“ポタ会”を密着取材自転車工場、グルメ、サイクリングロード…ポタガール埼玉が発信する“じてんしゃ王国”の魅力

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荒川沿いの上尾サイクリングロードを快走するポタガール埼玉のメンバーたち荒川沿いの上尾サイクリングロードを快走するポタガール埼玉のメンバーたち

 埼玉県を、“じてんしゃ王国”として発展させ、その魅力を発信していくための女性グループ「ポタガール埼玉」による走行会&PR活動“ポタ会”が1月19日、上尾市内で行なわれた。この日はブリヂストンサイクルの工場見学、いちご狩り、サイクリングロードの走行など盛りだくさんの内容。「LOVE bicycle SAITAMA」の公式ホームページに掲載する動画の撮影も行なわれ、6人のポタガールたちが寒さに負けず25kmの道のりを駆け抜けた。(柄沢亜希)

ヘルメット持参で訪れたブリヂストンサイクルの上尾工場ヘルメット持参で訪れたブリヂストンサイクルの上尾工場

 ポタガールのメンバーは午前10時前、ヘルメットだけを持参してJR北上尾駅へ集合。最初の訪問地であるブリヂストンサイクルで工場を見学した後、同社のロードバイク「ANCHOR」(アンカー)を借りてポタリングへ出発する。

 「いつも乗っているのはクロスバイクなんです」と少し緊張気味に話すのは、メンバーの金子千鶴さん(31)。小島利恵さん(40)と共に、ふだんは上尾市職員として勤務し、この日のポタ会では走行時の先導やコースの案内役を引き受けた。ポタガールには埼玉県在住の30人が在籍するが、その職業はさまざまだ。

 ブリヂストンサイクルの工場は土曜日も操業しており、案内をしてくれた製造部長の松崎泰樹さん(57)は「作業車に気をつけてくださいね」と気遣ってくれた。工場の建物は全長130mに及び、内部ではフレームなどの鋼材の生成工程や、塗装・組立工程を見学することができた。

 作業は興味深い光景の連続だったが、企業秘密のため撮影はNG。高温で溶かしたアルミ合金を流し込んでパイプを接合する「ダイカストマシン」や、1日に2台しか作ることができない競輪選手向けのフレームの生産、カーボンフレームをマスキングしてロゴマークを手塗りする作業などに、ポタガールたちは目が釘付けになった。

ポタガール埼玉メンバーに工場案内をする製造部長の松崎泰樹さんポタガール埼玉メンバーに工場案内をする製造部長の松崎泰樹さん
作業に見入る後口沙織さん作業に見入る後口沙織さん

 電動アシスト自転車の生産ラインでは約80人が作業していた。大きな機械音が鳴り響く中、部品が次々に組み上げられて自転車の形になっていく。松崎さんからは「1つの作業を32秒以内にこなす」と説明があった。

“CELINEの自転車”を持つ岩崎雅美さん“CELINEの自転車”を持つ岩崎雅美さん
「シルエット セリーヌ」のチェーンカバーには円状の革の装飾。車体は特殊つや消し塗装で、24金メッキのパーツが光る「シルエット セリーヌ」のチェーンカバーには円状の革の装飾。車体は特殊つや消し塗装で、24金メッキのパーツが光る

 工場内の施設では、ブリヂストンの歴代自転車の展示を見ることもできる。「CELINE」のロゴがついた自転車を見つけた岩崎雅美さん(28)は、特殊つや消し塗装のフレームやきらびやかな24金メッキの輝きにうっとり。この「シルエット セリーヌ」は革バッグなどで知られる高級ブランドとのコラボ製品で、1984年に限定30台で発売された。当時30万円と高額だったにもかかわらず完売したそうだ。

いざ、出発!いざ、出発!

 工場見学を終えたポタガールの6人は、それぞれカラーの異なるアンカーを借りて、いよいよサイクリングへ出発。いつもロードバイクで荒川沿いを走っているという南ゆかりさん(35)は身長150cmと小柄で、「なかなか合う自転車がないんです」と話しながら慎重にサドルの高さを調整していた。

待ちわびたラーメンを前に笑顔の小島利恵さん。かたわらのぬいぐるみは上尾市のキャラクター「アッピー」待ちわびたラーメンを前に笑顔の小島利恵さん。かたわらのぬいぐるみは上尾市のキャラクター「アッピー」

 まずは昼食をとるために、上尾名物の「酒粕味噌ラーメン」を食べられる店のひとつ「チャイナ」を目指す。酒粕味噌ラーメンは、11~3月の期間、上尾市の酒蔵「文楽」の酒粕を使用して提供されるご当地グルメだ。味噌にコクが出て、食べれば身体が温まってくる。

 続いてデザートを食べようと、いちご狩りへ。上尾では珍しい観光型の農園「岸井農園」を訪れた。3種類のいちごがたわわに実るビニールハウス内は、春のような暖かさ。上着を脱いだポタガールたちは、可愛らしいいちごの花が咲く中で“花より団子”とばかりにいちごをほお張った。

 その間にポタガールの後口沙織さん(30)は、この日午後に参加申し込みの受付が始まった「榛名山ヒルクライム in 高崎」にスマートフォンからエントリーした。「どうしても出たかった」という後口さんは、ようやくいちごに手を伸ばし、「今度はもっとゆっくり来たいですね」と笑った。

暖かいビニールハウスでいちご狩り=岸井農園(上尾市中分)暖かいビニールハウスでいちご狩り=岸井農園(上尾市中分)
スマホでヒルクライム大会にエントリーする後口沙織さんスマホでヒルクライム大会にエントリーする後口沙織さん

 女性が集まるとおしゃべりが絶えない。ポタガールたちも、寒さ対策の服装やグルメ情報、大会やイベントの情報交換など、楽しいガールズトークに花を咲かせた。途中、市の「自然学習館」の物産販売所に立ち寄った時には、格安の地元野菜を購入。大根を買い求めた小島さんは「和風グラタンにするとおいしい」、岩崎さんは「今晩の鍋の具にします」と、大切そうにバッグにしまっていた。

フィッティングを体験する小林玲香さんフィッティングを体験する小林玲香さん

 最後に訪れたのは、JR上尾駅と市役所の間に店を構える「バイシクルセオ上尾イースト店」。現在“プレオープン”中で、来月23日の正式オープンに備えているところだという。

 この日は小林玲香さん(38)がロードバイクのフィッティングを体験した。小林さんはシクロクロスバイクのイベントなどに出場経験があるが、「これまであまり真面目にフィッティングをしたことがない」と話す。スタッフから「腕で支えようと思わないで」とアドバイスをもらい、納得しながらペダリングを試していた。

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ポタ会をサポートをしていた上尾市職員の杉木直也さん。上尾市には市民グループが作る「サイクルマップ」もあるポタ会をサポートをしていた上尾市職員の杉木直也さん。上尾市には市民グループが作る「サイクルマップ」もある

 一行をサポートしていたのは、上尾市まちづくり計画課の杉木直也さん(38)。「上尾市は“自転車の街”を目指して道路や施設の整備を進めています。平らな土地で、大きな自転車メーカーが工場を構えるなど、自転車に親しむ土壌があります」と話してくれた。

 今回は上尾市めぐりのサイクリングとなったが、ポタガールのメンバーたちは早くも次の企画やイベントの話題で盛り上がっていた。埼玉から発信する自転車の魅力は、まだまだ尽きない。

「LOVE bicycle SAITAMA」公式ホームページ 「ポタ日和」

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