旬を楽しむ季節限定の自転車旅”柑橘&自転車王国”愛媛を一度に満喫! 「オレンジサイクリングラリー」2月23日からスタート

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 “サイクリストの聖地”しまなみ海道をはじめ、ブルーラインが整備されたサイクリングルートでサイクリストから人気の愛媛県。その愛媛のもう一つの魅力といえば、豊富な柑橘類だ。今年も2月23日から約1カ月間に渡り、旬の柑橘を巡るスタンプラリー「えひめオレンジサイクリングラリー」が開催される。穏やかな海を眺めながらの快適サイクリングと、驚くほどに品種の多い柑橘類。愛媛の魅力をぎゅっと濃縮した自転車旅の様子を『Cyclist』編集部がリポートします。

圧巻の「柑橘王国」愛媛。名前も聞いたことがない品種がたくさん!(撮影場所:きなはいや吉田) Ⓒ愛媛県

自転車を使った新スタイルのみかん狩り

 「えひめオレンジサイクリングラリー」は、愛媛県各地の31カ所以上に設けられた“柑橘スポット”を巡るスタンプラリー。旬を迎えた品種の柑橘がどっさりと並ぶ道の駅や柑橘メニューが豊富な飲食店、柑橘狩りができる農園などがスポットとなっている。そこで柑橘類や柑橘製品を堪能しながらスタンプを集め、最終的に集めたスタンプの数に応じて総額30万円相当の商品が、抽選で約150人に当たるプレゼントキャンペーンに応募できる。

スタンプシートになっているオレンジサイクリングラリーのマップ。応募用紙にもなっている Photo: Kyoko GOTO

 賞品は特賞のほかに1~4等まで用意されており、なかでも注目の特賞は「みかんの木オーナー権」。温州みかんの木を遠隔栽培する権利で、収穫された温州みかんはもちろん、ジュースをもらったり、“マイみかんの木”で収穫体験もできたりと、けっこう太っ腹な企画なのだ。今回のラリーの参加期間は2月23日(土)~3月23日(土)まで。柑橘によって旬は異なるが、とくに多くの柑橘が旬を迎えるのがこの時期なのだそう。

両シーズンの合計で最も多くのスポットを巡った人の中から抽選で「マイヨえひめ」オリジナルジャージプレゼント! Ⓒ愛媛県
「Wチャンス&SNSキャンペーン」で100人に当たる「みかんのベル」 Ⓒ愛媛県
スタンプポイントには収穫体験ができる農園も Ⓒ愛媛県

 ラリーへの参加は無料。おすすめサイクリングルートは①ゆめしま海道しまなみ海道サイクリングロード今治・道後はまかぜ海道伊予灘・佐多岬せとかぜ海道宇和海しおさいオレンジ輪道宇和島・四万十だんだん街道、そして今シーズンから新たに加わった忽那(くつな)愛ランド海の道コースの7コース。どのポイントをどのルートでまわるかは参加者の自由で、たくさんのチェックポイントをまわって豪華賞品を目指したり、サイクリングをメインにして寄り道しながらスタンプを集たり、楽しみ方も自由だ。

愛媛の旅は松山空港から

今回の旅をエスコートしてくれる毛山明穂さん。愛媛空港の到着ゲートで待っている間に「Orange BAR」の蛇口をひねってみかんジュースを一口。スタンプシートはオレンジバーでゲットできる Ⓒ愛媛県

 そんな素敵なオレンジサイクリングをいち早く体験すべく、『Cyclist』編集部イチの柑橘好き記者、後藤恭子が参戦。愛媛を地元とするプロマウンテンバイク選手・門田基志さんと、愛媛県の自転車新文化推進課に勤務する毛山明穂さんのエスコートで案内してもらった。

 到着ゲートで出迎えてくれた毛山さんの手には早くもオレンジジュースが。そう、ここ松山空港には都市伝説といわれているあの「みかんジュースの蛇口」がある。愛媛県の家庭には一家に一つ、この蛇口があるとかないとか…。細かいことはさておき、ここも早速スタンプポイント。到着したらまずここでスタンプを押すのを忘れずに!

空港内にある、お遍路さんとサイクリスト用に用意された更衣室で着替えも完了 Ⓒ愛媛県

 松山空港には、お遍路さんとサイクリストのために用意された更衣室が設置されている。そこでジャージに着替え、サイクリストに変身。そして不要な航空輪行袋はインフォメーションセンターにもっていくと無料で預かってもらえるという、なんともありがたいサービスも充実。必要な荷物を取り出したら、不要な荷物は空港のロッカーへ。何度来ても、サイクリストの動線が考えられた松山空港のサービスは感動する。

 準備が整ったところで早速出発! 空港を出ると真っ青な空が広がる“柑橘日和”。初日に巡る「忽那愛ランド海の道コース」に向けて、空港から8km離れた高浜港へと走り出した。

柑橘日和!毛山さんと地元のプロMTB選手の門田基志さんのエスコートで愛媛空港を出発 Ⓒ愛媛県

“みかんの島”興居島へ

 「忽那愛ランド海の道コース」は松山市の高浜港から船で約10分のところにある興居島(ごごしま)と松山市沖合に位置する忽那諸島最大の島、中島を一周するコース。島々に囲まれた雄大な地形の美しさと瀬戸内ならではの景観と味が楽しめるルートだ。

松山市と興居島の位置関係 Ⓒ愛媛県
スタンプラリー初登場の興居島。距離は一周21.6km。迂回路などを使って上手に楽しもう Ⓒ愛媛県

 スタンプポイントが設けられている興居島に向けてフェリーに乗船する。バスなどと同じ公共交通機関として船が頻繁に往来し、地元住民の“足”となっている様子は瀬戸内ならではの光景。案内してくれた2人には日常の風景かもしれないが、よそ者の筆者には「あぁ、愛媛に来たんだな」と感じる瞬間でもある。

高浜港から興居島行きフェリー「あいらんど」に乗船。料金は大人240円。自転車は130円でフェリーに載せられる Ⓒ愛媛県

 穏やかで青い海を眺めながら船に揺られるのも束の間。わずか10分ほどで興居島に到着。 愛媛の中でも最高品質のみかんの産地とされる島で、海からそそり立つ急斜面に柑橘類の樹木が立ち並ぶ様は、別名「みかんの島」とも呼ばれている。

廃校となった小学校をカフェとして再利用した「しまのテーブル ごごしま」 Ⓒ愛媛県

 まず1つめのスタンプポイント、「しまのテーブル ごごしま」へ。廃校となった小学校の1階部分を再利用したカフェだ。島内産の柑橘類や無農薬野菜、海産物や牛乳など、新鮮な地元食材を使った創作料理を楽しむことができる。

 店内は小学校の教室の雰囲気を上手に残しつつ、おしゃれな雰囲気が漂う。最後の卒業生たちが描いた絵がそのまま黒板に残っていたり、顕微鏡などの教材がインテリアとして飾られている空間に、かつてホテルのシェフを勤めていたというオーナー手作りの本格カレーが運ばれてくるギャップが新鮮。教室の窓から差し込む優しい光に、タイムスリップしたような不思議な時の流れを感じるひとときだ。

人気のランチメニューは地元の素材を使ったスパイシーな特製カレー Ⓒ愛媛県
地元の柑橘を使った「ごごしまみかんジュース」(写真奥)といよかんの苦味が利いた「ごごしまにがいよジュース Ⓒ愛媛県
大事なスタンプも忘れずに Ⓒ愛媛県

 のんびりしすぎてスタンプを押すのをお忘れなく。ちなみにスタンプを獲得する方法は応募用紙とスマホアプリ「いまどこ+」を使う2通りの方法から選べる。アプリを使う場合、スタンプポイントの半径200m以内に入ればアプリ内でスタンプを自動的に獲得できる仕組みになっている。もちろんプレゼントの応募も、郵送・オンラインそれぞれの方法で行うことができる。

走る先々に柑橘の樹木が広がる、さすがのみかん島。走行中も落石ならぬ”落ミカン”に注意して Ⓒ愛媛県

 おなかを満たしたところで島をサイクリング。距離は一周21.6km。コース上には信号がないが、島特有のアップダウンを繰り返すちょっぴりハードなコース。海からそそり立つ急斜面を利用して至るところに柑橘の樹木が植えられており、目の高さにすずなりのみかん、そして道路上には石以上にみかんがたくさん転がっているのは興居島ならではの光景だ。

 「島一番の絶景ポイント」といわれる「恋人峠」への道には、ルートを示す愛媛おなじみのピクトグラム(ブルーライン)が引かれていた。映画やTVのロケ地としても有名な観光名所だそうで、天気に恵まれた当日は愛媛の西端に位置する佐田岬を含む絶景を一望することができた。

「島一番の絶景ポイント」といわれている「恋人峠」。なぜ恋人なのか、なぜ峠なのか。疑問を抱きつつ絶景に心奪われる Ⓒ愛媛県

柑橘の種類にカルチャーショック!

 次に訪れたスポットは、海沿いでみかん農園を営む田村農園。いよいよ今回の目的である柑橘類とご対面だ。

海沿いで農園を営む田村農園さんでは、旬を迎えた様々な柑橘の食べ比べができる Ⓒ愛媛県

 ご主人の田村博文さんの説明を受けながら続々と登場するさまざまな柑橘類。わかるのは温州みかんや伊予柑、ポンカンぐらいで、「ハレヒメ」「文旦」「セトカ」「紅まどんな」「甘平」等々聞いたことない品種がたくさん。見た目はほぼ同じだが、味も酸味が強いもの、甘みが贅沢なものなど、驚くほどのバリエーションに富んでいた。なるほど、「みかん」と一括りにしていたら地元の人に「みかんやない、ハレヒメや!」と注意されるわけだ。

 この他に柑橘ジュースやジャム、柑橘を使ったピザ、ミカンもち、ゼリーといった加工品や、伊予柑の皮を使った佃煮がついた蛸飯のおにぎりプレートなども味わうことができる。気に入った柑橘を農園から直接自宅へ発送できるのも嬉しい。

東京では食べたことない品種を堪能。見た目は似ていても酸味、甘さがそれぞれ違って驚きの連発 Ⓒ愛媛県
果実以外にもジュースや、柑橘類を使ったピザなども堪能できる Ⓒ愛媛県

 柑橘と島サイクリングを満喫したら、再びフェリーで高浜港へ。フェリー乗り場の向かいにある伊予鉄道の高浜駅から乗車し、今晩の宿がある松山市の中心市街へと向かう。

サイクルトレインは週末のみの運行で、280円の持ち込み料金を支払えば、定められたスペースに輪行せずに自転車を載せることができる Ⓒ愛媛県

 松山の中心市街と各地をつなぐ伊予鉄道は、土日祝日のみサイクルトレインとして利用できる。積載可能な台数は1列車につき先着10台まで。車両内の決められた「自転車持ち込みスペース」を使用するルールはあるが、乗車券に自転車持込料(280円)を支払えば、輪行袋に収納せずそのままの状態で載せられる。走りたいエリアだけ走り、疲れたら帰途は電車を利用するなど走力に応じて移動手段を選ぶことができる。

トップオブ柑橘王国の宇和島へ

 オレンジサイクリング2日目の目的地は、「南予」(なんよ)と呼ばれる愛媛の南部に位置する宇和島エリア。「かんきつ王国」愛媛の中でも、高い出荷量を誇る吉田町へと向かう。

2日目は、宇和島サイクリング。愛媛県内でも屈指の柑橘エリア Ⓒ愛媛県
松山駅から宇和島まで特急「宇和海」を利用 Ⓒ愛媛県

 宇和島まではJR四国の特急「宇和海」を利用。この特急列車にはなんと、輪行不要な「サイクルルーム」が備え付けられている。サイクルルームに積載できるのは1列車に2台まで。利用区間はJR予讃線の松山駅~宇和島駅間で、自転車の積み降ろしは松山駅と宇和島駅の2駅に限定している。「みどりの窓口」で乗車券を購入する際に「サイクル宇和海利用券」(無料)を発券すれば利用できる。

1列車あたり自転車2台まで利用可能。輪行の手間がないのは本当にありがたい Ⓒ愛媛県
デッキに設けられている駐輪専用スペース。自転車を立てた状態で収納する Ⓒ愛媛県

 JR宇和島駅に到着すると、出迎えてくれたのは「ノッてる!ガールズEHIME」、大川由生子(ゆいこ)さん。宇和島在住で地元を知り尽くした大川さんのエスコートでオレンジサイクリング2日目がスタートした。

JR宇和島駅で下車し、そのままラクラク出発! Ⓒ愛媛県

 宇和島に到着したのは11時半。「まずは腹ごしらえでしょ!」という大川さんの案内で訪れたのは「道の駅みなとオアシスうわじま きさいや広場」。宇和島の特産品が集まった場所で、グルメやショッピングを気軽に楽しむことができる。女子3人がチョイスしたのは、地元の言葉で「すごい」を意味する「がいな」刺し身丼。地元でとれた刺し身が贅沢に乗った贅沢な丼だ。もちろん、ご当地名物の鯛やブリを使った丼や郷土料理の太刀魚の焼き巻きが乗った丼などもあって、つい目移りしてしまう。

「道の駅みなとオアシスうわじま きさいや広場」のイチオシ「がいな刺身丼」。「がいな」とは方言で「すごい」の意味 Ⓒ愛媛県
きさいや広場でスタンプをゲットする「ノッてるガールズ愛媛」の大川由生子さん Ⓒ愛媛県

知って味わう柑橘文化

 ランチを楽しんだあとは青い宇和海を横目に快適なサイクリング。11kmほど北上し、生産者グループ「南四国ファーム」が運営するミカン園「きなはいや吉田」へと向かう。

すぐそばに穏やかな宇和海が広がる。この海との距離が愛媛ライド Ⓒ愛媛県

 「きなはいや」とは地元の言葉で「おいでよ」の意味。その言葉に誘われるように足を踏み入れると、そこには見たことのない種類の柑橘類が山のように積まれていた。

地元で採れた色々な種類の柑橘がずらりと並ぶ「きなはいや吉田」 Ⓒ愛媛県

 南四国ファームの代表者、清家久万夫さんの話によると、吉田町は「愛媛みかん発祥の地」といわれ、みかん栽培には200年以上の歴史がある。名称というより研究名のような「南柑20号」という名をつけられた温州みかん。サンプルのようなその名のとおり、研究を重ねて商品化されたみかんの1つだそうで、清家さんはその研究の歴史についても丁寧に話をしてくれた。

吉田町の柑橘の歴史について教えてくれた、代表の清家久万夫さん Ⓒ愛媛県
好きな柑橘の話で盛り上がる大川さんと毛山さん。さすが、柑橘に詳しい! Ⓒ愛媛県

 丘の上までヒルクライムすると一面に広がる柑橘畑が見えてきた。すずなりに実をつけていたのは河内晩柑(かわちばんかん)。まるでグレープフルーツを一回り小さくし、洋梨のような形をした柑橘だ。その場で皮を剥き、頬張ると甘酸っぱさが口いっぱいに広がった。「門外不出」というわけではないが、ここでしか味わえない味、旅をして初めて出会う味はその美味しさも格別だ。

果物以外の柑橘アイテムも

 サイクリングを終えてJR宇和島駅へと戻ると、大川さんおすすめの「おみやげ屋さん」に案内してくれた。紹介してくれたのは「Aromahouse Leaf」。独自に配合したアロマオイルや柑橘を使った石鹸、ハンドクリームなどを扱うアロマセラピーショップで、店内には柑橘の爽やかな香りが漂っていた。

宇和島駅前にある「Aromahouse Leaf」。どれにしようか目移りしてしまう Ⓒ愛媛県
地元の柑橘を使ったおみやげ。ここでしか買えない人気の観光列車「伊予灘ものがたり」をイメージしたアロマオイルなども Photo: Kyoko GOTO

 柑橘を味わうだけでなく、香りや身に付けるものとして楽しめるお土産は女性には嬉しいおみやげ。サイズも小ぶりなので、思い出をおすそ分けしたい友人や家族へのお土産にもちょうど良い。

買い物に気をとられて、スタンプを押すのを忘れずに Ⓒ愛媛県

 ここがこの旅で最後のスタンプポイント。集まったスタンプは全部で4つ。あと1つ集めたら5ポイントでB賞の「果汁100%柑橘ジュース」に応募できたな~と後ろ髪を引かれつつ、3ポイントで応募できるC賞「4000円相当柑橘ソムリエセレクト 旬の柑橘詰め合わせセット」も良さそうだなーとにんまり。

 いずれにせよ、柑橘で膨らんだおなかに大満足。この柑橘文化を自転車で堪能できる「柑橘&自転車王国」愛媛ならではの旅。旬を楽しむ季節限定の自転車旅に出かけてみてはいかがだろう。


 

えひめオレンジサイクリングラリー 2nd season 2019

オレンジサイクリングラリーを案内してくれた地元の皆さん。お気に入りの柑橘をもって「オレンジめがね」!

期間:2月23日(土)~3月23日(土)
参加費:無料
景品:特別賞(10pt)「みかんの木オーナー権」1名/A賞(6pt)「絶品柑橘玉手箱」2名/B賞(5pt)「果汁100%柑橘ジュース」3人/C賞(3pt)「旬の柑橘詰め合わせセット」4名/D賞(2pt)「柑橘ジュースセット」20名
応募方法:応募券付リーフレット、もしくはアプリから(※2月23日配信開始)

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