年に一度の大一番に編集部員が参加超絶のエグさ、ズイフトの「ナショナルチャンピオンシップ」参戦記

by 大澤昌弘 / Masahiro OSAWA
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 オンラインサイクリングプラットフォームのズイフトが2月24日に「ジャパン ナショナルチャンピオンシップ」を開催しました。条件を満たせば誰もが参加できます。イベントにはCyclist編集部の大澤昌弘が参戦。体験した世界はとてつもなく“エグい”ものでした。

めちゃくちゃエグいイベントだったナショナルチャンピオンシップ Photo: Masahiro OSAWA

栄誉あるイベントに誰もが参加可能

 年に一度開催されるズイフトのナショナルチャンピオンシップ。優勝すればバーチャルながらもナショナルチャンピオンジャージをズイフト内で着用できるという栄誉あるイベントです。いわばズイフトの全日本選手権。そんなイベントにも、簡単な条件を満たせば出られてしまいます。

筆者のズイフト環境。自転車とディスプレイに加えて工業用扇風機と写真右下に実況中継を見るためのMacを配置 Photo: Masahiro OSAWA

 主な条件は、スマートローラーもしくはパワーメーターの使用、心拍計の着用です。唯一ハードルがあるとすれば、日本自転車競技連盟(JCF)のライセンスを所持していること(一応持ってます)。それも優勝者の本人確認が目的です。

 であれば、自分の今のフィジカルを調べるためにも出てみようじゃないか、というのが今回の趣旨。今回のコースは平坦がメインで上りも少ない。しかも、今回は「ダブルドラフト」が適用されます。

ナショナル・チャンピオンシップのコース ©ZWIFT

 ズイフトでは、自分の前に前走者がいればドラフティング効果が得られるように設計されています。ただし、その効果はリアル世界で得られるものよりも低くなります。そのドラフティング効果を今回のレースでは実走に近づけよういうわけです。風の抵抗を受けないホクホクの集団内にいれば、長いこと先頭集団に残れるかも。そんな淡い期待を抱いて参戦したのが今回でした。

秒殺に近いスタート

 当日、スタートラインに立ったのは209人。宇都宮ブリッツェンの鈴木龍選手、小野寺玲選手。他にもリアル世界で活躍する選手の名前がちらほら。かなりヤバめなイベントだとわかりますが、スタートを切ると、その実感は間違っていませんでした。

スタート直後から追い込まれました Photo: Masahiro OSAWA

 開始直後から、超絶のエグさです。パワーにして400W半ば以上出ていないと、後方に追いやられます。ズイフトでは、どのレースでもスタート直後に鬼のようにペースが上がり、これ自体は不思議なことではないのですが、ほとんどのイベントですぐに200W後半までパワーが落ち着きます。しかし、ナショナルチャンピオンシップは別。400W以上の時間が半端なく続きます。数分して少し落ち着いても、300W台半ば。筆者はものの数分で虫の息に。

 「ダブルドラフトは?」「ダブルドラフトは?」とひとりごち、その存在をまったく感じることなく、そのまま消えていきました。

幻のダブルドラフトを求めて… Photo: Masahiro OSAWA

オノデライダーもビックリ!

 スタートはプロでもかなりきつかったようです。小野寺玲選手のブログでも同様に記されています。

 「5 4 3 2 1 えええぇぇぇ!?!? 参加者がトップクラスのシクロクロス級のスタートダッシュでスタート。あまりの速さに、スタートを油断していた僕はあっさり置いていかれる。笑 なんとか追いつこうと300〜350Wくらいで踏み続けてみたが、前は見えない…… なんて速さだ……」(音速戦士オノデライダーのブログ 2月24日より

 貧脚の私とは違い、小野寺選手はそのまま頑張ったようですが、スタートに失敗してしまうとプロでも挽回はできなかったようです。とにかくスタートはめちゃくちゃキツイです。

 イベントの模様の動画で見返すと、ペースが落ち着いたのは開始20分後。それでもなお、パワーウエイトレシオ(パワーを体重で割り出した値)は少なくとも4倍。平地でも4倍台の時間が長く、3倍台に下がる時間は少なかった印象です。上りがあらわれればすぐに6倍台に突入します。

 先頭集団は時間を経ても、顕著にパワーのレンジが落ちるといったことはほとんどなく、このレースを先頭集団で残るには、パワーウェイトレシオで最低でも4倍台半ばを安定的に維持できないと、きついのではないかと思われます。

 その後のレースはサバイバルな展開でした。当初、多くの人が最後まで残ると予想されましたが、実際は脱落者続出。34km地点では30人程度、ゴール直前では16人まで絞られます。最後はゴールスプリントで「hiroshi kikuchu」さんが競り勝ち、優勝。鈴木龍選手は13位(+4s)に、小野寺玲選手は64位(+9:03s)となり、アマチュアズイフターの一日の長が光った結果です。

大一番では準備も大事

 さて、即座に消えていった筆者ですが、一応完走はしました。そのなかで気づいたのは、フィジカル以外の準備も欠かせないことです。

 まず、最初にイベントへの参加タイミングをなるべく早く済ませることが不可欠です。小野寺選手がスタートで失敗したように、最初から後方に追いやられると即座に終わります。

スタート7分前で段階で前方には多くの参加者がいることがわかります Photo: Masahiro OSAWA

 次に補給はしっかりと用意しておくこと。今回のレースで水を500mlしか用意していなかったのが大きな間違いでした。途中、自転車から下りて水を補給しにいくという荒業に出てしまう始末。そもそも、インドアスポーツなので、ボトルを自転車に備え付けておく必要はなく、1.5リットルのペットボトルを脇に置いておけばよかった。

少なくとも水1リットルと余分目に見て400kcalの補給食そしてタオルとティッシュが必要でした Photo: Masahiro OSAWA

 そして、補給食。これも念のために用意しておきたいです。自分は途中でお腹が減り、家の中をさまよいました。

 自転車から下りたのは、これだけではありません。ティッシュも探しました。この季節、花粉にやられると、顔からいろいろなものが吹き出します。タオルでもいいのですが、選択肢が多いほうがいいのではないかと思います。

設定あってる?

レース前にしっかり体重も計測しました Photo: Masahiro OSAWA

 もはやレースというよりインドアサイクリングをこなしたといったほうが適当だった今回。とにかくみんな強い。リザルトを見ると、モンスター級ばかりです。結果を見ても凹むばかりです。

 しかし、色々と調べていくと、なかには「ちゃんと設定あってます?」と問いたくなる参加者も。ズイフトのプロフィール設定で体重や接続するトレーナーが間違うとスーパーマンになれてしまいます。栄誉あるイベントであり続けるためにも、このあたりは意識したいところです。

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