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栗村修の“輪”生相談<143>35歳男性「ロードバイクに乗るためのジムトレーニングのおすすめは何ですか」

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 いつも楽しく拝読しております。自転車歴13年、35歳のローディーです。今回お聞きしたいのは、ジムでの有用なトレーニングについてです。

 仕事など様々な要因で自転車に乗る時間が確保できず、30歳を過ぎたあたりから体重が増えてきました。それにより、ロードバイクに乗っていてもあまり面白くなくなってしまいました。体重が増えて速度が出ない、乗り心地も悪いなど、長時間乗っているのが楽しくありません。自転車に長時間乗れないため、ジム通いを始めましたが、やはり運動中、考えるのは自転車のことです。

 ジムでは筋力トレーニングから、有酸素とひと通りやっておりますが、ロードバイクに乗る上で役に立つようなトレーニング方法など、ありましたら教えていただけますでしょうか。

 ジムにあるエアロバイクなどは強度の調整や、RPMが表示されるのでよいのですが、ポジションの調整範囲がロードバイクのようにはならず、変な癖が付くのではないかと不安です。ジムでのトレーニングでは自転車に似ているエアロバイクなどに頼るのではなく、心肺機能の強化や、上半身/下半身の筋力アップに費やしたほうがよいのでしょうか。

 ロードバイクに乗るうえで、日常的なジムでのトレーニングのおすすめなどありましたら教えてください。

(35歳男性)

 ロードバイクに対してある種の停滞期を迎えながらも、頭に浮かぶのはロードバイクのこと。最近も似た質問があった気がしますが、自転車界全体がそういう時期なのでしょうか。人間という生き物には心にも身体にもリズムがあるので、無理せず前向きに捉えて、次の“マイバイクブーム”へと繋げていきましょう。

 さて、たしかに、体重が増えると上りは遅くなるし、ウェアを身に付けても微妙な哀愁が漂います。いつも言うことですが、体重については、消費カロリー(基礎代謝量+運動量)と摂取カロリーをきちんと管理しつつ、体重を減らすしかありませんね。

 もちろん、カロリーの収支はあまり気にせずに、食べるものや食べるタイミングなどでダイエットを行う方法もあります。しかし、自分で管理する以上は、あまり複雑なことを実行しようとすると続かなくなるのが一般的なので、やはりカロリー収支を意識するのが一番効果的な気がします。具体的には、スマホなどでカロリー計算アプリなどをダウンロードし、なんとなくで良いので毎日自分がどれくらいのカロリーを摂取しているかを把握することです。やればわかりますが、毎日無駄なカロリー(ラーメンのスープを全部飲む/甘い炭酸飲料を何本も飲む/定食のゴハンを大盛りにしている/太りやすい種類のお酒を注がれただけ飲むなどなど)をちょくちょくと摂取していることが見えてきます。

 体重というのは、一日ドカ食いして増えるものでもないし(そのまま全て脂肪に変わるものではない)、逆に急激に減らしても身体への負担が大きくなります。ですので、毎日(週単位で考えるとより現実的)のカロリー収支を少しずつマイナスにすることが効果的です。また、可能な限り、「基礎代謝量+日常での運動量(通勤時の歩行など)」のみで痩せられるように収支を意識することをオススメします。

ロードバイク乗りにおすすめのジムトレーニングとは? Photo: Yuzuru SUNADA

 次は自転車以外のトレーニングについてです。エアロバイクのポジションを気にされていますが、ロードバイクとは異なる種類の運動と考えれば、全然アリなのではないでしょうか。そもそも、選手によってはトレッドミルでランニングを行うこともありますしね。せっかく室内にいるのですから、鏡などを見ながら、体が左右対称(片側の膝だけ外側に開いていないか?など)になっているか注意しつつトレーニングをしてください。また、室内トレーニングは飽きやすいと思うので、付属のトレーニングプログラムなどを使って飽きない工夫をするといいでしょう。時間については、ご自身が飽きずに継続できる長さを目安にしてください(15分で気が狂いそうになる人もいれば平気で3時間乗っていられる人もいるので…)。

 さて、エアロバイクもいいですが、僕がジムでお勧めしたいのはフリーウエイトです。マシンではなく、フリーウエイト。講習を受ける必要がありますが、効果的です。なぜかと言いますと、バランス感覚が磨かれるからです。

 自転車では左右のバランス感覚やインナーマッスルを鍛えることが大事ですが、そこに効くのがフリーウエイトなんです。フリーウエイトは、重いものを持ち上げる作業に加えてバランスをとる作業が生じます。マシンのみだと、身体にクセや歪みがある人が更にその歪みなどを大きくしてしまう可能性があります。内容的には特別なメニューを行う必要はありません。10回~20回でオールアウトする程度の強度で、まずは基本的なメニューにチャレンジしてみてください。そして、ここが重要なのですが、常に自分が実際にロードバイクに乗っていることを意識して、各種トレーニングに取り組んでみてください。私自身も、日常生活のなかで、例えば階段を昇る際などには、一段飛ばしでペダリングで使う筋肉を意識しています。階段を昇るという作業一つとっても、意識次第で使う筋肉が全然変わってくるものです。

 オフシーズンにウエイトトレーニングに取り組む選手は多いようです。質問者さんも、「自転車に乗らないトレーニング」で殻を破ると、ロードバイクへのモチベーションが復活するかもしれません。

(編集 佐藤喬)

回答者 栗村修(くりむら おさむ)

 一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役、ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター、スポーツ専門TV局 J SPORTS サイクルロードレース解説者。選手時代はポーランドのチームと契約するなど国内外で活躍。引退後はTV解説者として、ユニークな語り口でサイクルロードレースの魅力を多くの人に伝え続けている。著書に『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』『栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術』(いずれも洋泉社)など。

※栗村さんにあなたの自転車に関する悩みを相談してみませんか?
 ml.sd-cyclist-info@sankei.co.jpまで、タイトルを「輪生相談質問」としてお寄せください。

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