じてつう物語<11>社内での自転車置き場は自席の後ろ! 太田恵さん

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 WEBサイトのコンテンツ配信サービスやアクセス解析など「縁の下の力持ち」的な役割を担っている、アクセリア株式会社。東京・麹町にある同社のオフィスには自転車通勤をしているスタッフが何人かいる。技術部でカスタマーサポートを担当している、太田恵さん(28)も、自転車通勤をしているひとり。取材に伺うと、鮮やかなオレンジ色のトーキョーバイクを持って、ミーティングルームに現れた。

都内に転居したのをきっかけに自転車通勤を開始

片道8kmの自転車通勤をしている太田恵さん(28)。オフィスから自転車を押しながら登場!

 「自転車はみんな、自席の後ろなどに置いているんです」と太田さん。「上司の話ですと、今のオフィスに入居する際も、自転車をエレベーターに持ち込めるところをわざわざ探したらしいです」と言う。なんとも恵まれた環境だ。

 太田さんの自転車通勤は、片道8kmほど。

 「豊島区の自宅から麹町まで、主に白山通り経由で通っています。自転車通勤を始めたのは昨年の5月頃です。それまで川越市に住んでいたので自転車通勤はしたくてもできなかったのですが、豊島区からならできるだろうと思ったのがきっかけです。」

 8kmの距離を通うのに、自転車だと約30分。「電車だと25分くらいなので、かかる時間はあまり変わらないんですよね」と太田さんは話す。

 自転車通勤をする理由のひとつは、もともと自転車で移動することが好きだったから。

 「学生の頃から、わりとどこでも自転車で移動するタイプだったんです。ママチャリで1時間くらい走って遊びに行ったり、ちょっと観光してみたり。子どもの頃は習い事をしていて、通うのに自転車を使っていましたし、ふだんから自転車に乗ることが当たり前という感じだったんです。自転車に乗っているときに、歌を歌うのも好きでした(笑)」

 そしてもうひとつ、混んだ電車がとても苦手だと言う太田さん。

 「混雑した地下鉄などの雰囲気が好きじゃないんです。雨が降ったり、飲み会があるときなどは電車で通勤しますが、豊島区内に引っ越して職場が近くなった今でも、電車通勤は嫌いで、その苦痛は川越に住んでいた頃と変わりません。川越に住んでいた頃は、朝は座って通勤できたけれど、今はそれができないので、距離が短くなっても苦痛が減りません」

 子どもの頃から自転車で移動することが好き、そして電車はちょっと苦手……そんな太田さんが、自転車通勤を選択するのも当然の成り行きだろう。オフィスに自転車を持ち込めるような環境となれば、なおさらのことだ。

自転車で街の距離感が変わる

 オレンジ色のトーキョーバイクは、太田さんにとって初めてのスポーツサイクルだ。トーキョーバイクが醸し出す雰囲気が、気に入っている。

 「根津にあるトーキョーバイクギャラリーで、何度かレンタサイクルを利用して、サイクリングをしたんです。そしてレンタサイクルを返すときに“これ買います”と言って、その場で購入したのがこの自転車なんです。将来的にイベントやレースに出てみたいとか、そういうことは考えていませんでした。ただ、日常の中で、ちょっといい自転車に乗りたかったんです。トーキョーバイクはスタイルもいいし、価格的にもちょうど良いものでした」

 普段使いで便利なように、リクセンカウルのカゴも装備。自転車通勤以外では、週末の買い物やサイクリングに、このトーキョーバイクで出かけている。「下町が好きなんです。浅草に行ったり、谷根千(谷中・根津・千駄木)を散策したり。秋には神宮外苑まで紅葉を見に行ったりもしました」

 ふつうのママチャリと比べると5kg以上は軽いトーキョーバイクは、もともと自転車で移動することが染み付いていた太田さんのフットワークをさらに軽くした。

 「東京って意外に狭いんだなって思いましたね。地下鉄で移動していると知らずのうちに遠回りになっていることがありますが、自転車だと地下鉄よりはショートカットするように移動できる。ちょっと優越感を感じたりもします。また“あ、この街って坂が多いんだな”といったようなことも、以前より気づくようになりました」

愛車のトーキョーバイク・クラシックは、根津にある同ブランドのショールーム「トーキョーバイクギャラリー」で購入した
週末の買い物にも使うので、フロントにはリクセンカウルのバスケットが取り付けられるように、アタッチメントを装着。ただし通勤はリュック

悩みは駐輪場とシャワー

 仕事の移動も、ひとりでクライアントを訪ねるときなどは自転車を使うという太田さん。しかし、悩みもある。太田さんは「駐輪できる場所が少ないのが難点ですね。目的地から少し離れたところに駐輪場があっても(そこに駐輪して歩いて……とやっていると)時間的なメリットがなくなってしまいますし」と話す。

 自転車通勤という点だけを考えれば、職場やその至近に駐輪スペースを確保すれば良い。しかし、日常業務の中でも自転車を活用しようとすると、出先で自転車をどこに置くのか問題になってしまうというわけだ。自社だけではなんともしがたい問題だ。

 そして、太田さんのもうひとつの悩みは汗対策。

 「普段着で乗っているので、どうしても汗をかきます。もともと汗っかきなんです。昨年も、夏はあまりの暑さに自転車通勤を断念してしまいました。自転車に乗った後は、できればシャワーを浴びたいです。駐輪場とシャワーがセットになったような施設が、もっと増えて、そして気軽な料金で利用できるようになってくれたら良いなと思っています」

怖いのはタクシーだが……

 自転車通勤で自転車に乗っていて、怖いと思うことは?と質問すると、即座に「タクシーですね」という答えが返ってきた。しかし太田さんは、こうも話す。

 「タクシーはお客さんを乗せるために急な動きをすることが多いので、やっぱり怖いです。でも、自分がタクシーに乗るときのことを考えると、やっぱりタクシーには止まってほしい。もしかしたら自分も、ちょっと無理な捉まえ方をしているのかもしれないし……だから、タクシーが一方的に悪いと考えるのはやめることにしました」

 確かに私たちは、例えば片側三車線の道で中央を走るタクシーに対して、何も考えずに手を上げていることがあるかもしれない。

 タクシーのほかに怖いと感じているのは、ルール無視の自転車。

 「無灯火と逆走は本当に怖いです。そして、朝の時間帯は子どもを載せて爆走しているお父さん、お母さんが多い。中には子どもを載せて逆走している人もいて、本当に怖いなと思います」

「ホワイト」や「さくら色」などと悩んだ上に選んだオレンジ色のフレームが、いちばんのお気に入りポイント
基本的に買ったままの状態で乗っているが、グリップは「すべりにくいものに交換したいと思っている」とのこと

社会人になってからの「増量」を取り戻す

 もちろん、自転車通勤するようになって得たものもある。

 「もともと自転車で移動していたとはいえ、とくに運動をしていたというわけではありませんでした。自転車通勤をするようになって、毎日カラダを動かしているという実感はありますね。そして、自転車以外でもカラダを動かすことが億劫だと感じなくなりました」

 そして、うれしいことに体重も減った。

 「実は学生の頃は、運動をしていたわけでもないのに1日4食食べても痩せていくような感じだったんです。社会人になってもそのまま食べていたら、5kgほど太ってしまいました。それが自転車通勤するようになって2kg痩せたんです。もとには戻っていませんが、たぶん今ぐらいがちょうど良いのでしょう。もちろん、もう1日に4食も食べませんが(笑)」

 自転車通勤に、日常の移動に、週末のサイクリングに……自然体で自転車のある生活を楽しんでいる太田さん。「社内にはガチで乗っている人もいるので、よく“富士山のヒルクライムに出ようよ”などと言われますけど、私にはとてもとても」と話す。かといって自転車との付き合いが単に「ユルい」というわけではない。自宅ではスペースの関係で自転車を軒先に置いているが、毎日ちゃんとカバーをかけているし、毎週1回はちゃんと空気も入れる。だから「パンクしたことが無い」とも言う。

 太田さんのようなサイクリストが、もっと増えてくれたらいいなと感じた。

勤務先:アクセリア株式会社
ルート:東京都豊島区〜東京都千代田区麹町、往復16km
時間:30分(片道)
頻度:毎日
マシン:トーキョーバイク・クラシック
TIPS:週に1回は必ずタイヤに空気を入れる。おかげでパンク知らず。

TEXT&PHOTO BY Gen SUGAI

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