第2ターミナルからTKC森本さんがナビゲート駐輪場オープンの羽田空港 輪行から自走で出られるのか?脱出ルートを実走ガイド

by 森本禎介 / Teisuke MORIMOTO
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 2020年東京五輪に向け、世界各国からの玄関として使われる羽田空港(正式名称:東京国際空港)。2018年11月1日には国際線ターミナル横に駐輪場が完成しましたが、世界の自転車フレンドリーな空港に比べると、まだまだアクセスの悪さが目立ちます。そもそも「羽田空港に飛行機輪行で降り立った場合、自転車に乗ったまま東京の街に出ることはできるのか?」。そんなシンプルな疑問に答えるべく、TKC Productions(ティーケーシープロダクションズ)代表の森本禎介さんが挑戦。貴重な実走リポートでお伝えします。

羽田空港第2ターミナル到着ロビーを出ると、そこはリムジンバス乗り場 Photo: Teisuke MORIMOTO

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2年前に1時間さまよって脱出

 近年はLCCが普及し、世界中から多くの観光客が日本を訪れていますが、東京五輪を控え、この流れは加速することはあっても衰えることはないように見えます。また、行政もしまなみ海道の成功をモデルケースに、各地でサイクリングルートの確立に注力しています。当然、海外からやってくるサイクリストの玄関口は空港である場合がほとんどですが、都心への抜群のアクセスを誇る羽田空港を選ぶ観光客も多いことでしょう。

 大阪に居住する筆者は出張で伊丹空港から羽田空港に降り立つことがあるのですが、2年前に輪行で自転車を持って行き、羽田からそのまま自走で都心を目指す予定を立て、第2ターミナルから走り出しました。しかし、空港から脱出するにはGoogleマップは全くあてにならず、交番で聞いても明確なルートは分からないという事態に陥り、1時間ほど国内線ターミナル内でさまよったあげく、半泣きになりながら脱出したことがあります。

 海外には色々なサイクリストがいるもので、クレジットカード1枚だけ持って旅をするようなミニマムなスタイルもあります。そんなサイクリストが羽田空港国内線の、しかも第2ターミナルに降り立ち、そこから都内を自走で目指すようなケースはもっと最悪の事態になる可能性があります。自転車の侵入が禁止されている車道に入ってしまい、事故が起きてしまうことです。

自転車で出発、到着も容易なポートランド国際空港

 自転車の街として名高いアメリカのオレゴン州ポートランドのポートランド国際空港にはターミナル内に自転車のメカニックスペースが用意され、メンテナンススタンドに工具も完備されています。つまり、自転車で出発する、自転車を持って到着する、その両方のケースを想定しており、もちろん空港から街中へも自転車で容易にアクセスできるよう考慮されています。もし仮にポートランドのような街で自転車でターミナルまで走って行けないような空港案を発表すると、強烈な市民の反対運動にロビー活動が巻き起こり、自転車フレンドリーな空港にプランが変更されるのは自明です。

ポートランド国際空港には「バイクアッセンブリースペース」の表示がしっかりある Photo: Teisuke MORIMOTO 
ポートランド国際空港には整備用の組み立てスタンドが堅い床に設置されている Photo: Teisuke MORIMOTO

 空港内で迷子になったのきっかけに、色々と調べてみると驚愕の事実が発覚したのですが、そもそも羽田空港へは自転車でのアクセスが全く考慮されていないのです。各地でサイクリングルートが拡張され、素晴らしいサイクリング・エクスペリエンスを提供する国、ジャパンの窓口である羽田空港がこの受け入れ体制では少々心許ないのですが、その不都合な真実をつまびらかにするため国内線第2ターミナルから脱出するルートを実走リポートにてお届けします。

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まずは第2ターミナル到着

 国内線で第2ターミナルに到着しました。後述しますが、第1ターミナルの場合はもう少し楽に空港から脱出可能です。EVOCのバイクケースはスーツケースサイズのコインロッカーに預けました。このサイズのロッカーは数が少ないため争奪戦の様相です。

第2ターミナルに到着した図です Photo: Teisuke MORIMOTO
バイクケースをスーツケースサイズのコインロッカーに預けます Photo: Teisuke MORIMOTO

ロビーから車道側に出る

 車道側に出ます。海外で空港や駅のターミナル内で自転車を押して移動するのはよく見る風景なのですが、同じことを国内で試みると悪いことをやってる感じがします。実際、警備員や職員が飛んできて、怒られることがあるのですが、彼らの言い分は車両の持ち込みなので禁止、輪行袋に入れろと言う場合が多いです。まだまだ理解を得るべき課題だと思います。

交番でルートを確認

第2ターミナル交番のキリっとした警察官が親切に道を教えてくれた Photo: Teisuke MORIMOTO

 出て右手に行った果てにある第2ターミナル交番のキリっとしたカッコいい警察官の方に自転車ルートを確認。地図を出して親切に教えてくれました。ただし、「自身で走ったことはありません」とのこと。たまに自転車ルートを聞きにくるサイクリストは存在するそうですが、「基本的に自転車で来るように考えられていない」とも。

横断歩道で近道し第1ターミナルへ

まずは第1ターミナルに移動。横断歩道を使うと便利 Photo: Teisuke MORIMOTO

 まずは第1ターミナルに移動します。国内線ターミナルには競輪のバンクのような形状で車道が通っており、その直線部分にそれぞれ第1ターミナルと第2ターミナルのバス停があるのですが、直線の中央付近に横断歩道があり、車道を使わなくても歩道でショートカットして反対側に移動可能です。具体的にはバス停の8番と9番の間に位置しています。

向こう側に見えるのが第2ターミナルです Photo: Teisuke MORIMOTO
第1ターミナルに到着。バス停の番号が減って行く方向に移動しよう Photo: Teisuke MORIMOTO

 第1ターミナルに到着しました。バス停の番号が減って行く方向に移動します。ここは歩道を押して移動しましょう。乗車すると注意されます。第1ターミナル交番が右手に見えてくると、横断歩道があります。ここから自転車通行可になります。すぐにトンネルが見えます。トンネルの出口はスロープになっており、自転車の乗車もここまでになります。

第1ターミナル交番が右手に見えてくると、横断歩道が出る Photo: Teisuke MORIMOTO
すぐにトンネルが見える Photo: Teisuke MORIMOTO
トンネルの出口はスロープ Photo: Teisuke MORIMOTO

航空機鑑賞スポットへ

 スロープを上がると横断歩道があり、右側は施設内なので進入禁止、左側に進みます。ここは自転車で到達できる、航空機が一番近く見えるスポットの一つでしょう。

自転車で到達できる、航空機が一番近く見えるスポット Photo: Teisuke MORIMOTO

最大の難所はココ

 ここは最大の難所の一つです。左の車道を行ってもダメだし、右の高架に進んでもダメです。中央の歩道を行きます。

中央の歩道を行きます Photo: Teisuke MORIMOTO

 羽田空港には駐輪場がほとんどないのですが(※11月1日に国際線ターミナルに新設)、ここが最大の非公式駐輪場になっています。

高架下に“非公式駐輪場” Photo: Teisuke MORIMOTO

 自転車で来ることは想定されておらず、駐輪場さえ用意されてない国内線ターミナルなのに、自転車のスピードを注意する看板はあるのが不思議です。

自転車は通らないのに、スピードを注意する看板はある Photo: Teisuke MORIMOTO

 トンネル前半は下り基調なのでスピードに注意です。歩行者とのすれ違いは困難です。また、微妙な段差、濡れている個所が多数あり、MTBなら問題ありませんが、ロードバイクなら走行に注意が必要です。

トンネル前半は下り基調なのでスピードに注意です Photo: Teisuke MORIMOTO
段差にも注意したい Photo: Teisuke MORIMOTO

 トンネル出口付近には異常に狭くなっている部分があり、マウンテンバイクのハンドルバーではギリギリでした。ここが環八の起点となります。

トンネル出口付近には異常に狭くなっている部分があり、ハンドル幅に注意 Photo: Teisuke MORIMOTO

 そのまま進むと国際線ターミナルに到着です。今回の目的のもう一つ、初めて羽田空港に設置された駐輪場の視察です。当然、今までは駐輪場が用意されていなかったので、この状態です。11月1日午前5時から供用開始ということで、まだ稼働はしていませんでしたが(※10月下旬取材)、空港職員は事前登録制、一般利用者は最大10日間までの利用、キャパシティーは150台とのこと。

10月下旬、オープンを待つ国際ターミナルの駐輪場 Photo: Teisuke MORIMOTO
駐輪場の利用料は無料だ Photo: Teisuke MORIMOTO
今回のルート。第2ターミナル(右)から国際線ターミナル(左)へと向かった Photo: Teisuke MORIMOTO 

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国際線ターミナルに駐輪場、今後に期待

11 月1日オープンした国際線ターミナル横の駐輪場。今のところ、従業員の一般用自転車がほとんどのようだ Photo: Kenta SAWANO

 ようやく、初めて公式の駐輪場が国際線ターミナルに設置されたので、当然国内線ターミナルにも同じく設置される流れに期待しています。実は国際線ターミナルに駐輪して、そのままターミナル間移動に無料連絡バスを使うと7分で国内線第2ターミナルに行くことができるので、現状でも利便性はかなり向上しています。後は、国内線第2ターミナルから国際線ターミナルまで自転車行く場合のサインが整備されると、もう少しサイクリスト・フレンドリーな羽田空港になるでしょう。今後に期待したいです。世界は少しずつ良くなっています。

国際線ターミナル横の駐輪場には監視カメラがついている Photo: Kenta SAWANO
駐輪場は道路に面した角地に設置 Photo: Kenta SAWANO

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