全てがイタリアンハンドメイドメリノウールを巧みに生かすデマルキのプレミアムウェア 極上の着心地で上質なライド体験を

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
  • 一覧

 創業から70年以上の歴史を誇り、上質なサイクリングウェアを提供し続けてきたDe Marchi(デマルキ)。メリノウールを用いた極上の肌触りと動きやすさは、最新のパフォーマンスモデルにも息づいている。100%イタリアで手作りされるプレミアムウェアを縫製から紹介する。

デマルキのサイクリングウェアは上質なライド体験を提供してくれる Photo: Kyoko GOTO

名選手を支えてきたブランド

 デマルキが真のサイクリングファンを魅了する理由はハイクオリティな素材と、その素材を生かす独自の技術に他ならない。1946年から北イタリアで立ち上がったデマルキは、天然素材であるメリノウールをジャージやビブショーツに採用し、数々のチャンピオンたちの走りを支えた。ファウスト・コッピ、エディ・メルクス、フェリーチェ・ジモンディ、フランチェスコ・モゼールなど、名を挙げたらキリがないほどだ。

1946年に創業し、歴史を積み重ねてきたデマルキ ©DeMarchi
クラシカルなスタイルにマッチするデマルキのウールジャージ ©DeMarchi

 では、メリノウールとは一体どんな素材なのだろうか。羊の毛であるウールのなかでも、メリノ種から採れる最高級品がこれに当たる。優れた保温性と透湿性を併せ持つのが最大の特徴で、夏冬問わずオールシーズン対応する。バクテリアの繁殖を防ぐことも認められており、防臭効果も発揮。シルクのような肌触りで、伸び伸びとしたストレッチ性も兼ね備えている。

心地よいストレッチ性を生むフラットシーマ製法 Photo: Shusaku MATSUO

 魔法のような素材であるが、使い方によってはその効果を最大限生かすことができない。デマルキは生地を作る繊維にもこだわり、縫製を行っている。繊維はスーパー・ファインのメリノフィラメントが用いられる。そして、100%イタリアの自社工場内で、熟練の職人の手によって丁寧に縫製される。

 生地と生地を繋ぐ際、あえてテンションをかけずに、多くの糸を使って縫い合わせることで乗車姿勢のストレッチ性を確保。肌に直接触れる「ベースレイヤー」は、6本の糸を駆使したフラットシーマ製法を採用し、着用しても縫い目を感じさせない着心地を実現している。

6本の糸をあえて緩く縫うことで着心地の良さを実現する ©DeMarchi
1着ずつイタリアの自社工場で、職人の手によってハンドメイドされる ©DeMarchi
保温と透湿に優れたスーパー・ファインのメリノフィラメントが用いられたベースレイヤー Photo: Kairi ISHIKAWA

サイテック社は兄弟ブランド

 クロモリロードが似合うトラディショナルなジャージが代名詞でもあるデマルキだが、最新のカーボンロードバイクに合わせられるスタイリッシュなモデルもラインナップ。例えば「クラシカ スポーツウール ジャージ」は、落ち着いた色合いを採用し、シンプルなデザインと相まって幅広い年齢や用途にマッチする。全体の33%にウールが含まれており、伝統的な素材と現代の技術が生きる最新素材の利点が融合させている。半袖と長袖の2パターンで展開されており、通年で活躍するジャージだ。

伝統的なウールジャージはブランドのアイコンともなっている ©DeMarchi
防風性素材にウールを組み合わせたスポーティな「コルティナ ウィンドジャージ」 ©DeMarchi

 また、内側にウールを配し、外側には防風素材を用いた「コルティナ ウィンドジャージ」といった素材を複合させたウェアもラインナップ。繊維の隙間が自動で開閉するショーラー社の“スマートファブリック”を採用したジャケットなども展開している。伝統にとらわれず、現代のサイクリングシーンに最適な展開も魅力となっている。

防風・防水素材を採用しつつ優れたストレッチ性能を持つ「ステルヴィオジャケット」 Photo: Kyoko GOTO
細部に至るまで縫い目をシーリング Photo: Shusaku MATSUO
優れた防水性を発揮 Photo: Shusaku MATSUO
デマルキと兄弟ブランドのサイテック社 ©DeMarchi

 ビブショーツに用いられているパッドは全てイタリアのCyTech(サイテック)社製。世界各国のウェアブランドがこぞって採用しているサイテックのパッドだが、実はデマルキのパッド事業が分社化したものだ。1963年、シャモア種の鹿の革をパッドに使用したのがデマルキで、その後のスタンダードとして定着させた。時代が移り、他の素材を用いても「シャモア=パッド」という意味が幅広く認知されるきっかけとなった。その後、90年代から2000年代にかけてジェルなどの新素材を採用した成型技術の特許を数々と取得。事業を受け付いたサイテック社はデマルキだけでなく、リーディングカンパニーとして他社のサイクリングウェア作りを支えている。

前面パネルに防風素材を用いつつ、優れたフィット感が特徴の「コルティナ・ウィンドプルーフ・フロント・ビブタイツ」 Photo: Kairi ISHIKAWA
伝統的なウールショーツに最新パッドが組み込まれる ©DeMarchi

 サイテック社の最新パッドは、バクテリアの繁殖を抑える素材を採用し、身体にフィットさせることで股ずれを防止。逆効果になるため「股ずれ防止用クリームを使わないでほしい」とも謳っているほどだ。激しいスポーツライドに対応するスペックを誇るパッドだが、伝統的なウールショーツにも使用。新旧の“いいとこどり”を施した、玄人好みの仕上がりに貢献している。

凹凸がある脚部にも完璧にフィットする「コルティナ・ウィンドプルーフ・フロント・ビブタイツ」 Photo: Kairi ISHIKAWA

夜明け前からインプレッション

 筆者がデマルキのウェアを試したのは12月初旬の都内。朝方の気温は一桁台に冷え込むが、陽が昇ると暖かさも感じる。秋物の装いか、はたまた真冬のウェアを用意した方がいいのか迷う場面だ。今回はベースレイヤーを軸に、「クラシカ スポーツウールジャージ」に「コルティナ・ウィンドプルーフ・フロント・ビブタイツ」を、また、「ステルヴィオジャケット」を合わせ、夜明け前のライドへと出かけた。

暖かく、足元を快適な環境に保つ「ウィンターソックス」 Photo: Kyoko GOTO

 走り始めてすぐに感じたのはその着心地の良さ。ステルヴィオジャケットは防水、防風素材でありながらストレッチ性に優れており、深い姿勢をとっても肩周りや背中に突っ張りはない。手首は風の侵入を防ぐ2重構造となっており、締め付けて圧迫することなく隙間を無くした。縫い目の裏側には袖部に至るまで丁寧にシーリングされている。ハンドメイドだからこそできる細やかなディティールの積み重ねが、ジャケットらしからぬフィット感を実現していた。

“着て軽い”ウールの真骨頂

薄さと断熱性を兼ね備えた「コルティナ ソフトシェルグローブ」 Photo: Kyoko GOTO

 1時間も走ると気温も上がり、身体も温まってくる。汗がうっすらと額に流れるのを感じたが、上半身に蒸れる不快感はない。ベースレイヤーのさらさらとした肌触りがあるだけで、ウールがきっちりと仕事を果たしてくれたようだ。ジャケットを脱ぎ、クラシカ スポーツウールジャージで風を受けるとさらによくわかる。暖かさもあるが、涼しさも兼ね備えていることを。軽く、しなやかな着心地の良さに、ライドだけでなく普段着としても着用したいと思ったほどだ。

 コルティナ・ウィンドプルーフ・フロント・ビブタイツも、サイクリストの“こうして欲しい”が具現化されている。風が当たる前部に優れた防風素材を用いており、他の脚部には裏起毛素材を採用。最も寒さに対応したモデルではあるが、その薄さとストレッチ性能は他社のそれとは大きく違う。立体的裁断が生き、凹凸のある脚部でも完璧フィットし、動きを阻害しなかった。

冬用ウェア独特なごわつきは一切なく、いつまでもライドを続けたいと思わせてくれた Photo: Kyoko GOTO

 イタリア製のスーツは着心地を重視するといわれるが、デマルキのウェアも同じコンセプトである。それを実現させるため、ディティールを追求。結果的にイタリアでの完全なハンドメイドにいきついた。上質なライドを求めるサイクリストはぜひデマルキのウェアを試してほしい。極上のライド体験が待っているはずだ。

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

アンダーウェア ウェア サイクルウェア デマルキ パーツ・アイテムインプレッション

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載