注目製品をピックアップ新製品が続々登場の「FUKAYAサイクルフェア2019」 エディ・メルクスのハイエンドも参考出品
自転車や自転車関連製品の製造、輸入、卸を手がけるフカヤが1月30日、同社の取り扱いブランドの製品を一堂に集めた展示会「FUKAYAサイクルフェア2019」を名古屋市で開催した。同社が長年扱っているブランドの新製品に加え、新たに取り扱いを始めるブランドのブースも登場。その中から注目の製品をピックアップして紹介する。(リポート・浅野真則)
エディ・メルクスはAG2Rのメインバイクが中心

フカヤはエディ・メルクスの日本代理店を長年務めており、今年もニューモデルを中心に多くの車種が展示されていた。展示ブース正面の“一等地”には、UCIワールドツアーの有力チームAG2Rラモンディアルのメインバイクにしてエディ・メルクスの2019モデルのハイエンド「EM525」が参考出品された。展示されていたのはディスクブレーキ仕様だったが、国内で展開されるのはリムブレーキ仕様のみ。発売は今夏の予定だ。
2019年はスチールフレームを採用したロードバイクのニューモデル「ストラーダ」も新登場する。細身のフレームに古いタイプのエディ・メルクスロゴをあしらったクラシカルなルックスながら、テーパードヘッドとカーボンフォークを採用した走りも楽しめる1台だ。こちらも今夏発売予定。
もうひとつの2019ニューモデルは、アルミフレームのロードバイク「ブロックハウス67」。フレーム単体で1190gという軽さを誇りながら、フレームセット価格12万5000円という手の届きやすい価格を実現。自転車に潤沢に予算をかけられない学生ライダーや、トレーニングからレースまでラフに使えるセカンドバイクとしても需要がありそうだ。
オリジナルブランドのe-BIKEも新登場
スイスの景勝地の名前を冠したダボスは、クラシカルなツーリングバイクを中心にラインナップするフカヤのオリジナルブランド。同ブランドの注目モデルは、シマノの電動アシストユニット・ステップスを搭載したクロモリフレームのe-BIKE「E-600」だ。
ダウンチューブにバッテリー、BB付近に電動アシストユニットを搭載。一度の充電でエコモードで約140km、アシスト最大のハイモードでも約95km走行可能だ。ブレーキは油圧式ディスクブレーキを採用し、雨天時や下り坂でも軽いレバーの引きで安定した制動力を発揮する。
トップチューブにはボトルケージなどを取り付けるための台座、フォークやシートステーにもサイドバッグやキャリアを取り付けるための台座も設けられており、ツーリングバイクとしての発展性も高い。




フカヤのもうひとつのオリジナルブランド、ギザロでは、クロモリフレームの「ギザロ306」に注目だ。フレーム単体価格で6万3000円というお値打ちプライスで、最小のXSサイズは身長150センチ台の小柄なサイクリストにも対応する。
日本の住宅事情を考えたミノウラの新型トレーナー
メイドインジャパンのサイクルトレーナーでおなじみのミノウラからは、日本の住宅事情を考慮し、静粛性を追求したスマートトレーナーと3本ローラーの新製品がお目見えした。
スマートトレーナーは「神楽DD LSD9200」。静粛性に優れたダイレクトドライブ方式を採用し、脚部に免震ゴムを採用することで、圧倒的な静粛性を実現。±1%の誤差でのパワー計測も可能で、ズイフトなどのバーチャルサイクリングと連携することでパワーメーターを持っていなくてもインドアでパワートレーニングが可能だ。担当の田中啓一さんは「10kgのフライホイールを搭載し、走り出しから加速、巡航、空走時まで自然な走行感を実現しました」という。


3本ローラーも静粛性を追求した最新モデル「アブソーブロールR820A」を展示していた。英語で「吸収する」という意味をもつ「アブソーブ」をモデル名に冠するように、免震ゴムをローラー部と台座の接合部と脚部に設置することで、振動を吸収し、共振を減らす工夫がなされている。さらにローラー部も黒く塗装してあえて微小な凹凸加工を施すことで、タイヤを滑りにくくし、スキール音を発生しにくくしているという。


スパカズからはウェアが参考出品
和柄の麻の葉模様を思わせる幾何学模様をモチーフにし、ネオンカラーを中心に豊富なカラーバリエーションのバーテープをラインナップするアメリカンブランドのスパカズ。フカヤでは今シーズンから同ブランドの取り扱いを始める。
同ブランドからは新登場の「スパGグローブ」が展示されていた。ショート(指切り)とロング(フルフィンガー)の2種類あり、MとLの2サイズ展開。カラーはいずれも10色展開で、バーテープでもおなじみのネオンカラーのほか、見る角度によって色目が変わる油膜を思わせるオイルスリックなど、他のブランドにはない豊富で個性的なカラーバリエーションが魅力だ。いずれも今春発売予定。


スパカズブースではサイクルウェアも参考出品されていた。本社の担当者によると、今のところ日本での発売は未定とのことだが、「お客様の反応次第では日本での販売も考えたい」とのことだった。
ヘルメットはシールド対応モデル充実のカブトとキャットライクに注目

国内外のさまざまなブランドを取り扱うフカヤでは、同じジャンルの製品でも複数のブランドが取り扱われている。ヘルメットもそのひとつで、カブトやキャットライクなどが新製品を展示。各ブランドの個性が光っていた。
日本ブランドのカブトは「エアロR1」で好評だったシールド(風防)対応モデルを拡大。通気性をさらに高めたエアロヘルメット「エアロV1」や、お手ごろ価格を実現した「ヴィット」を出品した。担当者は「シールドは空力性能を追求するシリアスライダーだけでなく、メガネを愛用するサイクリストやアイウェアのノーズパッドでメイクが崩れることを気にする女性サイクリストにも好評をいただいています。ラインナップの充実で、より多くの方にシールド対応モデルを選んでいただきやすくなりました」と話す。


一方、スペインブランドのキャットライクは、同じエアロタイプのヘルメットでもシェルを交換することで空力重視にも通気性重視にもセッティング可能な「クラウド352」が注目を集めていた。
バイクツーリング向けのバッグもバリエーション豊富に
バイクツーリングやグラベルロード人気の高まりなどを受け、ツーリング向けのバッグが充実しているのも印象的だった。中でも勢いを感じたのは、カラフルなバイシクルバッグをバリエーション豊富に展開するチェコのエースパックと、悪路でも背中で安定しやすいハイドレーションバッグに定評のあるスウェーデンのユースウィーだった。


定番ブランドも新製品や新色充実
このほか、イタリアの老舗サイクリングブランド・シディではワイドモデルもラインナップするハイミドルモデル「エルゴ5」を始め、ニューモデルや新色を展示。ロードチューブレスの先駆けとしておなじみのIRCからは、グラベルロード向けのチューブレスレディタイヤ「ボーケン」が出品された。
今回紹介しきれなかったブランド・製品にも魅力的な製品があった。気になる方はフカヤのウェブサイトやフェイスブックなどをチェックしてみては。