サントス・ツアー・ダウンアンダー2019 第6ステージリッチー・ポートがウィランガヒル6連覇 ダリル・インピーが逆転で総合2連覇を飾る

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 オーストラリア・アデレードで開催のUCIワールドツアー2019初戦、サントス・ツアー・ダウンアンダー第6ステージは1月20日、クラーレンヴェイルからウィランガヒルまでの151.5kmで争われ、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)が得意の山頂フィニッシュを制し、ウィランガヒル6連覇となるステージ優勝を飾った。前日落車した個人総合首位のパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)が失速する一方で、同2位のダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)はステージ3位に入る快走を見せ、逆転で総合優勝を決めた。

ウィランガヒル6連覇を成し遂げたリッチー・ポート Photo : Yuzuru SUNADA

前日落車のベヴィンはレース続行

 最終ステージは、ダウンアンダー名物のウィランガヒルを2回上る、総合争いにおいては最も重要なステージ。ウィランガヒルの上りは登坂距離3km、平均勾配7.5%となっており、上りが得意なクライマーたちにとってタイムを挽回する最後のチャンスだ。

 追われる立場にある総合首位のパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)は、前日の第5ステージ終盤に激しく落車。どうにかタイム差なしでフィニッシュできたものの、表彰式をスキップして病院に直行。幸いにも骨折は見受けられなかったが、脇腹に打撲の痛みが強く残っているなかで、ベヴィンはレース続行を決断。手負いの身で、果たして厳しい上りを耐えられるか注目されていた。

海外沿いのコースを走る逃げ集団 Photo : Yuzuru SUNADA

 レースはスタート直後に7人の逃げが決まった。メンバーはルーカス・ペストルベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、トマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)、ゲディミナス・バグドナス(リトアニア、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、アレックス・ドーセット(イギリス、カチューシャ・アルペシン)、ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、ヤシャ・ズッタリン(ドイツ、モビスター チーム)、ニコラス・ホワイト(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア)。最大4分程度のリードを築いてレースは終盤を迎えた。

ウィランガヒルでベヴィン失速

 先頭の逃げ集団は1回目のウィランガヒルの上りが始まるとすぐに崩壊。ホワイトのみが単独で逃げ続ける展開となった。

 後続集団はチーム スカイ勢が率いて一気にペースアップ。すると、ベヴィンはいきなりペースダウン。集団から脱落し、痛みのある脇腹を気にする姿も見られた。なんとか踏みとどまろうと、アシストがベヴィンを引き上げようとしているものの、ペースの上がる集団の姿はどんどん遠のいていった。べヴィンが脱落したことで、バーチャル総合リーダーはインピーとなっていた。

一直線の道路を走るメイン集団と、チームカーなどの車列 Photo : Yuzuru SUNADA

 先頭のホワイトが間もなく集団に吸収されようかというタイミングで、スカイが仕掛けた。ケニー・エリッソンド(フランス)がワウト・プールス(オランダ)を引き連れてアタック。10秒ほど後続を引き離して、山頂を通過したが、一旦攻撃の手を緩めて集団に戻った。

 すると、今度はエクトル・カレテロ(スペイン、モビスター チーム)がカウンターアタックで飛び出した。それを追って、ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)とトーマス・マルチンスキー(ポーランド、ロット・スーダル)も集団から抜け出した。3人は合流すると、協調しながら逃げを続行するものの、トレック・セガフレードやユンボ・ヴィスマがコントロールする集団から10秒程度差を開くのがやっとだった。

 ダウンヒルを下り、2回目のウィランガヒルに向かう平坦路で3人の逃げは吸収。今大会限りで現役引退を決めているマシュー・ヘイマン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)が先頭で集団けん引を担っていたが、ウィランガヒルに向けて徐々に上り始めたところで、ヘイマンは後方に下がり、現役最後の仕事を終えた。

ポートの強烈なアタックが炸裂

 2回目のウィランガヒルのふもとに到達すると、再びスカイが集団をコントロールする。山頂まで残り2km地点でエリッソンドがアタック。一人抜け出す格好になると、やや遅れてプールスもアタック。先頭のエリッソンドが前待ちする形となり、合流して後続を引き離しにかかった。

 メイン集団のペースが緩んだ隙に、インピーが集団先頭まで上がってきた。来るべき攻撃に備えて、好位置を確保する。

 そうして残り1.3km地点、満を持してポートがアタックした。ウィランガヒル5連覇中と、爆発的な加速力を誇るポートの攻撃にライバルたちはみな引き離され、インピーは無理せず自分のペースを守っていた。

リッチー・ポートは切れ味鋭いアタックを繰り出し、ワウト・プールスを突き放した Photo : Yuzuru SUNADA

 ポートは一気に先頭のプールスに追いつくと、プールスや後続の様子をうかがいながら、再度ペースアップ。プールスを置き去りにして、山頂までダンシングを継続。見事にウィランガヒル6連覇となるステージ勝利を飾った。

 インピーは山頂間際の勾配が緩んだ区間で猛スパート。ポートの背中を間近で見れる距離まで詰めると、総合優勝を確信。ガッツポーズしながら、ポートと同タイムのステージ3位でフィニッシュした。ボーナスタイムを加味し、13秒差でのインピーの総合優勝が決まった。昨年に続き大会2連覇となった。

 移籍後初勝利となったポートは「良いスタートを切ることができた。トレック・セガフレードに移籍してきて、チームメートの素晴らしい働きもあり、6連覇できて嬉しく思う」とコメント。インピーは「チームメイトのおかげで、フレッシュな状態で上りに入ることができた。今日の勝利はヘイマンに捧げたい。6年一緒に走っていたが、素晴らしいチームメートだった。今日は彼の引退とチームの勝利を祝いたいと思う」と語った。

ツアー・ダウンアンダー総合2連覇を果たしたダリル・インピー Photo : Yuzuru SUNADA

 ベヴィンは5分以上遅れてフィニッシュ。総合ジャージは失ったものの、ポイント賞ジャージを獲得した。新チームとなり、幸先のよいステージ優勝を飾ったものの、「やはり失望の方が大きいよ」と語り、掴みかけていた栄光を失ったショックは小さくなかった様子だった。

 山岳賞ジャージはプールスと同ポイントながら、ジェイソン・リー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア)が獲得。新人賞ジャージはステージ6位に入ったクリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)が獲得した。

 新城幸也(バーレーン・メリダ)はウィランガヒルの上りでローハン・デニス(オーストラリア)のための位置取りをアシスト。トップから1分56秒遅れのステージ41位でフィニッシュした。その結果、総合39位となり、東京オリンピック2020に向けて重要なUCIポイントを10pts獲得した。

第6ステージ結果
1 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 3時間30分14秒
2 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +0秒
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
4 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) +3秒
5 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +6秒
6 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)
7 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト) +15秒
8 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +17秒
9 トムイェルト・スラフテル(オランダ、ディメンションデータ)
10 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
42 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1分56秒

個人総合
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 20時間30分42秒
2 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) +13秒
3 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) +17秒
4 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +19秒
5 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) +26秒
6 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)
7 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト) +38秒
8 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +40秒
9 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
10 ドリス・デヴェナインス(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)
39 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +5分19秒

スプリント賞
1 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) 56 pts
2 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 54 pts
3 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 50 pts

山岳賞
1 ジェイソン・リー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) 30 pts
2 ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ) 30 pts
3 リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード) 28 pts

新人賞
1 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ) 20時間31分15秒
2 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン) +7秒
3 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) +10秒

チーム総合
1 UAE・チームエミレーツ 61時間34分22秒
2 ミッチェルトン・スコット +43秒
3 バーレーン・メリダ +55秒

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