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強さを仕上げるアミノバイタル<予告編>“坂バカ”生命かけた自己記録更新へ 猪野学さんが決意表明「今年は勝負の年」 

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 いまやすっかり「坂バカ俳優」の名が定着した猪野学さん。昨年10月に開催された世界一過酷なヒルクライム「台湾KOMチャレンジ2018」を完走し、その名実を確たるものにした。実は昨年の初めに痛めた腰が原因で、記録が伸び悩むどころか、かつての自己記録にも及ばないシーズンを過ごしていた。そんななかやっとの思いで腰痛を克服し、上り詰めたKOMのフィニッシュでようやく彼に光明が差し込んだ。そのとき猪野さんは思った。「やればできる」─と。「46歳、頭打ち」と言い訳しがちな弱さを脱ぎ捨て、久しぶりに『Cyclist』編集部に現れた猪野さんは神妙な面持ちで、「今年を勝負の年にする」と覚悟を語った。

見事、台湾KOMの完走を果たした猪野学さん。しかし、何やら神妙な顔つきで『Cyclist』編集部を訪れた Photo: Shusaku MATSUO

◇         ◇

長く暗いトンネルのようだった昨シーズン

─まずは「台湾KOMチャレンジ」完走、おつかれさまでした!

猪野 ありがとうございます! 完走しましたよ~。昨シーズンは腰痛に悩まされ続けて、大会当日の2週間前に伊豆で森本誠“師匠”と練習したときも腰が痛くなったりして不安の中の挑戦でしたが、プロの方に腰痛を防ぐ乗り方を教えてもらったりしながら、なんとか走ることができました。順位もそこそこ良かったんで嬉しいです。

─何位だったんですか?

猪野:21位です。

─え、すごい! 出場者数って確か700人くらいでしたよね。

猪野:そう、わりと良かったんです(笑)。5時間切りが目標だったんですが、結果4時間39分だったんで大幅に目標タイムを上回ることができました。去年は良いことが1つもなかったけれど、最後の最後に光が射しました(笑)。本当に、KOMがダメだったら暗い正月になるところでした。なんとか首の皮一枚で次につながったという感じでした。

「長く暗いトンネルをようやくくぐり抜けました」と安堵の表情を浮かべる猪野さん Photo: Shusaku MATSUO

 KOMが終わった直後は、しばらく坂を見たくないくらい心身にダメージを受けていたんですけど、やっとここ最近、もう一回(KOMに)出ても良いかなと思えるくらい心身ともに回復してきました。ペース配分がわかったので、次回出場したら前回より早く走れる気はしますね。今回はだいぶビビりながら走っていたんで、次回はもう少し攻めれるかなと思います。

─フィニッシュ直後に涙を流されていましたが、あの涙の理由は?

猪野:自分でもよくわからないですけど、安堵感でしょうかね。番組の撮影、しかも今回は『チャリダー☆』だけでなくNHKの年末特番もあったので、ものすごいプレッシャーだったんです(苦笑)。これは大勝負だなと。完走はもちろん、そこそこ良い走りをしなければ番組としてもたない!と思っていたので、そのプレッシャーからの解放感もあったと思います。

台湾KOMフィニッシュ直後の猪野さん。さまざまな感情が爆発し、涙が溢れた 提供: テレコムスタッフ

 昨シーズンはずっと調子が悪かったこともあるんで、最後の最後に全力を出せたことの嬉し涙でもあったように思います。当時は“マイ坂”の「ふじあざみライン」(※)でも1時間切れなくなってたんです。以前はどんなに調子が悪くても軽く流して1時間切れていたのに、腰を痛めてからは1時間2分とかしか出せなくて相当ヘコんでいたんです。とにかく全然踏めなくて、追い込めないから心肺機能も上がってこないし、負の要素しかありませんでした。そういうスパイラルからも抜け出せたような気持ちでした。
(※富士山の須走ルート。関東屈指の激坂で知られる)

今年こそ自己ベストを

─世界一を冠するヒルクライムを経て、何か心境の変化はありましたか?

猪野:確実に自信にはつながりましたし、やればできるんだという手応えを感じました。なので、今年はやる! どこかで自己ベスト出す!と決めました。今年どこかで自己ベストが出なければ、ちょっと…レースに出るのを考えないといけないなと…。もう出るか出ないか。それくらい自分の中で覚悟を決めて挑戦しようと思っています。それで自己ベストを出せたら来年も続けようと。そういう意味で、今年は「節目の年」と決めました。

いつになく真剣な眼差しの猪野さん。これは本気だ Photo: Shusaku MATSUO

─昨年はまったく自己ベストは出せず?

猪野:一つも出せてないんですよ…(ため息)。去年は筋トレが原因で腰痛になっちゃったんで、今年はもう筋トレを封印します。もう一生やりません(笑)。まあ、自分のやり方が悪かったんだと思いますが…。とにかくいまはもう心肺機能を高めることを重視して、冬の間からいじめてます。そうしたら、ここに来てちょっと調子が上がり出したんですよ。このままうまく追い込めれば、今シーズンは間違いなく自己ベストを出せると思います。

課題の1つは「しっかりリカバー」

─なるほど。では、いま感じている課題は何ですか?

猪野:心肺機能は調子良くなってきたんですけど、KOM以降ヒルクライムを本格的にやってないんで、いまスタミナがどれだけあるのかが不安です。あとは筋持久力ですね。ただ、年齢を重ねると心肺よりも筋肉の方が落ちやすいという話を聞いたもあるので…。

─残酷ですね。

「年齢は残酷っすよ~」と苦笑 Photo: Shusaku MATSUO

猪野:ええ…(苦笑)。なので踏んで上るよりは高ケイデンスで上れる心肺機能をつけた方が良いと言われました。僕もなんだかんだ46歳ですからね。いや、でもやっぱりトルクをかけて上らないとつらいし、20km程度のヒルクライムではケイデンスだけでは勝負になりませんからね。筋持久力も諦めず、上げていきたいと思います。

─この冬はどんなトレーニングを?

猪野:いまは週2回、高負荷で最大心拍まで追い込むインターバルトレーニングをやっています。以前、「RoppongiExpress」の高岡亮寛さんに習った「追い込んだら2日間レスト」を実践しています。

 以前、20秒踏んで10秒休むというインターバルを何度も繰り返すトレーニングをしいたとき、毎回すごく具合が悪くなっていたんですが、“高岡メソッド”のリカバーを取り入れてからはとても毎回のトレーニングが調子が良いんです。以前は「とにかく追い込まなくちゃ!」と思っていましたが、いまはリカバーって本当に重要だと実感してます。だから今年の課題の1つは「ちゃんと休む」ことだと思っています。

“食事戦術”を見直したい

─リカバーには食事による栄養も欠かせないと思いますが、ヒルクライマーってとにかく軽量化に執着して食事量を減らしますよね。

猪野:それ、僕も気になっているんですよね。普段から摂取カロリーは気をつけて、レース2週間前からはさらに食事量を減らして体重を落としようにしています。KOMのときも53~54kgくらいまで落として、台湾入りしてもしばらく野菜ばかり食べてました。大会前にはパスタ2皿とエネルギーを長持ちさせる「アミノバイタル パーフェクトエネルギー」を摂って、それでパワー的には全く問題なかったんですけど、減量ばかり気にしているとトレーニング効果と回復の効率が悪そうですよね。

 それはいま我々の間でも話題にもなっていて、ストイックに減量ばかり気にするのではなくて、日々の食事で回復も重視しながらトレーニングすべきなのか、「ヒルクライマーのための食問題」についても答えを探りたいと思っています。筋肉を落とさず、かつしっかりリカバーしながら減量する方法。いまのままだとストイックなボクサーみたいになっちゃいますから。

猪野さん愛用の「アミノバイタル アミノプロテイン」。シェイカー不要で場所を問わずに摂れるので実にサイクリスト向き! Photo: Kenta SAWANO

 でも、以前に味の素さんから教えていただいた「アミノバイタル アミノプロテイン」をずっと使い続けているんですが、あれは牛乳なしですぐ飲めるし、不要な脂肪分をとらなくて済むのですごく重宝しています。糖質が枯渇している状態だとエネルギー源として筋肉中のアミノ酸が使われるそうですけど、「アミノプロテイン」を飲むことで「アミノ酸は失われていない!」という安心感がありました。

─もし、結果が出せなかったら…?

猪野:自転車やめるのか…って?(苦笑)。そうなったら、うーん…こんな宣言しておきながら変装とかしてこっそり出てるかもしれません(笑)。まあ、どこまで伸びしろがあるかわかりませんけど、とにかく今年は心臓を大きくします!

決戦の地は、やはり乗鞍

─結果を出すステージとして狙うのはやはりマウンテンサイクリングin乗鞍(以下、乗鞍)ですか?

猪野:そうですね。やっぱり全国の名だたるヒルクライマーが集まる年に一度の“坂バカ甲子園”ですから。

─前々回の大会で出した自己新記録は4分更新の1時間12分でしたね。

2年前の乗鞍。自己記録は更新したものの、ゴール直前の踏むところで踏めず、筋持久力の無さを痛感 Photo: Kyoko GOTO

猪野:はい、1時間12分36秒です。その年はわりと調子良かった方でしたね。そこまでもけっこう乗れてましたし。でも、乗鞍って8月末開催で暑いんですよね! 僕、とにかく暑さに弱いんです。ずっと冬からローラーとかやっていて、残念なことに毎年5、6月にピークを迎えちゃって(苦笑)、そこから暑くなってくると徐々に調子が下がり出すんです。この“鬼門”の夏場をどう乗り越えたら良いのか…。皆さんは早起きして、涼しい早朝のうちに乗るとか練習時間を工夫されているようですけどね…。

─そこは定期的に練習時間がとれない猪野さんの悩みですよね。

猪野:そうなんですよ。ドラマの撮影などが入るとスケジュールが読めないんでね…。

─俳優業を休業するとか?

猪野:いやいやいや、そんなことしたら飯食えなくなるんで!(笑)。最優先はそこ(俳優)ですから(汗)。誤解されがちですけど、僕「坂バカ“俳優”」ですから。まあ確かに最近は「俳優坂バカ」にした方が良いのかもしれないけど…(苦笑)。

夢はどこかで「10位以内」

─ずばり、今シーズンの目標を一言で表すと?

猪野:夢は…何らかのヒルクライムで10位以内です!

─あれ?表彰台じゃないんですか?

猪野:もうね、表彰台とか言ってられません。「表彰台にノルノル詐欺」っていわれちゃうんで(苦笑)。なので「夢」です。そんなふうに公言するのも今年が最後だと思ってます。

「富士山国際ヒルクライムなら10位以内には入れるかな」と夢を語る猪野さん Photo: Shusaku MATSUO

 でも「富士山国際ヒルクライム」だったら…、56分くらいでフィニッシュできたらシングル(10位以内)は行けそうなんですよねぇ。それでも自己ベストを2分くらい更新しなきゃならないんで、せめてそこまでのレベルには持っていけたらいいなと思ってます。

─なんだかやる気に溢れていますね。

猪野:はい、今年はやるって決めたんです。やる! だからもう、事務所にも長期の地方ロケとかはちょっと…決める前に相談してくださいと…(近くにいるマネージャーさんをチラ見)。突然スケジュールが変わってしまうと、せっかくそれまでトレーニングで作ってきたリズムが崩れちゃって、「今までの苦労は何だったんだ~!」って本気で凹むんで。いや、行かないとは言ってませんよ(再びチラ見)。相談だけさせてくださいってことです。そしたら、長期ロケの間のトレーニング方法とか前もって考えるんで!(本気)

─そのやる気、よくわかりました。猪野さんの課題解決を全4回の連『強さを仕上げるアミノバイタル』で全力バックアップさせてもらいます。乗鞍での自己記録更新に向けて、がんばりましょう!

猪野:ありがとうございます、がんばります! 待ってろ~乗鞍!

全身にやる気を漲らせる猪野学さん。「待ってろ乗鞍!!」※この日も自走で来社 Photo: Shusaku MATSUO

<つづく>

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