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栗村修の“輪”生相談<144>21歳女性「プロのチームでメカニックとして働きたいです」

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 現在21歳の女子大学生です。

 以前にプロのチームでメカニックをやりたいと思ったら、まずショップに行って働いた方が繋がりが出来るとの記事を見ました。

 私もプロのチームで働きたいと思っています! でも、レースの世界はまだまだ男性が主体としてやっているので女性がメカニックとして活動するのは厳しいのものなのでしょうか?

(21歳女性)

 女性のメカニックとは目新しいですね。これからは女性の時代だと思いますので、時代を反映した、いいご質問だと思います。

 女性メカニックは少ないとは思いますが、なるのが難しいかというともちろんそんなことはありません。性別無関係に、メカニックとしての能力があればOKです。

 最近のプロチームは分業化が進み、スタッフの数も増えていますが、ゼネラルマネージャー(GM)やスポーツディレクター(監督)では、女性は殆ど見たことがありません。もちろん女子チームならいると思うのですが…。一方で、ワールドチームの広報やマッサーなどはすでに女性がバリバリと活躍しています。女性に向いているのでしょうか?

 いずれにせよ、まだまだ少数派とはいえ、自転車界でも女性スタッフが活躍しているのは間違いありません。ですから、諦める理由はまったくないのです。

 ただし、メカニックとなると、いくつか説明が必要かもしれません。

 メカニックという仕事は、一般的に自転車ロードレースチームの中で最もハードで、体力勝負なんです。長時間の肉体労働を要求されるので、きつい仕事です。ヨーロッパ大陸を1000km単位で、機材と一緒に車で移動(運転)し、レース期間中は時には夜中まで仕事です。

メカニックはレースや移動の合間に、チームの選手全員分の自転車の整備、洗車などを大会期間中毎日行う。スペアバイクも含めると膨大な作業量だ Photo: Yuzuru SUNADA

 メカニックって、一番時間を読みづらい仕事なんですよ。マッサーなどは選手が起きている時間しか仕事はできませんが(マッサージに関しては)、メカニックは深夜まで働くことになります。「一番ドーピングが必要なのは選手ではなくメカニックだ」などというブラックジョークがあるくらい、きつい仕事です。

 それから、部屋割りの問題はありますね。レース中の自転車チームは移動に次ぐ移動でホテル暮らしをしていますが、基本的に男性との相部屋ができないので、部屋割りが若干ややこしいかもしれません。もっとも、大した問題ではないですし、ワールドチームなら個室を用意してくれるかもしれません。

 そういうハードな仕事とはいえ、質問者さんがパイオニアとして切り開いてくれたら、とてもありがたいです。モータースポーツなら女性メカニックもいる時代ですから、自転車界にいてはいけない理由はありません。自転車界はまだまだ男性社会なので、女性がひとりいるだけで良い意味で価値観が変わってくると思います。

 また、UCIの全体的な方向性としては、スタッフを含めた関係者の労働環境の改善、男女平等の世界を創る、という流れがありますから、いまはタイミング的にチャンスかもしれませんね。

 ご活躍を期待しています!

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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