さいたまクリテ2018 前日イベントゲラント・トーマスとコンタドールがホームラン連発 ニバリとトレンティンが太鼓の達人に

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 さいたま新都心駅周辺で開催される「J:COM presents 2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」に先立って、大会前日となる11月3日、選手たちが様々なイベントに参加した。昨年から一般公開されているチームプレゼンテーションに加えて、放鷹術体験、和太鼓演奏、野球体験を通じて、日本文化に触れる交流会も開催された。

野球体験に参加するゲラント・トーマス、アレクサンドル・クリストフ、アルベルト・コンタドール、アレハンドロ・バルベルデ Photo: Yuu AKISANE

新城とトレンティンが放鷹術を体験

 午前中は岩槻駅前広場での「城下町岩槻鷹狩り行列」に、新城幸也(バーレーン・メリダ)と、マッテオ・トレンティン(イタリア)らミッチェルトン・スコットの選手4人が参加。徳川家康が鷹狩りをするために岩槻の地を訪れたことから開催されているイベントで、今年で6回目の開催となる。

目の前で大きく羽ばたく鷹に、やや驚いた様子のマッテオ・トレンティン Photo: Yuu AKISANE
「放鷹術は初体験」と語っていた新城幸也 Photo: Yuu AKISANE

 鷹匠の指導のもと、5人の選手全員が放鷹術を体験。鷹匠が放った鷹を、選手たちはグローブをつけた腕でキャッチ。大きく羽ばたく鷹の迫力は満点だった。選手たちはお互いに写真や動画を撮りながら、鷹とのふれあいを楽しんでいた。

コンタドール「ベルナルにも優勝の可能性」

 午後には、さいたま新都心駅近くの「サイクルフェスタ」会場に隣接する特設会場で、大会アンバサダーのアルベルト・コンタドール氏(スペイン)を招いて、ツール・ド・フランス2019コースプレゼンテーションが開催された。

MCのサッシャさん、栗村修さんと共に、ツールのコースプレゼンテーションを行うアルベルト・コンタドール氏 Photo: Yuu AKISANE

 来年のコースは最標高地点が2770m、カテゴリー山岳30カ所以上、5つの山頂フィニッシュ、いずれもツールの歴史上最高・最多となっている。コースの印象を問われたコンタドールは「非常にバランスがとれているステージで、総合争いにといて中級山岳ステージが大きな意味を持つだろう。個人タイムトライアルは短く、起伏に富んでいるので、タイムトライアルスペシャリストよりもクライマーに有利なコース設定ではないかと思う」と答えた。

 トゥールマレー峠にフィニッシュする第14ステージは114kmとなっており、近年短いコース設定が流行っていることについて「個人的には100%支持している。ショーとしての魅力を高めるステージだ。距離が短いので、選手たちはアタックを恐れず仕掛けることができるからだ。来年のツールでは最も魅力的なステージだ」と語った。

 第19ステージには標高2770mのイズラン峠が登場。高地でのレースについて、コンタドールは「2000mを超えてくると、苦戦する選手が多い。高地に慣れているコロンビア人選手は有利だと思う。ただ、私の場合は高地でも調子が良かった。呼吸がしづらい選手は多いだろうし、普段のパフォーマンスを発揮できない選手が多くなるためレース展開に影響を及ぼすだろう」とコメント。

来年のツールの印象について語るアルベルト・コンタドール氏 Photo: Yuu AKISANE

 最終日前日の第20ステージでは、33.4kmにわたって上り続けるヴァル・トランス峠へフィニッシュする。コンタドールは「すべてを懸ける日になる。総合で振るわない選手が、それまでとは違ったアプローチで挽回するステージ。そういったステージが最後のタイミングで組み込まれることはとても良いと思う」と語った。

 最後に優勝候補について聞かれると、「クリストファー・フルーム(イギリス、チーム スカイ)だね。それから、トム・デュムラン(オランダ、チームサンウェブ)とエガン・ベルナル(コロンビア、チーム スカイ)。もしチーム内である程度の自由が与えられるのであればベルナルにも可能性は十分にある」と、ベルナルの才能を高く評価していた。

マイヨジョーヌ、アルカンシエルが参戦

 続いて、昨年から一般公開となったチームプレゼンテーションが開催。パラサイクリングの選手、国内チームの選手たちに続いて、UCIワールドチームの選手たちが壇上に上がった。

 ツール・ド・フランス ジャパンチームとして出場する新城と別府史之(トレック・セガフレード)の両人は、「2人で走る機会はここしかない。ファンの声援に応える走りをしたい」と意気込みを語っていた。

パラサイクリングロード世界選手権優勝を飾り、UCI年間表彰を受けた野口佳子 Photo: Yuu AKISANE
日本では1年ぶりの共演となる新城幸也と別府史之 Photo: Yuu AKISANE

 UAEチーム・エミレーツはツール第21ステージで勝利したアレクサンドル・クリストフ(ノルウェー)をエースに立てて参戦。「2回めの来日。日本のファンの前で良いスプリントを見せたい」と抱負を述べた。

 欧州チャンピオンジャージを着用するトレンティンは、スペシャルペイントのバイクと共に登場。「初めての日本で、良いレースを見せたい」とかコメント。

欧州チャンピオンジャージとスペシャルペイントのバイクに乗るマッテオ・トレンティン Photo: Yuu AKISANE
アルカンシエルのアレハンドロ・バルベルデ擁するモビスターチーム Photo: Yuu AKISANE

 ツールでは落車骨折によりリタイアを喫したヴィンチェンツォ・ニバリ (イタリア、バーレーン・メリダ)は、「けがは完全に癒えた。イル・ロンバルディアで2位に入ることができたので調子は悪くない。(チームの作戦について)スプリントはマテイ・モホリッチ(スロベニア)が行う。そして、フランコ・ペリツォッティ(イタリア)が現役最後のレースとなるので、花道を飾ってあげたい」と語った。

 世界チャンピオンの証、アルカンシエルを着用して登場したアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスターチーム)は、「スプリンターはいないけど、イマノル・エルビティ(スペイン)とホルヘ・アルカス(スペイン)が引いて、ルーベン・フェルナンデス(スペイン)も調子が良ければ仕掛けてもらって、最後にぼくが行きたいと思う」と語り、会場の笑いを誘っていた。

さいまたクリテリウムでは、すっかりお馴染みのマルセル・キッテル Photo: Yuu AKISANE
多忙なゲラント・トーマスは、ジャージもバイクもパンツもイエローとのこと Photo: Yuu AKISANE

 5度目のさいたま参戦となるマルセル・キッテル(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)は、「スプリントレースを楽しみにしている。チームのトレインも強力だ。トレンティン、クリストフと強力なスプリンターがいるが、精一杯の走りを見せたい」と抱負を述べた。

 そして、マイヨジョーヌを着るゲラント・トーマス(イギリス)を擁するチーム スカイが登場。トーマスは「ツール・ド・フランスが終わってから、レース以外であちこち動き回ることが多くて忙しかった。最近はまともに自転車に乗れていないので、明日のレースはトレーニングの意味も込めて楽しみたい」と語った。

リズム感、スポーツセンスが露呈する交流会

 毎年恒例の日本文化を体験するコーナーである「市内交流会」では、ステージ上で和太鼓の演奏、そして野球体験が実施された。

 和太鼓の演奏には、キッテル、ニバリ、トレンティン、別府、新城の5人が参加。独特のリズム感に一様に戸惑う様子がうかがい知れたが、コツを掴んだ選手はそつなく演奏をこなしていた。

太鼓に叩き慣れているかのごとく打ち込む別府史之 Photo: Yuu AKISANE
チームプレゼンでは終始笑顔だったが、太鼓の演奏中は神妙な面持ちだったマルセル・キッテル Photo: Yuu AKISANE
そつなく演奏するヴィンチェンツォ・ニバリ。自己評価も高かった Photo: Yuu AKISANE
ハチマキ姿がピタリとハマっていたマッテオ・トレンティン Photo: Yuu AKISANE
懸命に太鼓を叩く新城幸也 Photo: Yuu AKISANE

 演奏後のニバリは「初めてにしてはよくできたかな」と自己評価。トレンティンは「リズムよく叩くのは楽しい。(自転車のトレーニングに役立つかと聞かれ)トレーニングにはならないよ」とコメント。

 別府は「日本人の魂を込めて演奏したかったが、海外生活が長いから難しかった」、沖縄・石垣島出身の新城はエイサーで太鼓を叩く経験はあったそうだが、「エイサーとは全然違うリズムで難しかった」と振り返っていた。

選手たちを記念撮影を行う日本太鼓協会の皆さん Photo: Yuu AKISANE

 続いて野球体験では、元西武ライオンズの星野智樹さんと、女子プロ野球・埼玉アストライア所属の加藤優選手、磯崎由加里選手がコーチを務めるなか、コンタドール、バルベルデ、トーマス、クリストフが参加。全員が野球経験は一切ないとのことだった。

 クリケットが盛んなイギリス出身のトーマスは「クリケットは上品すぎてやったことがない。ウェールズではラグビーが主流なんだ」と語っていた。

投げる、捕るの基本動作をこなすアレハンドロ・バルベルデ Photo: Yuu AKISANE
足を上げるフォームを習得したアレクサンドル・クリストフ Photo: Yuu AKISANE

 それでもやはりプロスポーツ経験のある4人は、キャッチボールにおいて投げることよりも難しいとされるキャッチングをそつなくこなしていた。

 続いてバッティングに移ると、スポーツセンスの差が現れる。コツを掴んだコンタドールとトーマスが快音を飛ばす一方で、クリストフとバルベルデはやや苦戦していた。

綺麗な重心移動で柵越え連発のアルベルト・コンタドール Photo: Yuu AKISANE
フルスイングで観客の遥か遠方でかっ飛ばしていたゲラント・トーマス。そのスイングスピードゆえに、弾丸ライナーが観客を直撃するハプニングも Photo: Yuu AKISANE

 最後はサインボールの入ったビニール製のカラーボールを、観客席に向けて打ち込むという荒々しいパフォーマンスを行った。その時、トーマスの打球がファンの顔面を直撃。この様子が面白かったのか、トーマスは笑いが止まらなくなってしまった。

自分の放った打球がファンを直撃したにもかかわらず、笑いが止まらなくなったトーマス Photo: Yuu AKISANE
トーマスとコンタドールに挟まれながら、記念撮影する谷崎さん Photo: Yuu AKISANE

 そこで、直撃したファンの方を壇上に招いて、トーマスらと記念撮影。マイヨジョーヌの打球が顔面に直撃するという、恐らくこれまでもこれからも世界中でたった一人と思われる、ある意味幸運の持ち主ともいえる谷崎さんは「何が起きたかわかりませんでした。目の前の子どもたちの間からボールが飛んできてぶつかった」と振り返り、ボールの当たった個所がほんのり赤みを帯びていたが、大事には至らず貴重な経験を受けいれている様子だった。

 ※コーチの星野さんは「野球は危険なスポーツなので、もっと広々とした場所でやりましょう」と注意喚起していた。

 初めての野球経験を通じて、クリストフは「初めてやったけど良かったね。キッテルに当てようと思ったけど、難しかった」、コンタドールは「バッティングが楽しかったけど、もっとトレーニングが必要だね」など、4人ともバッティングを楽しんでいる様子だった。

コーチを務めた埼玉アストライアの加藤優選手(左)、磯崎由加里選手(左から2番目)、元西武の星野智樹さん(右)と共に記念撮影する4選手 Photo: Yuu AKISANE

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