サントス・ツアー・ダウンアンダー2019 第4ステージインピーが総合2連覇へ、のろしを上げる勝利 ベヴィンも2位でリーダージャージを堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 オーストラリアで熱戦展開中のUCIワールドツアー開幕戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーの第4ステージは、難所コークスクリューをクリアした20人による小集団スプリントになり、昨年の個人総合覇者であるダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)がステージ優勝。総合2連覇に向けて、いよいよ動き出した。リーダージャージを着るパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)も2位に続き、第2ステージ終了後からの個人総合首位を守り続けている。

サントス・ツアー・ダウンアンダー第4ステージ、小集団スプリントを制したダリル・インピー Photo: Yuzuru SUNADA

平均勾配9%のコークスクリューが終盤に立ちはだかる

 大会は後半戦へと突入。ステージが進むにつれて、総合争いを意識した各チームの動きが目立ってきている。1月18日に行われた第4ステージは、レース距離こそ129.2kmと短めながら、リアルスタート直後から長い上りが登場するなど、前日の第3ステージ同様に起伏に富んだコースレイアウト。

 なかでも注目は、フィニッシュ手前5.7kmで頂上を迎えるコークスクリューの上り。ダウンアンダーではおなじみの平均勾配9%の登坂区間は、例年集団を破壊し、総合優勝候補たちが仕掛けるポイントでもある。さらには、頂上からフィニッシュへ向けてテクニカルなダウンヒルも控える。スキルが問われる終盤の走りから、総合争いに変動が生まれることも考えられた。

序盤からリードした逃げグループ6人 Photo: Yuzuru SUNADA

 そんなレースは、まず6人の逃げで幕開け。すぐにメイン集団が容認したこともあり、あっという間にタイム差が大きくなっていく。スタートから50kmほど進んだ地点では、逃げグループと集団との差は5分以上の開きとなり、このタイム差をきっかけに総合系の選手を擁するチームが中心となってコントロールを開始。少しずつ前を行く選手たちとの差が縮小していった。

 小雨が降る中でのレース中盤だったが、流れに大きな変化はなく、逃げ6人とメイン集団はそれぞれに淡々と進行。それでも、勢いに勝る集団が有利な情勢は色濃くなり、残り30kmを切るとその差は1分台に。さらに10kmほど進むと45秒差となり、逃げる選手たちを完全に射程圏内へと捉えた。

コークスクリューの上りに向けて再三アタックを仕掛けたマイルズ・スコットソン Photo: Yuzuru SUNADA

 懸命に逃げてきた6人だが、この頃には協調体制が崩れ、アタックの応酬に。マイルズ・スコットソン(オーストラリア、グルパマ・エフデジ)が再三仕掛けるが、いずれも他選手のチェックにあう。コークスクリューの上りに入ったところで、ハーマン・ペーンシュタイナー(オーストリア、バーレーン・メリダ)がスコットソンをパスして単独先頭に立ったが、それもわずかな時間。ペースの上がるメイン集団に飲み込まれ、序盤から逃げていたメンバーはすべて後方へと下がっていった。

総合2連覇へ弾みとなるインピーのスプリント勝利

 勝負をかけての動き出しは、予想通りコークスクリューの上り。ペーンシュタイナーを吸収すると同時に、ワウト・プールス(オランダ、チーム スカイ)がアタックすると、マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)が反応。個人総合優勝の有力候補4人がそのまま集団に対しリードを広げていく。

 コークスクリューの頂上は、ベネットを先頭に通過。リーダージャージのベヴィンは集団に待機し、先頭4人から数秒遅れて頂上をクリアする。フィニッシュにかけてのダウンヒルへと移っていく。

リーダージャージを着て走るパトリック・ベヴィン Photo: Yuzuru SUNADA

 その下りでは、先頭を走るウッズとポートがあわや接触かと思わせるシーンもあったが、ラインを維持しながらハイスピードで突き進む。だが、この区間で前の4人を上回ったのはメイン集団。個人総合首位の座を守りたいベヴィンがダウンヒルテクニックを発揮し、集団の最前線で追撃。残り2kmで4人を吸収すると、上位戦線に残ったのは20選手。人数が絞られた中でのステージ優勝争いへと移っていった。

 前日に続き、最終盤のプロトンをまとめたのはミッチェルトン・スコット。残り1kmのフラムルージュを過ぎ、最終コーナーを右折すると、フィニッシュへ一直線。ここで今大会好調のルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)が敢然と飛び出すが、好位置を押さえていたベヴィンがすかさずチェック。そしてスプリントへ。

20人によるスプリント勝負。リーダージャージのパトリック・ベヴィンとは逆のサイドから加速したダリル・インピー(右)がトップに立つ Photo: Yuzuru SUNADA

 だが、トップ20人の中でスピードに長けるインピーがタイミングを合わせて加速した。ベヴィンとは逆サイドから抜け出し、バイク1台分の差をつけてステージ優勝のフィニッシュを切った。

 個人総合2連覇が有力視され、その動向が注目されていたインピーだが、臨戦態勢を印象付ける快勝。ステージ1位に与えられる10秒のボーナスタイムも得て、フィニッシュ直後には喜びを爆発させた。

 また、要所での動きに冷静な対処を見せたベヴィンも2位に続き、6秒のボーナスタイムを獲得。最初にスプリントを開始したサンチェスも3位でステージを終えている。

 これにより、ベヴィンはこのステージを終えてもリーダージャージをきっちり守った。個人総合2位にはインピーが浮上し、ベヴィンとのタイム差を7秒に縮めている。11秒差の3位にはサンチェスが続き、21秒差の4位につけるクリス・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)は25歳以下対象の新人賞でトップに立っている。

冷静な走りで個人総合首位を守ったパトリック・ベヴィン Photo: Yuzuru SUNADA

 日本人選手では唯一参戦している新城幸也(バーレーン・メリダ)は、トップから2分53秒差の62位。個人総合では、3分21秒差の47位とした。

 19日に行われる第5ステージは、グレネルグからストラサルビンまでの149.5km。序盤から中盤にかけては山岳ポイントを含む数カ所の上りが控えるが、それ以降は平坦基調。ここ2ステージは総合争いの行方が見ものだったが、この日はスプリンターの出番となることが予想される。スプリント賞を見据えた選手たちの動きも押さえておきたいところだ。

第4ステージ結果
1 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) 3時間3分27秒
2 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) +0秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
4 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)
5 ルーベン・フェルナンデス(スペイン、モビスター チーム)
6 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
7 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
8 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)
9 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)
10 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム スカイ)
62 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +2分53秒

個人総合
1 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) 13時間23分30秒
2 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +7秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +11秒
4 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ) +21秒
5 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
6 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
7 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
8 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)
9 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
10 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)
47 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +3分21秒

スプリント賞
1 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) 48 pts
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 36 pts
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 35 pts

山岳賞
1 ジェイソン・リー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) 20 pts
2 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) 16 pts
3 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ プロチーム) 12 pts

新人賞
1 クリストファー・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ) 13時間23分51秒
2 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) +0秒
3 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)

チーム総合
1 UAE・チームエミレーツ 40時間11分33秒
2 ミッチェルトン・スコット +28秒
3 バーレーン・メリダ

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