「実はエアロロードが嫌いだった」おきなわ市民210kmを制したディスクブレーキのヴェンジ 紺野元汰の愛車をチェック

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ホビーレーサーにとって最高のステータス「ツール・ド・おきなわ市民210km」を制した紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)。使用したバイクのスペシャライズド「ヴェンジ」は、大会1カ月前の10月から乗り始めたものだという。彼が乗ったバイクの詳細と、レースでの使用感をリポートする。

紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)の走りを支えたスペシャライズド「ヴェンジ S-WORKS」 Photo: Shusaku MATSUO

「速さで選択したら必然的にディスク」

 ツール・ド・おきなわでは今大会、ディスクブレーキの使用が解禁となった。公式でのニュートラルホイールの提供はなかったものの、時代のトレンドに沿ったレギュレーションであったといえる。昨今、空気抵抗の削減を目的としたエアロロードバイクの開発にメーカーが力を入れている。なかでも、スペシャライズドのヴェンジは、ツール・ド・フランスにおいてペテル・サガン(スロべキア、ボーラ・ハンスグローエ)の活躍や、国内のホビーレーサーが好んで使用するなど、注目の的になっていた。

 紺野は話題のバイクを満を持して投入してきた。「エアロロードバイクが実は嫌いだったんですよね」とレース後に明かした紺野だったが、ことしの10月初頭から乗り始めた際から速さに一目惚れし、レース本番での使用に至った。紺野は使用感を「とにかくめっちゃ速い」と熱を込めて語った。

コックピットは体格に合わせてあえてエアロハンドルを使わない Photo: Shusaku MATSUO
サドルはスペシャライズドの「トゥーペ」を採用 Photo: Shusaku MATSUO

 紺野は第一に、縦剛性と横剛性のバランスの良さを特徴として挙げた。縦方向に剛性が高く、横剛性がないがしろにされがちなエアロロードバイクの特性を極端に嫌っていたというが、ヴェンジにそれは無いという。また、ディスクブレーキの効果としてスルーアクスルを採用していることもメリットとして説明した。

 「とにかく下りと平坦が速いですね。スルーアクスルの効果で、軸が太く、下っている最中の安定感は抜群です。70km/h以上でコーナーリングする下りであっても車体は常にブレずに安定していました」とこの日の走りを振り返る。エアロ効果が優れていることで、踏まない時間が多いことも、長丁場のレースで結果を出せた要因だと明かした。

「実はエアロロードバイクが嫌いだった、ヴェンジに乗るまでは」と話す紺野元汰(SBC Vertex Racing Team) Photo: Shusaku MATSUO

ディスクブレーキの国内元年か

 細かいパーツを見てみよう。ハンドルはヴェンジに備え付けられたエアロハンドルではない。これは求めるポジション(100mm12°)が元のエアロハンドルに設定がなかったのと、ウィップ感を出すためだという。また、タイヤはロヴァールの限定製品である「コットン24C」が用いられていた。グリップ力と転がり抵抗のバランスが優れているのと「身長が小さいので、細いタイヤのほうが機敏に動くことができ性に合うから」と説明した。コンポーネントはシマノR9100系のデュラエースDi2を堅実に採用。BBには音鳴りを抑え、スムーズな回転を実現したプラクシスワークスを取り入れていた。

「スルーアクスルが速さに影響する」と紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)は語る Photo: Shusaku MATSUO

 こだわりはアイウェアにも表れる。レンズ上部のフレームを排し、視界を広く確保したオークリーの「フライトジャケット」を着用。レンズはプリズムローライトで、クリアに近い透過率だ。「トンネルが多いので、視界を確保できるチョイスにしました。見た目がいいのもポイントですね」。

 同カテゴリーでディスクブレーキロードバイクを選択したのは紺野だけではない。昨年までに3連覇を飾っていた高岡亮寛(Roppongi Express)もヴェンジを選んだ。皆が採用した理由に挙げるのはその速さだ。ディスクブレーキの制動力はもちろんだが、エアロロードバイクが持つ空気抵抗の少なさ、下りでの安定感がアドバンテージになったと口々に語っている。

BBはプラクシスワークスがインストールされていた Photo: Shusaku MATSUO
トンネルが多いコースに生きるオークリー「フライトジャケット」のプリズムローライト Photo: Shusaku MATSUO

 本格的なロードレースにおいて国内で初めてディスクブレーキが大きく解禁となったツール・ド・おきなわ。今後、機材選択をするうえで、ディスクブレーキが一つの指針となったことは間違いないようだ。

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