ユアンが追い込むも届かずヴィヴィアーニが絶妙スプリントで今季2勝目 カデルエヴァンス・グレートオーシャンRR

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 オーストラリアで1月27日、UCI(国際自転車競技連合)ワールドツアーの今季第2戦「カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース」が開催され、集団スプリントをエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)が制して今季ワールドツアー2勝目を挙げた。

ヴィヴィアーニ(右)が絶妙なゴールスプリントで今季ワールドツアー2勝目 Photo: Getty Images

ツール制覇の英雄の名を冠したレース

 カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレースは、2011年にオーストラリア人として初めてツール・ド・フランスで総合優勝したカデル・エヴァンス氏の名を冠して、エヴァンス氏が引退した2015年に第1回大会が開催された新しいレースだ。2017年よりワールドツアーとなった。ビクトリア州の州都メルボルン近郊の都市、ジーロングを発着に行われ、2010年のロード世界選手権で使われたコースをアレンジした構成になっている。

カデル・エヴァンス氏(右)も登場 Photo: Getty Images

 レースは海沿いのグレートオーシャンロードを通りバーウォンヘッズに至る大きな周回をまず走り、残り約60kmからはジーロング周辺で、16.8kmの周回コースを3周半してフィニッシュする。周回では距離1.2kmで平均勾配8.4%・最大勾配22%という、チャランブラ・クレセントの上りを合計4回こなす。だが上りからゴールまで距離があり、シーズン序盤ということも手伝って、例年集団スプリントでの決着が多い。昨年はジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)が優勝し、ヴィヴィアーニが2位に入っていた。

 今回UCIワールドチームはバーレーン・メリダなど3チームが欠場。ワールドチーム15チームとオーストラリアナショナルチーム(コルダメンサリアルエステート・オーストラリア)が参戦し、選手112人が出走した。

海沿いの道を進むプロトン Photo: Getty Images

アスタナ勢が逃げをリード

 レースは序盤、3人の逃げが形成。ローレンス・デヴリーズ(ベルギー、アスタナ プロチーム)と、オーストラリアナショナルの2人、ネイサン・エリオットとカーター・ターンブルが先行した。集団は昨年優勝チームのボーラ・ハンスグローエや、地元チームのミッチェルトン・スコットがペースメイク。逃げとの差は3分台に保たれ、大きな動きはないまま後半のジーロング周回コースへと突入した。

集団先頭に立つミッチェルトン・スコット Photo: Getty Images
序盤から逃げた3人 Photo: Getty Images

 周回コースに入ると、最初のチャランブラ・クレセントでターンブルが先頭から脱落。逃げはデヴリーズとエリオットの2人になった。集団とのタイム差は徐々に縮まり始め、2回目のチャランブラ・クレセントの頂上手前でエリオットも後退し、先頭はデヴリーズ単独となった。デヴリーズはレース前半から、ここまで全ての山岳ポイントを先頭通過。今大会の山岳賞を確定させた。

 メイン集団からはダヴィデ・バレリーニ(イタリア、アスタナ プロチーム)とニコラス・ドラミニ(南アフリカ、ディメンションデータ)が追走のアタック。3回目のチャランブラ・クレセント頂上でバレリーニが単独で先頭のデヴリーズに追い付き、序盤から逃げ続けたチームメートに代わって、バレリーニが単独先頭となった。メイン集団もペースを上げて、バレリーニ以外の選手を全て吸収。約1分差で残り16.8km、ラスト周回へと突入した。

周回コース後半で逃げたバレリーニ Photo: Getty Images

 上り入口まで約1分の差を保っていたバレリーニだったっが、最後のチャランブラ・クレセントで牙を剥いた集団が、一気にバレリーニを吸収。頂上手前でディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)がアタックを仕掛け、集団はいくつかに分断された。

完璧な位置取りから発射

 しかし続く下りで分断された集団は合流し、再び大きなメイン集団へと戻った。ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)、ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ)らがアタックするも、ヴィヴィアーニ擁するドゥクーニンク・クイックステップ勢らがチェックして成功せず。残り2kmでリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)がアタックを仕掛け、観客をにわかに沸かせたものの、勝負は結局集団スプリントで決することが濃厚になった。

頂上手前でのウリッシのアタック Photo: Getty Images
割れた集団は再び一つに Photo: Getty Images

 ヴィヴィアーニはミケル・モルコフ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)に先導され、残り1kmで集団の3番手につけた。すぐ後ろには“ポケットロケット”ことカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が、絶好の位置を取って差し込みを狙う。

ヴィヴィアーニ(右)とユアンが競り合う Photo: Getty Images

 ゴール前の最終ストレート、先頭でスピードを上げるモルコフの後ろから、ヴィヴィアーニはギリギリまでタイミングを計って残り100mからスパート。ユアンが追い込むが届かず、ヴィヴィアーニが先頭でゴールを切りガッツポーズを見せた。ヴィヴィアーニは「モルコフが完璧なリードアウトをしてくれた」とチームメートを賞賛。昨年は破竹の18勝を挙げ、今季も早くも2勝目と、新しいシーズンに入っても変わらない強さを発揮している。

 2位はユアン、3位には前週のサントス・ツアー・ダウンアンダーで総合優勝したダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)が入った。

表彰を受ける上位3人。(左から)2位のユアン、優勝のヴィヴィアーニ、3位のインピー Photo: Getty Images

カデルエヴァンス・グレートオーシャン・ロードレース(1.UWT)
1 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 3時間54分35秒
2 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) +0秒
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
4 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
5 イェンス・デブシェール(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
6 ルーク・ロウ(イギリス、チーム スカイ)
7 ミケル・モルコフ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
8 ジェイ・マッカーシー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ)
9 オウェイン・ドゥール(イギリス、チーム スカイ)
10 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)

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