サントス・ツアー・ダウンアンダー2019 第3ステージ獲得標高3500mの末のスプリントをサガンが制する ベヴィンは総合首位を堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 オーストラリアで開催中のUCIワールドツアー開幕戦、サントス・ツアー・ダウンアンダーは1月17日に第3ステージを実施。レースが進むにつれて人数が絞られていった集団は、最後にスプリントでの勝負となり、終始好ポジションでレースを展開したペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が混戦を制して、今シーズン初勝利を挙げた。前日のステージを制して個人総合首位に立つパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)はステージ4位とまとめ、リーダージャージをキープ。新城幸也(バーレーン・メリダ)は、トップから7秒差の47位で終えている。

サントス・ツアー・ダウンアンダー第3ステージを制してシーズン初勝利を挙げたペテル・サガン Photo: Yuzuru SUNADA

獲得標高約3500mの大会前半戦重要ステージ

 この日はロベサルからウレイドラまでの146.2km。約14kmの周回をおおよそ2周し、その後はしばしワンウェイルート。中盤からはウレイドラのフィニッシュラインを含む周回コースをおおよそ7周する。細かいアップダウンが連続し、1日を通しての獲得標高は約3500m。スプリンター有利とされた前日までの2ステージとは異なり、展開次第では最終的な総合成績にも反映されることが考えられる、今大会の前半戦重要ステージと目された。

逃げグループを引っ張るエリア・ヴィヴィアーニ Photo: Yuzuru SUNADA

 スタートして最初に迎えるポイントは、4.7km地点の中間スプリント。一団のまま進み、ここはスプリント賞でトップに立つエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥークニンク・クイックステップ)が1位通過した。

 この直後に逃げ狙いの動きが発生し、数人の飛び出しにヴィヴィアーニも追随。7人がレースを先行する。その流れで18.6km地点に設けられた2つ目の中間スプリントへ到達し、ここは争うことなくヴィヴィアーニが先頭で通過した。

 メイン集団が逃げを容認したことで、少しずつリードを広げていく先頭の7人。37.9km地点に待ち受けたこの日唯一の山岳ポイントは、マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ プロチーム)が1位で通過した。3分15秒差を境に、CCCチームを中心に集団ではタイム差のコントロールを開始。とはいえ、無理に追いかけることはせず、前後のグループともに淡々とレースを進めていった。

CCCチームがメイン集団をコントロール Photo: Yuzuru SUNADA

 長く形勢に変化がなかったが、残り55kmになったところでヴィヴィアーニが意識的にペースを落として逃げグループから下がっていく。タイミングを同じくしてメイン集団もスピードを上げていき、先行する選手たちとのタイム差は1分台になった。

 集団が完全に逃げグループを射程圏内へと捉えた残り32kmでは、ダヴィデ・バレリーニ(イタリア、アスタナ プロチーム)とアルベルト・ベッティオール(イタリア、EFエデュケーションファースト)がブリッジに成功。序盤から逃げていたメンバーでは、ジェームス・ウェーラン(オーストラリア、EFエデュケーションファースト)だけが生き残る形になり、3人の先頭グループを牽引。バレリーニは集団へ戻る判断をするが、ウェーランに引き上げられたベッティオールは残り20kmから単独走に。集団に対し約1分差で逃げる姿勢を見せた。

 なんとか粘りたいベッティオールだったが、チーム スカイやミッチェルトン・スコットなどがペーシングする集団の勢いには勝てず、残り13kmで吸収。以降はスプリント勝負を意識する各チームがエースクラスのポジションを固めながら、フィニッシュを目指していくこととなった。

狙いすましたサガンのスプリントが冴える

 集団の主導権を握ったのはミッチェルトン・スコット。昨年の総合覇者であるダリル・インピー(南アフリカ)で勝負する構えを見せる。そのインピーを徹底的にマークするのは、リーダージャージのベヴィン。残り5kmを切ると、ユンボ・ヴィスマの隊列も前方へ浮上。さらにはサガンやリッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)といった有力選手も顔を見せ始めた。

リーダージャージを着用するパトリック・ベヴィン Photo: Yuzuru SUNADA

 フィニッシュへ向けて動き出したのは、残り3km。ケニー・エリッソンド(フランス、チーム スカイ)がアタック。一瞬牽制気味になった集団をよそに、数秒のリードを奪う。だが、直後の急坂でマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)が労せずエリッソンドをパス。代わってリードを広げようと試みるが、ここは集団が許さない。結局、ミッチェルトン・スコットのアシスト陣が再び集団をまとめて残り1kmのフラムルージュを通過。2番手にインピー、その後ろにはサガンがつき、ベヴィンもしっかりとチェックに入った。

 そして、わずかな下りを利用してインピーが早めのスプリント開始。これに続くはサガン。フィニッシュライン直前の上りレイアウトでついにサガンが先頭へ。その脇からルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)も伸びてくるが、最後はハンドルを投げ出したサガンが勝ちきってステージ優勝を決めた。

スプリント勝負。ペテル・サガン(先頭右)がハンドルを投げ出してルイスレオン・サンチェス(先頭左)の追い上げをかわす Photo: Yuzuru SUNADA

 シーズン初勝利のサガンは、昨年も同じフィニッシュ地だった第4ステージで勝っており、“ウレイドラ2連覇”。ただ、昨年は周回せずにフィニッシュラインを迎えたが、今回はタフな起伏をクリアしての快勝。その走りに手ごたえをつかんだのか、自信に満ちた姿でポディウムへと上がった。

優勝を争ったペテル・サガン(右)とルイスレオン・サンチェスが健闘を讃え合いグータッチ Photo: Yuzuru SUNADA

 2位のサンチェスに続き、個人総合2連覇を目指すインピーが3位に入って4秒のボーナスタイムを獲得。ステージ2連勝こそならなかったが、ベヴィンも4位とまとめてリーダージャージをキープしている。

 日本人選手で唯一の参戦となっている新城は、終盤までアシストとして奮闘。ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア)の10位フィニッシュに貢献し、ステージを終えている。

 18日には第4ステージとして、アンリーからキャンベルタウンまでの129.2kmで争われる。リアルスタート直後から長い上りが登場するなど、この日も起伏に富んだコースレイアウト。注目は、フィニッシュ手前5.7kmに待つコークスクリューの上り。ダウンアンダーではおなじみの最大勾配9%の登坂区間は、集団を破壊し、力のある者だけが勝負することを許される難所だ。そして、頂上からフィニッシュへ向けては一気の下り。このステージを終えた段階で、個人総合争いの上位戦線に属する選手たちがある程度見えてくると思われる。

第3ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間46分6秒
2 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +0秒
3 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット)
4 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)
5 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)
6 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
7 ルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)
8 ダデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
9 クリス・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)
10 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
47 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +7秒

個人総合
1 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) 10時間20分9秒
2 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +1秒
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +9秒
4 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チーム サンウェブ) +10秒
5 ダリル・インピー(南アフリカ、ミッチェルトン・スコット) +11秒
6 ダニー・ファンポッペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) +15秒
7 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
8 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
9 クリス・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)
10 ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)
45 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +22秒

スプリント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 36 pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 34 pts
3 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) 34 pts

山岳賞
1 ジェイソン・リー(オーストラリア、ユニサ・オーストラリア) 20 pts
2 マヌエーレ・ボアーロ(イタリア、アスタナ プロチーム) 12 pts
3 アルチョム・ザハロフ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 12 pts

新人賞
1 マイケル・ストーラー(オーストラリア、チーム サンウェブ) 10時間20分19秒
2 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ) +5秒
3 クリス・ハミルトン(オーストラリア、チーム サンウェブ)

チーム総合
1 UAE・チームエミレーツ 31時間1分12秒
2 カチューシャ・アルペシン +0秒
3 ボーラ・ハンスグローエ

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