UCIワールドツアー開幕戦決戦の地・ウィランガヒルが最終日に ツアー・ダウンアンダー2019のコースをプレビュー

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 2019年シーズンのUCIワールドツアー開幕戦となるサントス・ツアー・ダウンアンダーが、1月15日に開幕する。今回は全6ステージのコースプレビューをしたいと思う。例年と異なり、ウィランガヒルにフィニッシュするクイーンステージが最終日に設定されていることが大きな変更点となっている。

ツアー・ダウンアンダー2018 第5ステージにて、海岸を走る集団 Photo : Yuzuru SUNADA

温暖なアデレードでのシーズン開幕戦

 ツアー・ダウンアンダーは南半球で開催される唯一のワールドツアークラスのステージレースだ。「ダウンアンダー」とは、北半球から見て南半球は「下」にあるということから、オーストラリアやニュージーランドを意味するスラングとして使われている。かといってオーストラリアやニュージーランドを広域に渡って移動するレースではなく、オーストラリア南部の都市・アデレードを中心に開催される。

 全6ステージ中4ステージのスタート地点がアデレードの市街地となっており、残り2ステージも市街地から40km程度離れた場所からスタートするため、アデレードを拠点にしながら全6ステージが観戦できる、現地観戦のしやすいレースと名高い。

 1月のアデレードは平均気温29.3℃、平均降水量は19.0mmと、温暖でカラッとした気候が特徴だ。ただし、最高気温は日によっては40℃を越えることも珍しくないため、2017、2018年は猛暑のためレースが短縮されることもあった。

 また、ダウンアンダーの前哨イベントとして、ダウンアンダー・クラシックが13日に行われる。昨年までは「ピープルズ・チョイス・クラシック」という名称で行われていた。女子レースも2016年から開催されており、男子レースに先立って1月10日に開幕し、全4ステージで争われている。

 今回はダウンアンダー・クラシックとツアー・ダウンアンダー全6ステージのコースを紹介したいと思う。

ダウンアンダー・クラシック:ライミルパーク(1.7kmの周回コース)

ライミルパークをぐるっと囲む周回コース。90度コーナーと鋭角なヘアピンコーナーが1カ所ずつある ©Santos Tour Down Under

 今年は1周1.7kmの周回コースを、レーススタートから1時間経過後、プラス1周走ってフィニッシュというレギュレーションで開催される。ジャパンカップクリテリウムのような位置づけで、公式戦ではないものの、スプリンターたちにとってアピールの機会として毎年注目を集めているレースだ。

 アデレードの中心街である「ランドルモール」から歩いて5〜10分程度の場所にある「ライミルパーク」の周囲を1周するコースとなっている。ゆるい高速コーナーが3カ所、90度コーナーが1カ所、鋭角のヘアピンカーブが1カ所あり、ほとんど平坦となっているため、まさしくスプリンター向きの高速バトルが展開されるだろう。

第1ステージ:ノースアデレード〜ポートアデレード(132.4km)

ツアー・ダウンアンダー2019 第1ステージコースプロフィール ©Santos Tour Down Under

 ランドルモールから北へ2kmほど歩いた場所が第1ステージのスタート地点。フィニッシュ地点のポートアデレードは、ランドルモールの最寄り駅から電車で20分ほど離れた場所となっている。スタート・フィニッシュ地点が市街地に設定されているが、道中の大半はアデレード東部の丘陵地帯を通過。2017年第2ステージでフィニッシュ地点となったパラコームを経由し、1日の獲得標高は1851mだ。

 当時リッチー・ポート(オーストラリア)が勝利したように、クライマー向きのアップダウンの多いコースではあるが、今大会ではレース中盤に登場し、ラスト30kmほどの区間は下り基調の平坦路となっているため、集団スプリントに持ち込まれる可能性が高いだろう。

第2ステージ:ノーウッド〜アンガストン(149km)

ツアー・ダウンアンダー2019 第2ステージコースプロフィール ©Santos Tour Down Under

 ランドルモールから東へ3kmほど離れたノーウッドがスタート地点。徒歩なら30分程度、バスを利用すれば10分程度で到着する距離だ。そこから北東方面へ直線距離にして70kmほど離れたアンガストンへ向けて、丘陵地帯を走りながらフィニッシュする。

 獲得標高は2246mとなっており、スプリンターたちにダメージを与えるほどの威力はない。フィニッシュ地点はほんのり上り基調となっているものの、この日も集団スプリントでの決着が予想される。

第3ステージ:ロベサル〜ウレイドラ(146.2km)

ツアー・ダウンアンダー2019 第3ステージコースプロフィール ©Santos Tour Down Under

 アデレード中心地からは、第1ステージで通過した丘陵地帯をさらに東へ越えた先のロベサルがスタート地点。直線距離にして30km程度だが、バスを乗り継ぐと1時間30分ほどかかる場所だ。ロベサルから南西方面の丘陵地帯にあるウレイドラに向かい、1周14kmの周回コースを7周してフィニッシュする。

 この日の獲得標高は3337m。ウレイドラ周回コースは終始アップダウンが続くため、スプリンターにとっては上りへの耐久力が試されるステージとなる。集団スプリントに持ち込みたいスプリンターチームに対して、パンチャーやクライマーがレースを動かす展開が予想される。

第4ステージ:アンリー〜キャンプベルタウン(129.2km)

サントス・ツアー・ダウンアンダー2019 第4ステージコースプロフィール ©Santos Tour Down Under

 アンリーはランドルモールから南へ3.5kmほど離れた地区。南東方面に向かい、第3ステージのスタート地点であるロベサルを通りながらアデレード市街地へと戻ってきて、キャンプベルタウンへとフィニッシュする。フィニッシュ地点は中心地から東へ10kmほどの場所。

 このステージの最大の特徴はフィニッシュまで残り7km地点にある登坂距離2.3km・平均勾配8.9%とパンチ力のある上り「コークスクリュー」の存在だ。1日の獲得標高は2427mとなっており、コークスクリューの上りで一気に勝負が決まる可能性がある。山頂からフィニッシュまでの6.7kmはダウンヒルとなっている。

 コークスクリューで飛び出したクライマーが逃げ切るか、上りをしのいだパンチャーやスプリンターが追いつくかどうか、終盤のアタックの掛け合いの集団の駆け引きが見どころとなるだろう。

第5ステージ:グレネルグ〜ストラトサルビン(149.5km)

サントス・ツアー・ダウンアンダー2019 第5ステージコースプロフィール ©Santos Tour Down Under

 中心地から南西に11kmほど、路面電車で40分ほどかかる海岸部の街・グレネルグをスタートし、70km南方のヴィクター・ハーバーを経由し、そこから北東のストラサルビンへ至る。獲得標高は1778mと第1ステージと同じレベルの難易度となっており、集団スプリントに持ち込まれる可能性が高い。

第6ステージ:マクラーレンヴェイル〜ウィランガヒル(151.5km)

ダウンアンダー2019 第6ステージコースプロフィール ©Santos Tour Down Under

 アデレード中心地から40kmほど南下すると最終ステージのスタート地点マクラーレン・ヴェイルに到達する。ウィランガヒルのふもとの街・ウィランガを通り、西部の海外を経由する1周40kmほどの周回コースを3周。そして、登坂距離3km、平均勾配7.5%のウィランガヒルを1回通過し、丘の上からのダウンヒルを経て、再びウィランガヒルを上ってフィニッシュするコースレイアウトになっている。

 ウィランガヒルは毎年登場するダウンアンダー定番のコースだ。2012年からウィランガヒルの山頂フィニッシュとなり、2014年からはポートが5連覇中と無類の強さを誇っている。

今季からトレック・セガフレードに移籍したリッチー・ポートはウィランガヒル6連覇を狙う Photo : Yuzuru SUNADA

 クライマーにとっては、最大にして最後の勝負どころであり、ここまでにリードを築いたパンチャーやスプリンターは、いかにして失うタイムを最小限に食い止めるかという戦いが繰り広げられるだろう。

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