン・クリアノフ(ロシア、ガスプロム・ルスヴェロ) 13 pts

新人賞
1 ローレンス・デプルス(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)  4時間53分21秒
2 クリストファー・ハルヴォルセン(ノルウェー、チーム スカイ) +14秒
3 ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム スカイ)

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