サイクリスト向け心肺蘇生講習会も愛知牧場で前田公平劇場! 日本王者が1周目から独走し圧勝 JCX第11戦、東海シクロクロス第6戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ジャパンシクロクロス(JCX)シリーズの2018-2019シーズン第11戦となる、東海シクロクロスシリーズ第6戦が1月13日、愛知県日進市・愛知牧場で開催された。国内トップクラスがそろった男子は、日本王者の前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)が1周目からトップに立ち、そのまま独走。2位以下に大差をつけて圧勝。女子は今井美穂(CO2bicycle)が、こちらもスタートから先頭に立ち、後続に大差をつけて優勝した。

JCXシリーズ第11戦、東海シクロクロス愛知牧場でライバルを圧倒して勝利した前田公平。ウィリーを決めてのウィニングライド Photo: Syunsuke FUKUMITSU

緩急に富んだダートコース

昨年12月の全日本選手権で優勝し獲得した日本チャンピオンジャージをスタートラインにお披露目した前田公平 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 今節の舞台となる愛知牧場のコースは、ほぼ全面がダート状の路面。1周2.8kmの周回はアップダウンの連続で、途中にはバンプ(コブ)やシケイン、長く急な階段も待ち受ける難コース。前日には東海シクロクロスシリーズの第5戦が実施されたが、乾いた土の路面に落車が多発。緩急に富んでおり、いかにリズムを保って走り続けるかがポイントとなった。

 東海シクロクロス唯一となるJCX戦に、男子は97人がエントリー。昨年12月のシクロクロス全日本選手権でしのぎを削った実力者たちが集結し、前田や小坂光(宇都宮ブリッツェン)の新旧日本王者も参戦。ハイレベルな戦い必至の一戦に、多くのファンが会場に駆け付けた。

実力でファンの心を惹きつけた“前田劇場”

男子エリートのスタート Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 午後1時10分にスタートが切られた男子(60分)は、第1コーナーをクリアするとともに有力選手たちが前方を確保。しばらくは長い隊列で進行していったが、周回中盤を前に前田が先頭へ。前に出るとともに一気に踏み込んだ前田は、後続との差をグングンと広げていく。数秒差で沢田時(チーム ブリヂストンサイクリング)や竹内遼(フカヤレーシング)、さらにはJCXランキングトップの小坂も徐々にポジションを上げていく。

 2周目に入り、2番手を走る沢田が前田との差を縮めようとペースアップ。一時は追いついたかに思われたが、前田がスピードを上げて再びリードを広げる。そして、ここから前田の独走が始まった。

バンプで派手にジャンプする前田公平 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 変化の多いコースにあって、前田は6分30秒前後のラップタイムを刻んでいく。後方では沢田、竹内が2位争いのパックを形成し先頭を目指すが、快調に飛ばす前田とのタイム差は広がる一方だった。

2位争いのパックを形成した(先頭から)沢田時、小坂光、竹内遼 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 こうなると日本チャンピオンジャージをまとう前田の独壇場。ハードなコーナーはセーフティーにクリアしつつも、バンプ(コブ)やシケインでは派手にジャンプしてみせるなど、会場を盛り上げることも忘れない。ファンの歓声に笑顔で応えるシーンもあるなど、ハイレベルの一戦は完全な“前田劇場”となった。

 一方で、2位争いはレース中盤にかけてリズムに乗った小坂が沢田と竹内に合流。しばし3人のパックで進行したが、残り2周で小坂が落車。沢田と竹内の形勢に戻ると、残り1周の鐘を聞くタイミングで沢田がスパート。そのまま2位と3位の図式が固まった。

シケインをジャンプで越える前田公平 Photo: Syunsuke FUKUMITSU
残り2周で落車。立て直して再スタートを試みる小坂光 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 大差での逃げ切りが濃厚となった前田は、後ろを気にすることなく、フィニッシュを目指して快走。最終コーナーを抜けると、コース脇のファンとハイタッチをしながらのウイニングライド。フィニッシュラインではウィリーを披露し、完勝をアピールした。

コース脇に陣取ったファンに応えながらフィニッシュに向かう前田公平 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 前田のフィニッシュからしばらく経って2位の沢田、3位の竹内もレース完了。落車以降は順位を守る形にシフトした小坂が4位で終えた。

 日本チャンピオンにふさわしい、圧巻の走りを見せた前田。レースを振り返り、「1周目で飛ばしすぎてしまった」と反省しつつも、2周目以降で好ペースを維持して走り切ったことに手ごたえをつかんだ様子。シーズン終了まで魅せる走りをすることを約束して、会場に集まったファンの拍手と歓声を受けた。

笑顔の上位3選手。左から2位の沢田時、1位の前田公平、3位の竹内遼 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

女子の今井も独走勝利

 23選手がエントリーした女子は、こちらもJCXランク首位の今井が第1コーナーをトップで抜ける「ホールショット」を決めると、そのまま独走態勢に。序盤は宮内佐季子(Club La.sista Offroad Team)が数秒差で続いたが、レースが進むにつれて今井がその差を広げていく。

 今井がリードを拡大する後ろでは、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)が宮内をかわして2位に浮上。やがて上位陣の大勢が固まっていった。

女子のスタート。今井美穂がホールショットを決める Photo: Syunsuke FUKUMITSU
独走態勢を築いた今井美穂 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 規定時間の40分を常にトップで走り続けた今井は、最後の直線もしっかりと踏み切りフィニッシュへ。右手を高く掲げてのウイニングアピール。しばらくして2位唐見、3位宮内がレースを終えた。

 快勝に笑顔の今井。世界選手権をターゲットに調整を進めていることを挙げ、本番に向けては「過去2回の出場ではフルラップ(完走)ができなかった。今度こそ最後まで走り切りたい」と抱負を語った。

独走で優勝した今井美穂のフィニッシュ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
女子の表彰 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

多彩な講習会を実施

 東海シクロクロスシリーズでは、普及の観点からさまざまな講習会を併催。この日は、早朝に最上位カテゴリーC1の選手たちが講師を務めるキッズ対象の「シクロクロス講習会」を実施。トップライダーの牽引のもと、スキルアップを目指すキッズライダーたちがコースの効率的な走り方やコーナーリング、シケインの越え方などの攻略法を学んだ。

 また、お昼時には「サイクリスト向け心肺蘇生講習会」も行われた。基礎知識をメインとした座学の後、心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)使用体験の場も設定された。

キッズライダーの走行ラインを見ながらアドバイスを送った雨乞竜己(キナンサイクリングチーム) Photo: Syunsuke FUKUMITSU
多くの参加者が集まったサイクリスト向け心肺蘇生講習会 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 後半戦に入っているシクロクロスシーズン。主要レースでは、1月20日にUCI(国際自転車競技連合)公認の2クラスに位置付けられる東北シクロクロス第4戦蔵王ラウンドが、2月10日に今シーズンのJCXシリーズ最終戦(第12戦)となる前橋シクロクロス第2戦が行われる。東海シクロクロスは、第7戦が1月27日に愛知県一宮市・大野極楽寺公園にて開催される。

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