交通手段としての普及目指す「日本e-BIKE協会」が設立 JBCF理事長・片山右京氏がサイクルモードで発表

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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サイクルモードで「JBCF緊急提言!」と題して開催されたシンポジウム Photo: Kyoko GOTO

 「CYCLE MODE International 2018」(サイクルモード インターナショナル)で11月9日に開催された「JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)緊急提言!」と題したシンポジウムで、同連盟の理事長を務める片山右京氏がこのほど「日本e-BIKE協会」を発足したことを発表した。自動車界で急速に進む電動化の流れとともに、電動アシスト自転車(e-BIKE)の「車両」として存在基盤を固め、クルマと共存可能な交通システムの実現を目指す。発起人には同連盟副理事長の今中大介氏も名を連ねている。

JBCFのヒルクライム大会で「e-BIKEクラス」新設も

 JBCFの理事長でありながら、かつて元F1ドライバーとして自動車レースの世界で活躍していた経歴をもつ片山氏。自転車・自動車双方に精通する立場から、「提言」という強い言葉を用いて開催したシンポジウムは、「e-BIKEで大きく変わる!モビリティのこれから」、「自転車とクルマの未来関係:e-BIKEの視点から」というテーマで2部構成で行われた。

ほぼ満席となった会場 Photo: Kyoko GOTO

 片山氏は、「自動車界では地球温暖化の防止策として、世界的に大きく自動車の電気化の方向へシフトしている(EVシフト)」と強調。「このEVシフトがもたらす技術革新はコネクテッド化、スマート化、オートノマス(自動運転)、シェア化とサービス化、電動化であり、今後はこれらの技術革新が自動車以外の分野とも相互補完関係になり、統合化されたモビリティ世界が誕生する」と強調した。

 その上で、「日本もEV化へ向かいつつあるなか、ガソリンスタンドに替わる充電ステーションの整備、安価な蓄電池の開発などが必要。そして電気を駆動エネルギーとするe-BIKEを含むモビリティはその環境を共有することが求められる。シェアライドはすでにクルマ、自転車では進行しており、電気エネルギーを搭載するモビリティ全てが情報・通信業界も巻き込んで相互補完関係になることは間違いない」との考えを示し、「e-BIKEの普及活動を通じて、クルマやオートバイ、電車などのモビリティとの連携を深め、e-BIKEの存在基盤を固めていくことが新しいサイクルスポーツの発展に繋がると信じている」と語った。

JBCF理事長の片山右京氏 Photo: Kyoko GOTO

 当面取り組むべき課題として、①e-BIKEを体験する機会の創出②e-BIKEレースの企画③e-BIKE関連企業のネットワーク構築─を掲げている。とくにe-BIKEレースに関しては、「将来的にレギュレーションを整備し、公式戦でのe-BIKEクラスの設立を目指す」としており、2019年度にはJBCFのヒルクライム大会で市民を対象とした「e-BIKEクラス」の実施を計画していると語った。

「e-BIKEは社会を変えるチャンス」

 シンポジウムに登壇した、自動車ジャーナリストでありフェイスブック「大人の自転車部」を主宰する河口まなぶ氏は、「e-BIKEはチャンス。自転車が電化したことで色々な通信もできるようになった。速度が上げられるようになれば、より自由に動けるモビリティとしてクルマの仲間として認識されやすくなる。日本は自動車と自転車の親和性があまり高くないので、e-BIKE協会はその関係を構築していく好機になると思う」との見方を提示。その上で「交通ルールやリテラシーに関しても、ものがいえる協会であってほしい」と協会に期待を示した。

 モータージャーナリストであり、ワールド・カー・アワード会長のピーター・ライオン氏は、「電動自動車の流れはe-BIKEブームにとって追い風。ただ、e-BIKEを支えるエネルギーチャージの仕組みがないと、e-BIKEは発展しない。e-BIKEと電動自動車との親和性をこれから重視していきたい」と述べた。

写真左から、小林成基氏(自転車活用推進研究会理事長)、ピーター・ライオン氏(モータージャーナリスト/ワールド・カー・アワード会長)、河口まなぶ氏(自動車ジャーナリスト/FB「大人の自転車部」主宰)、疋田智氏(自転車評論家) Photo: Kyoko GOTO

 自転車評論家の疋田智氏は、「色々な誤解に立ち向かってほしい。e-BIKEの普及活動に対して『なんで自転車でそんなに急ぐのか。歩道を行けばいい。いままで通りで何が悪い』という反対意見があるが、その考え方がそもそもだめ。e-BIKEを普及させることには様々な意味があるが、まず今後のエコ社会ではe-BIKEの重要性を考えざるを得ない」と指摘。「自転車は空気清浄機ではない。クルマから乗り換えて初めてエコ。クルマにしかできないことはさておき、クルマの機能の一部分を自転車が担う方向にシフトする必要がある。そのためにはある程度のスピードが必要だとしっかり提唱してほしい」と強調した。

 自転車活用推進研究会理事長の小林成基氏は「協会の最大の目的は、人の心を変えること。国を動かし、政治を動かして働きかけをしなければならない。自転車活用推進法を作るのにも16年かかったけど、作れる。同じ考えをもった人たちが一緒になって、根拠をもって提言してほしい」とエールを送った。

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