内間康平選手も利用プロ選手からビギナーまでサポート 「かりゆし」が沖縄のサイクルツーリズムに尽力する理由

by 澤野健太 / Kenta SAWANO
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 サイクリングアイランド“沖縄”は、1年中温暖な気候と豊かな大自然、比較的少ない交通量から、「ツール・ド・おきなわ」、「美ら島オキナワ Century Run」などのロードレースからサイクリングイベントまで、あらゆるレベルのサイクリストの人気を集めている。中でも恩納村の「沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ」は、プロの選手から一般サイクリストまでをサポートする自転車観光の拠点として、沖縄のサイクリングを支えている。

内間康平が個人合宿で拠点にする「沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ」=2018年8月 Photo: Kenta SAWANO

プロも納得のサポート環境

 那覇空港から車で北に約1時間、本島中部の恩納村の高台にある「沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ」(以下・かりゆし)は、プライベートビーチのあるリゾートとして、オンシーズンは家族連れやカップルでいっぱいだ。そんな賑やかな客層に交じって、プロロード選手・内間康平の姿があった。

ホテル棟からは美しいガーデンプールを眺められる Photo: Kenta SAWANO

 内間選手は同じ沖縄の浦添市出身ながら、シーズン中に何度も「かりゆし」で個人合宿を行っている。沖縄でも車が少なく、ツール・ド・おきなわのコースにもなる北部の「やんばる」地域独特のアップダウンが多い練習環境はもちろん、「施設と、サポート体制が整っていることも魅力的です」とその理由を説明した。かりゆしスタッフで沖縄県の自転車競技の強化に携わってきた川畑太一さんが練習コースを紹介してくれることも大きいという。

インドアプールの横のフィットネスジムにはワットバイクが2台揃う Photo: Kenta SAWANO 
笑顔で練習に臨む内間康平選手(左)とサポートする、かりゆしスタッフの川畑太一さん Photo: Kenta SAWANO 
新たに設置された「ローラー台練習部屋」には、たくさんの自転車が釣り下がっている(沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパ提供)

 ホテル内では、一般サイクリストへのサポート体制も充実している。館内、客室への自転車の持ち込みは自由。本格的なサイクリスト用に、コインランドリーだった施設を改修した『ローラー台練習部屋』も完成。ワットバイク1台、固定ローラー2台、3本ローラー2台や整備スタンド、簡単なケミカル関係を配置している。さらに、フィットネスジムにも「ワットバイク」が2台も準備されている。天気の悪い日でも、屋内プールを目の前にしながら、ビンディングペダルが付いたマシーンでトレーニングすることができる。

 そのような好環境を求めて、近年はJプロツアーのトップチーム・宇都宮ブリッツェン、シマノレーシング、愛三工業レーシングチーム、チーム ブリヂストンのほか、ナショナルチームもキャンプを張るようになった。2018年はキャンプの流れのまま2月24、25日に「第1回 JBCF おきなわロードレース」が沖縄で初開催され、かりゆしは大会のメインスポンサーを務めた。

サイクリング&スパも提案

 他にも6種類の宿泊施設を運営するかりゆしグループは、『おきなわシクロツーリズム』という名で、自転車を使ったスローツーリズムとタラソテラピーの融合を目指し、様々な楽しみ方を提案している。サイクリングとスパを組み合わせた「シクロ&スパ」ツアーは、那覇の「沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ」を出発し、4つの休憩地点で地元グルメを補給し、宜野座村の「かりゆしカンナタラソラグーナ」へゴールする初心者向け51.5kmのコースだ。同施設は14種類のジャグジーとサウナを使ったタラソテラピーで心身ともにリラックスできそうだ。

宜野座村字漢那にある「かりゆし カンナ タラソ ラグーナ」 Photo: Kenta SAWANO
タラソテラピーも楽しめる「かりゆし カンナ タラソ ラグーナ」 Photo: Kenta SAWANO

◇         ◇

當山社長にインタビュー

 ここまで同社が自転車選手のサポートとサイクルツーリズムに力を入れる理由について、同社代表取締役社長の當山智士氏に話を聞いた。

――沖縄のサイクリング事情はいかがですか。

「美ら島オキナワ Century Run」のコースにもなる古宇利大橋から見る海は絶景だ Photo: Kenta SAWANO 

當山社長:「ツール・ド・おきなわ」を中心に盛り上がっていますが、実際に自転車に乗って楽しんでいる地元の人は少ないのが現状です。オランダのように国民の7割が自転車に乗るようになることが大事で、自転車をライフスタイルの中に取り入れる時代になっています。観光地としても世界トップクラスだと思うので、みんなが「レンタカーの時速45kmの旅」から「自転車による時速15kmの旅」にシフトすれば、より多くの世界が見えるし、沖縄の渋滞緩和にもなるし、環境にも優しい。みんなが自転車で走る社会は健康的だし、観光サービス業としても、沖縄の人のライフスタイルとしてもそこにもっていきたいですね。

「沖縄かりゆしアーバンリゾート・ナハ」の玄関で愛車とリラックスする當山智士さん Photo: Kenta SAWANO 

――第1回 JBCF おきなわロードレースのスポンサーになったきっかけは何ですか。

當山社長:せっかくプロが1、2月をここで合宿しているので、そのままここでレースをできる仕掛けを作りたかったです。観客の動員がまだまだでしたが、シンボリックな大会を良い環境で開催することができました。

――その意図で2月開催だったのですね。

「第1回 JBCF おきなわロードレース」のコースになった金武ダム周辺 Photo: Kenta SAWANO 

當山社長:11月から3月は寒くて、本土では自転車に乗りにくくなる季節に沖縄に来てほしいですね。実力がある選手が沖縄から出て欲しいですし、サポートもしていきたいです。

――ここまで自転車に力を入れる理由は何でしょうか。

當山社長:単純に私が自転車を好きだからです(笑)。15年くらい前からはまり、月に1000kmを目安に走っています。主に那覇から名護を往復したり、忙しくて外に出られないときにはワットバイクでもがいています。

――沖縄での自転車の活用について、今後の展望をどのように考えていますか。

當山社長:これからは自転車旅の時代です。乗り捨てでないバイクシェアにも取り組んでいきたいですね。どんどんホテルがサイクリストに優しい施設に変わっていき、コンビニにもバイクラックが普通に設置しているような状況にしたいです。そして自転車店がもっと儲かるようになって欲しいです。選手のセカンドキャリアとしてもツアーコーディネーターや、ホテルに就職したりもできますから。全国の自転車店の方も是非来てほしい。これからは自転車だけでなく、旅を通した体験もお店で売っていく時代になると思います。

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