バイクインプレッション2019さらなるエアロ性能を追求したフラッグシップエアロロード サーヴェロ「S5」

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 サーヴェロのフラッグシップエアロロード「S5」がフルモデルチェンジを果たした。特徴的なハンドルや、ディスクブレーキの採用によってもたらされるフォルムは空気抵抗の削減と剛性を両立。今回はアルテグラ組の完成車をインプレッションした。

サーヴェロのフラッグシップエアロロード「S5」 Photo: Masami SATOU
空気抵抗を極限まで削減したデザイン Photo: Masami SATOU

 サーヴェロのエアロロード「S」シリーズの頂点に立つS5は前代のイメージを刷新し、エアロダイナミクスをさらに向上したデザインとなった。最も目を引くコックピット周りは、前面からの風抜けを考慮し、二股に分かれたY字ステムを採用。接続するハンドルは3段階で角度調節が可能なほか、ステムの高さも5mm刻みで30mmまで調整ができるアジャスタブルな仕様となった。変換アダプターを使用することでノーマルのステムやハンドルの使用もできる。

 ハンドル形状が変わったことで、ワイヤーのルーティングも変更された。前作ではハンドルから飛び出したワイヤーケーブルがトップチューブへと外装されていたが、今作では全てハンドルとステム内部を通り、より空気抵抗を軽減させることに成功。前方へせり出したフロントフォークは、ヘッドチューブ内でハンドルを切る動作にあわせてワイヤーごと動くシステムを採用し、ハンドリングやワイヤーの引きの軽さを阻害しない構造となっている。

ハンドルは空気の抜けを狙った特徴的なY字設計 Photo: Masami SATOU
リアホイールとシートチューブが近づけられた「シートチューブ・カットアウト」を採用 Photo: Masami SATOU

 シートチューブとリアホイールを近づける「シートチューブ・カットアウト」を採用して前作を踏襲しつつ、ダウンチューブの位置も下げられてフロントホイールへと接近。また、エアロダイナミクス向上だけでなく、ボトムブラケット剛性で25%、ヘッドチューブの捻じれ剛性で13%向上させた。

この加速を続けるために鍛えたい

 見た目のインパクトにそぐわず、踏み込みのダイレクトさと巡航性能に重きを置いたトラックバイクのような性能だった。まず驚いたのはハンドリングとシフトの軽さ。複雑なワイヤールーティングでは機械式変速のシフティングが重くなりがちだが、前述のフロントフォーク内部の構造が効いており影響は感じない。コックピット周りだけでなく、直線的なBBガイドなどがフリクションロスを少なくしてくれているのも関係しているだろう。この手のフレームにしては無類のストレスの無さであった。

トラックバイクのように硬派だが、扱いやすい一面をみせた Photo: Masami SATOU

 剛性はとにかく高い。ハンドルは縦方向にしなりがちな扁平形状だが、支点が2点で幅広いこともあり、横にも縦にもびくともせず。BB付近もガチガチだ。ただ、重心がとても低く設計されており、スプリントでも車体を振りやすく、“踏み切れない”という感覚は希薄。トップスピード域では抜群のエアロダイナミクスを生かして維持する時間は長く感じる。筆者が普段スプリントを試す区間では、弱向かい風でありながら過去最高速を記録した。

 しかしながら、そのキレの良い加速を維持するには“脚”が必要であり、いつまでも踏み続けられるわけではない。S5の硬質な乗り味に耐えうる上級レーサーレベルの体力は必要だ。直進安定性も優れており、ハンドリングなどのスタビリティも高いので、TTバイクのようなシビアなコントロールを要求されることはない。バイクの性能を100%生かすにはトレーニング次第といったところだろうか。

 今回の完成車の構成だと、ペアで1821gのアルミホイールが履かれていたので、もう少し軽いカーボンホイールに変えるとマイルドな印象になるかもしれない。リムハイトが高くなれば巡航性能もさらに高くなるのか…S5の上位モデルも試してみたくなった。

サーヴェロ「S5」
税抜価格:790,000円(R8020アルテグラ完成車)、590,000円(フレームセット)
サイズ:48、51、54、56

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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