シクロクロス世界選手権2019ベルギーのカントが世界選女子エリート3連覇 今井美穂は完走できず39位に

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 クロクロス2018-19シーズンの世界王者を決める、UCIシクロクロス世界選手権2019が2月2日、デンマーク・ボーゲンセで開幕した。初日は女子エリートレースが開催され、女子エリートはサンネ・カント(ベルギー)が3連覇を達成。今井美穂(CO2 BICYCLE)は同一周回完走を逃し39位に終わった。また、同日に行われた男子ジュニアはベン・トゥレット(イギリス)が2連覇、男子U23はトム・ピドコック(イギリス)が初優勝を飾った。

UCIシクロクロス世界選手権2019、女子エリートはサンネ・カント(ベルギー)が3連覇 Photo: YSP

オランダ勢の包囲網を打ち破ったカント

 ボーゲンセはデンマーク・フュン島の北部に位置する港町。今大会のコースも、海沿いに設置された。コースの大半が平坦区間となっており、長い直線区間も多い。一方で、自転車を降りないと上れないほどの激坂区間も多数登場。全体的にパワーが要求される難コースとなっていた。

 女子エリートレースが始まるタイミングで雨がちらついてきた。路面が湿り、キャンバー(斜面)区間がよりスリッピーとなる悪コンディションのなかレースがスタートした。

 ホールショットはマリアンヌ・フォス(オランダ)が獲った。アンネマリー・ヴォルスト(オランダ)、カント、エレン・ファンローイ(ベルギー)と、先頭付近はオランダ・ベルギー勢が占める展開に。

 フォスは一旦下がって、デニセ・ベッツェマ(オランダ)が先頭でペースアップ。ヴォルスト、カント、フォスと続き、4人が先頭集団を形成した。ルシンダ・ブランド(オランダ)はコーナーでスリップして落車。出遅れてしまっていた。

 オランダ勢としてはブランドを待つ意図があったのか、ペースを落とす場面も見られ、その隙にヨランダ・ネフ(スイス)と共にブランドも先頭に追いつき、先頭6人のうち4人をオランダ人が占める数的優位を築いた。しかし、フォスは自転車交換、ブランドはキャンバー区間で転倒して遅れ、自転車交換を強いられるなど、オランダ勢はなかなか数的優位を生かせる展開にはならず。

 4周目に入ると、ネフが先頭から脱落。カントはオランダ勢4人を背負いながら走っていた。5周目に入ると、カント、フォス、ヴォルストが自転車交換。ベッツェマが先頭で、カントが2番手、3〜5番手をフォス、ブランド、ヴォルストという展開が続いていた。

 すると、激坂区間でブランドが力強く自転車を担いで駆け上がって先頭に出て、そのままペースアップを継続。カントのみが食らいつき、2人は3番手以降を徐々に引き離していった。しかし、ブランドは2度目の自転車交換を迫られ、その際に自転車の受け渡しに失敗して転倒。痛いタイムロスとなった。

キャンバー区間で自転車を押して進むカント Photo: YSP

 先頭はカント、ベッツェマ、ヴォルストの3人となり、フォスとブランドが追っていた。オランダのダブルエースが遅れている隙をついて、カントが勝負を仕掛ける。加速してベッツェマ、ヴォルストを振り払って独走に持ち込んだのだ。

 フォスとブランドが2番手に浮上して先頭のカントを追うも、その差は徐々に広がりながら最終周回に突入。先頭カント、6秒差でブランド、フォスの順で通過した。

 しかしここで、フォスが3度目の自転車交換。追走集団から脱落し、ブランドは単独で先頭のカントを追った。じわじわと差を詰めていたものの、難所のキャンバー区間をスムーズにクリアしたカントに対して、ブランドはわずかにミスして失速。再びタイム差が広がり、万事休す。カントが独走のままフィニッシュラインに到達し、3度目のアルカンシエル(世界チャンピオンジャージ)を獲得した。

オランダ勢の包囲網をかわして虹色の世界チャンピオンジャージに袖を通したカント(中央) Photo: YSP

 2位のブランドは3度の転倒、2度の自転車交換、3位のフォスも3度の自転車交換によるタイムロスが大きく響く結果となった。

 今井は周回遅れとなり、出走40人中39位という結果だった。

女子エリート結果
1 サンネ・カント(ベルギー) 47分53秒
2 ルシンダ・ブランド(オランダ) +9秒
3 マリアンヌ・フォス(オランダ) +15秒
39 今井美穂(CO2 BICYCLE) 周回遅れ

男子ジュニアはトゥレットが2連覇

 女子エリートに先立って行われた男子ジュニアのレースは、昨年優勝のベン・トゥレット(イギリス)が2連覇を果たした。

 UCIランキング上位のベルギー勢がレースをコントロールするなか、3周目にキャンバー区間でウィツェ・メーウセン(ベルギー)、ライアン・コルティエンス(ベルギー)が遅れる隙に、トゥレットが独走状態に持ち込んだ。

 トゥレットは最後までペースが落ちず、そのまま逃げ切り勝利。見事に2度目のアルカンシェルを獲得した。

 日本勢では、鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス)が71人出走中65位で完走。小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM)と柳澤創(Team CHAINRING)は周回遅れとなり、世界との差を実感する結果となった。

男子ジュニア結果
1 ベン・トゥレット(イギリス) 42:29
2 ウィツェ・メーウセン(ベルギー) +20秒
3 ライアン・コルティエンス(ベルギー) +27秒
65 鈴木来人(伊那北高校/ボンシャンス) +5分57秒
67 小島大輝(SNEL CYCLOCROSS TEAM) 周回遅れ
68 柳澤創(Team CHAINRING) 周回遅れ

男子U23はピドコックが初優勝

 男子はU23もイギリス勢が圧倒。トム・ピドコック(イギリス)が、初優勝を飾った。

男子U23を制したピドコック Photo: YSP

 1周目は昨年優勝のエリ・イゼルビット(ベルギー)が先頭を走っていた。スタートで出遅れたピドコックは徐々に追い上げを見せて、2周目には3番手に浮上。しかし、3周目に入るとピドコックは自転車を交換。10番手以降に後退してしまった。

 イゼルビットは引き続き先頭でペースを上げて、3周目後半から独走状態に。遅れたピドコックは再び徐々に追い上げを見せて、4周目に入るホームストレート上で加速すると2番手まで順位を戻した。

 4秒先を走るイゼルビットを追って、ピドコックは海岸沿いの直線区間で、ゴールスプリントのような猛加速を見せ、一気に先頭のイゼルビットを捉えて抜き去った。勢いそのままにイゼルビットを突き放したピドコックは5周目終了時点で2位以下に28秒差をつけて独走。

 追うイゼルビットは、自転車交換によるタイムロスやキャンバー区間でのミスもあり、ピドコックとの差はなかなか詰まらない。そうして、ピドコックは独走のままフィニッシュラインに到達。2017年にはロード世界選手権ジュニア個人タイムトライアルで優勝した経験を持ち、自身2枚目のアルカンシエル獲得となった。

男子はU23、ジュニアともにイギリス勢が優勝 Photo: YSP

 日本勢では、織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)が出走63人中46位で同一周回完走。江越海玖也(弱虫ペダルサイクリングチーム)と村上功太郎(松山工業高校)は周回遅れとなり、それぞれ58位、59位という結果だった。

男子U23結果
1 トム・ピドコック(イギリス) 47分42秒
2 エリ・イゼルビット(ベルギー) +15秒
3 アントニー・ブノワス(フランス) +23秒
46 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +4分47秒
58 江越海玖也(弱虫ペダルサイクリングチーム) 周回遅れ
59 村上功太郎(松山工業高校) 周回遅れ

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