パーツ・アイテムインプレッション2019SACRA「カイル イグナイト」が登場 カーボンスポークを生かしたバネ感が魅力

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 日本のパーツブランド「SACRA」(サクラ)から、カーボンスポークが用いられたカーボンホイール「KYLE IGNITE」(カイル イグナイト)が登場した。ハイトは50mmと38mmの2種で、それぞれクリンチャー、チューブレスレディ、チューブラーをラインナップ。実走でのインプレッションもお届けする。

サクラの新作ホイール「カイル イグナイト」 Photo: Shusaku MATSUO

 サクラは田中良忠氏が独創的な視点で製品を手がけるブランドで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の風洞実験設備を利用するなどし、確かなスペックを持つ製品を送り出すべく日々開発が続けられている。

スポークはカーボン製で1本2.9g Photo: Shusaku MATSUO

 カイル イグナイトの最大の特徴は、フロント16本、リア21本に用いられたカーボンエアロスポークだ。既存でカーボンスポークが採用されたホイールは、リムやハブと一体化したタイプが多く、スポークテンションの調整が難しいものが多い。一方のカイル イグナイトはニップルでスポークテンションを設定でき、カーボンスポークが持つ剛性としなやかさの両メリットを生かすことが可能となった。

 スポーク1本あたりの重量は2.9gとなり、従来のスポーク比で32%の軽量化を果たしたという。リアに用いられるハブは75mmのワイドフランジでスポークはほぼ垂直に組まれる。ドライブ側が14本に対し、ノンドライブ側が7本という2:1の構成となっている。リム幅は28mmのスーパーワイド設計で、横剛性が高められた。

リムハイトが38mmの「カイル3 イグナイト」 Photo: Shusaku MATSUO
リム幅は28mmのスーパーワイド設計 Photo: Shusaku MATSUO

多彩な選択肢にも注目

 試したモデルは50mmハイトの「カイル5 イグナイト」と38mmハイトの「カイル3 イグナイト」。両ホイールともにコンチネンタルの「GP5000」を装着し、空気圧は7.0BARに設定した。

スポークが適度にウィップし、“バネ感”が推進力を生む Photo: Moe

 個人的にはディープリムのクリンチャーが持つ“硬さ”が苦手で敬遠をしている。縦の剛性が高く、ライド後半で脚を残すこと(コントロール)が難しく思えたからだ。しかし、「カイル5 イグナイト」の場合、カーボンスポークが適度にウィップしてくれる影響で、反力が弱まり、加えて戻りを推進力として機能していた。低速の踏み出しから、高速域でのスプリントに至るまで、伸びを実感できる。筆者が苦手とする部分をカーボンスポークが薄めてくれた。

瞬発力を備えた「カイル3 イグナイト」 Photo: Shusaku MATSUO

 また、50mmハイトでホイール重量が1300gという数字も優秀だ。カイル3 イグナイトにいたっては1232gと相当に軽い。両モデルともに勾配10%程の上りでも脚を必要以上に使うことはなかった。特にカイル3の場合、フロントの取り回しが非常に軽く、ダンシングでの軽やかさは圧倒的。巡航力で優れていたのはカイル5だが、カイル3の機敏さは特筆すべきポイントだと感じた。

 ハイトだけではなくリム形状の選択肢が多い点も難儀させる。乗り心地としなやかさのチューブレスレディか、軽さを重視しレースに特化したチューブラーか、購入の際に存分に迷わせてくれるだろう。ホイールにこだわりたいサイクリストにこそ、カイル イグナイトが持つバネ感と多彩なスペックを体験してほしい。

サクラ「カイル3 イグナイト」
税抜価格:260,000円(クリンチャー、チューブレスレディ、チューブラー共通)※前後ホイールセット
重量:1232g(クリンチャー)、1238g(チューブレスレディ)、1044g(チューブラー)
ハイト:38mm
リム幅:28mm

サクラ「カイル5 イグナイト」
税抜価格:260,000円(クリンチャー、チューブレスレディ、チューブラー共通)※前後ホイールセット
重量:1320g(クリンチャー)、1300g(チューブレスレディ)、1145g(チューブラー)
ハイト:38mm
リム幅:28mm

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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