『Cyclist』が選ぶ今年の注目ニュース<5>新城市役所内を走る「シンシロクロス」開催 2019年は自転車に力を入れる自治体に注目

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 Cyclist読者の皆さま、2018年もご愛読ありがとうございました。今年も様々な情報、ニュースを扱って、多くの反応、意見をいだだきましたこと、編集部を代表しまして御礼申し上げます。様々なニュースを扱ってきた中で、編集長・澤野が選んだ「今年の注目ニュース」は、自分が取材に関連した中から、自治体が積極的に自転車の楽しみ方に絡んできた2本の記事を挙げたいと思います。

スチール製の机や棚でコースが見事に仕切られ、レースが開催された Photo: Kikuzo

 6月に行われた愛知県新城市で行われた『シンシロクロス』イベント開催記事。解体が予定されている、愛知県新城市の市役所旧庁舎を舞台にしたショーレース「Shinshiro X」(シンシロクロス)に全国から100人が集まって最初で最後のレースを楽しんだというもの。実際は取材というより、二度とない貴重なレースに、自分の子供と一緒に休日を利用して出場したかったというのがそもそもの出場理由でした。

シンシロクロスでは市役所玄関前は大勢の参加者とブースで賑わった Photo: Kikuzo 

 朝に会場に着くと、普段は静かなはずの休日の市役所に、様々なメーカーブースが並び、DJが市役所の玄関口でアップテンポの音楽で会場を盛り上げ、およそお堅いイメージの市役所とは真逆の舞台に。新城市役所を中心とした運営事務局が、市役所庁舎内1階に、実際に使用されていた棚や、事務机を並べてエリミネーターのようなコースを作ってくれ、その間を縫うような個人タイムトライアルが2本行われました。

シンシロクロスにトマックスタイルで走る筆者 Photo: Kikuzo

 お祭り色が強い“ショーレース”で、参加者の皆さんは仮装やお気に入りのMTBやシクロクロスバイクで参加。私も80年代のGIANT ATXにトマックスタイルで2本全力疾走しました。結果は決勝には残れませんでしたが、大盛り上がりのお祭りに親子で参加した思い出ができるだけで満足でした。

 運営側も新城市のバックアップで行われるだけに、けが人が絶対に出ないよう、細心の注意を払っていました。滑り止めのカーペットが細かく敷かれたり、コース各所に担当者が張り付き、少しでもコース脇の棚がずれた場合にはすぐに修正されていました。結果、けが人もゼロで、運営側も参加者も笑顔の大成功の大会となりました。

市役所で使われていた机などで丁寧にコースレイアウト Photo: Kikuzo
主宰者のHATCHさんとスタート前にリラックス Photo: Kikuzo
大会に駆け付けた新城市の穂積亮次市長 Photo: Kenta SAWANO

 新城市では、PEDALMARKやフォトロゲイニングin新城を定期開催するほか、今年は東海地区で初となる「ラファ・プレステージ」が開催。奥三河の歴史と自然を楽しめるルートは、全国のサイクリストが走ってみたいルートです。ほかにも「DA MONDE TRAIL」などのトレイルラン大会のほか自動車の新城ラリーなど、人気のスポーツイベントを年間を通じて開催している、日本で有数のスポーツツーリズムに力を入れている自治体と言えるでしょう。

「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市町村の会」発足

 これまではそういった自治体が、地元の自転車関係者と一緒になって、それぞれの自治体で自転車を活用した地域振興を行っていたのが現状でしたが、自転車活用推進法の発令とともに、それらを横の連携でつなごう、という動きが今年始まりました。それが11月に結成された「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市町村の会」です。

「自転車を活用したまちづくりを推進する全国市町村の会」設立総会の最後に「ガンバロー三唱」する各市町村長 Photo: Kenta SAWANO

 発足会議に参加し、リポートを書きましたが、記事の反響も大きくFacebookには3000を超えるいいね!をいただきました。シェアもたくさんされましたが、多くの反応が「たくさん頑張っているのに、私が住む自治体が入っていない」とか「さすがおらが村」といったものでした。実際に、自治体や自転車関係者からの問い合わせも編集部に入り「どうやったらその会に入れるのでしょうか」「連絡先は?」と、反響の大きさに驚きました。

 実際に私が住む神奈川県の自治体はその時点でゼロ、サイクリングが盛んだったと思っていた福岡市なども入っておらず、少しがっかりした思いもありました。しかし、2020年の東京五輪を控え、会の発足が第一の目的で、会の誕生に注目してもらってから、どんどん加入自治体を集めようという考えもあったようです。現に、加入のための制限、参加資格はないということで、会費も年1万円と、どの自治体にも入ってもらいたいという思いが伝わってきます。

 発足のために動いた守山市などが所属する近畿ブロックでは、全国初となる、自治体ブロックでの会議が行われ、2019年初めにはほかのブロックでも開催予定。2月には全自治体を集めた「シクロサミット」が開催され、ここで今後の具体的な動きが明らかになると思います。Cyclistも動きを追ってリポートするだけでなく、様々な自治体の動きに協力して、より走りやすい自転車環境の整備に協力していきたいと考えています。引き続きCyclistをよろしくお願いします。

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